『ブランド』というと商品のイメージが強く、
ハイブランドの鞄や時計をイメージすることが
多いのではないでしょうか?

ただ『ブランド』とは商品ではなく、
仕組みや方法という考え方もあります。

歯科医院は歯を治療する所なので
『ブランド』というイメージが少ないと思いますが、
他の歯科医院と差別化する上で
『ブランド』を持つことは大切なことです。

そこで今回は歯科医院で『ブランド』を作る
2つの方法について詳しくご説明します。

【クリーニングパスポート】

クリーニングは定期検診の時や治療が終わった後に
行うことが多いと思います。

そして、患者さんのご要望で多いのが、
クリーニングだけで行く時は
1回で終わらせてほしいということです。

保険の関係から1度で行うことは難しく、
検査などを行う場合には
2~3回通うこともあります。

患者さんは、この何度か通院する回数を
出来れば少なくしてほしいと思う方が多いのです。

そんな時に、
患者さんの『1度でクリーニングしてほしい』という
希望に対応するのに、保険外のクリーニングがあります。

保険外であれば、
費用や回数を自由に決めることができるので、
例えば1年以内であれば4回まで通うことができる
『クリーニングパスポート』を
作ってみてはいかがでしょうか?

この『クリーニングパスポート』は
通常1回分のクリーニングより
割安の設定にしておきます。

なぜなら、人間の心理として
4回まで通うことができるであれば、
4回通おうとする方が多いからです。

この回数は4回でなくても3回まででも良いのですが、
定期検診と同じ位の頻度に設定すると良いと思います。

そして、クリーニングパスポートで通院して、
何か不具合があった場合には、
その不具合を指摘して治療に移行するといった形です。

また検査が必要と感じた場合には
患者さんにお伝えして検査をしていきます。

この『クリーニングパスポート』のメリットとしては、
まずは歯科医院を知ってもらって
来院してもらうきっかけになります。

また、痛みがなくても、『クリーニング』は
誰でも受けることができるので、
この仕組みが良いと思ってもらえれば、
誰でも対象になります。

虫歯を対象にしていると、
健康な人は対象にはなりませんが、
クリーニングを対象にすることで
対象になる人を増やすことができるのです。

そして『クリーニングパスポート』で歯科医院に通うと
かかりつけの歯科医院にしてもらえる可能性が
かなり高くなります。

この仕組みがうまく機能すれば
歯科医院の『ブランド』になるのです。

【ホームホワイトニングの保証】

ホワイトニングは徐々に後戻りしてしまうので、
色を維持するためには定期的にホワイトニングを
する必要があります。

色の感じ方や色の白くなる段階は個人差があるので、
保証をつけるのは難しいと考えられていました。

ただ、『定期的に検診を受けてもらう』ことを
条件にホワイトニングに保証をつけることができます。

オフィスホワイトニングはユニットを占領してしまうので
難しいのですが、ホームホワイトニングであれば、
トレーを作ってしまうと、後は追加のジェルを
お渡しするだけなので、検診を受けてもらうことで、
色の後戻りが気になった際にジェルをお渡しする仕組みに
してみてはいかがでしょうか?

もちろん保証には期間を決めることも大切です。

最近では、
色々な歯科医院でホワイトニングできる様に
なってきましたが、差別化がむずかしくなっています。

歯科医院で行うホワイトニングとは
全く別なものになりますが、
費用がかなり安いセルフホワイトニングも
出てきています。

ジェルの成分が歯科医院で使うものとは別なので、
ホワイトニング効果は期待することができないのですが、
患者さんは費用が安いことと、
自分で行うという今までなかった仕組みに
気になっているという方が多いということを聞きました。

今までに無かった仕組みは
患者さんにとっても興味があるのです。

そして、保証がついているのは
患者さんには大きなメリットです。

また、歯科医院も定期的に検診を受けてもらえるので、
しっかりとリコールに通ってもらえることができます。

これは患者さんにとっても歯科医院にとってもメリットがあり、
他の歯科医院と差別化できる仕組みは『ブランド』になります。

【まとめ】

『ブランド』というと大変なことの様に
聞こえてしまいますが、
患者さんのニーズはどういうことか?
ということを意識して働いていると
少し『仕組み』を変えてあげることで
差別化して『ブランド』にすることができます。

今回ご紹介した『クリーニングパスポート』や
『保証のあるホワイトニング』は一例です。

こちらも費用や回数が変わることで
患者さんの感じ方も変わってくると思います。

『患者さんのこうしてほしい』という声には
ブランドになるヒントが隠れているかもしれません。

それぞれの歯科医院に合った『ブランド』を
作って患者さんの通いやすい環境を作ってみる。

そんな取り組みを考えてみるのも
いいのではないでしょうか?