歯科医院のアポイントで無くしていきたいのが
無断キャンセルです。
他の患者さんのアポイントを入れることができたはずの
時間が無駄なものになってしまうからです。

では無断キャンセルは
どうして起こってしまうのでしょうか?

いくつか理由が考えられますが、
無断キャンセル対応と合わせてまとめてみました。

【無断キャンセルの理由】

無断キャンセルには、患者さんの理由によるケースと、
医院に対して何らかの不満があって無断キャンセルから
治療が中断してしまうケースがあります。

患者さんの理由では再度治療をすることができますが、
不満があった場合に中断して転院してしまうと、
これから先の治療もできなくなってしまい、
利益にもなりません。

◆患者さんの理由

①アポイントを忘れてしまった。
②雨や天候が良くなかった。
③急に仕事が入ってしまった。
④体調を崩してしまった。

仕事や体調は急に決まってしまったりすることなので
どうしようも無い場合もありますが、
その場合にはキャンセルの電話をするのが常識です。

キャンセルの電話をもらうと
他の患者さんのアポイントを入れることができますし、
患者さんも、また治療に行かなければならないという
意識があります。

なんとなくキャンセルの電話をかけにくいから
そのままにしてしまった、
という様な状況を作ってしまうのは問題です。

患者さん側のルーズな性格による場合もありますが、
医院の雰囲気が電話しなくても良いのでは?という
空気を作ってしまっている場合があります。

このような空気を作らないためには、
普段から予約時間にしっかりとご案内をして、
待ち時間が無いようにすることが大切です。

人間の心理として、
普段からしっかりと時間を守ってもらっていると
自分もしっかりと時間を守ろうという気持ちに
なることが多いです。

逆に、いつも待ち時間が長いと、
同じ対応でも良い様な気持ちになってしまいます。

無断キャンセル対策としてだけではありませんが、
待ち時間を減らし、しっかりとした対応をすることは
とても大切です。

また患者さん側の無断キャンセルの理由で多いのが
単純に忘れてしまったということがあります。

最近では、初診の際にメールアドレスを聞いて、
患者さんの希望があれば前日にメールでお知らせする
サービスもすることができます。
来院日以外にも、メインテナンスや歯科の色々なコラム
などを送る設定ができるものもあります。

単純に忘れてしまったということを防ぐ為には
こういったサービスの活用も1つの手段です。

◆医院側による理由

①治療が雑に感じられた。
②治療計画や治療説明が十分では無く、患者さんが来院する重要性を感じられなかった。
③スタッフ同士で他の患者さんのことをおしゃべりしていた。
④スタッフが定着せずいつも違うスタッフで信頼関係が築きにくかった。

医院側の理由で
スタッフとしっかり取り組んでいきたいのが、
治療計画や治療説明をしっかりすることで
患者さんに動機付けをしていくことです。

これはメインテナンスの重要性にも繋がりますが、
今はこの段階でこれからどうなっていくかを伝えると、
治療の重要性を理解してキャンセルが少なくなって
いきます。

キャンセルのハードルを低くしてしまうのは、
今どの様な状況か分からないが痛みが無くなったから
良いと思ってしまうことです。

よく抜髄した後の仮封の状態でそのまま放置してしまう
患者さんがいると思います。
そのまま放置してしまうと歯が割れてしまう可能性も
お伝えしてキャンセルを防ぐことが大切です。

患者さんは状況を把握せずに痛みが無くなると
良くなったと勘違いしてしまうことがあります。

現状や次回どの様な治療をするか説明をしっかりして、
無断キャンセルを防いでいきましょう。

【無断キャンセル時の対応】

無断キャンセル時の対応は非常に大切です。
アポイントの時間を5分過ぎたら電話をして
アポイントがあったことをお伝えしましょう。
これをルール化してください。

どんな会話をするのか?
スクリプトを作ることをお薦めします。
これだけで無断キャンセルは減少しますし、
休眠患者入りを防ぐことができます。

単純に忘れている場合には急いで来院してもらうことも
できますし、次回のアポイントを取ることもできます。

また、電話が来ることで
『気にかけてもらっている』という感覚から
『行かなければならない』と思ってもらえることが
多いからです。

【まとめ】

キャンセルや治療が中断してしまうことは
患者さん側だけの問題のように感じてしまうことが
ありがちです。

しかし、医院側が気付かずに
無断キャンセルや治療中断の理由を作ってしまっている
場合があります。

患者さんが感じる不快なことや
スタッフが定着せず信頼関係が築けないことは
医院全体で取り組んでいかなければならないことです。

また予約時間に正確なことも
患者さんにしっかりとした歯医者という印象を与え、
同じように時間に正確でなければならないと
思ってもらえるきっかけにもなります。

無断キャンセル対応をしっかりして
選ばれる歯医者を目指していきましょう。

具体的にはケーススタディを挙げて
院内でミーティングを行うことをお薦めします。