自費治療はメリットも多く、
患者さんの満足度も高い治療です。

ただ、価格が保険に比べて高いことから、
『無理に勧めて患者さんと気まずい空気に
なってしまったらどうしよう・・・』
と後ろめたい気持ちになってしまう、
といったスタッフの声をよく聞きます。

これは、『価格』に注目してしまっていて、
その『治療の価値』に重点を置いて考えていない
ことがあります。

長い目で見るとどれ位生活の中でメリットがあるか
『治療の価値』に着目してお話することで、
患者さんの印象も変わってきます。

それでは具体的にどのようなことに気を付けていけば
良いのでしょうか?

〈説明ツールは分かりやすく〉

『百聞は一見にしかず』
ということわざがあります。

保険外のセラミックは、実際に見てもらうことで、
透明感があり審美性に優れていることが
伝えやすくなります。

『補綴の模型』を用意して見てもらって
患者さんの反応を確認してみましょう。

患者さんはよくわからないことに不安を抱いている
ことが多いです。
どのようなものか、高いものではないのか、と
不安になっていることを1つずつ解決して
いきましょう。

説明するときには、
その材料の『メリット・デメリット』を
患者さんに分かりやすいように
しっかりと伝えられるように
しておくことが大切です。

メリットやデメリットが曖昧になっていると
説明に一生懸命になり過ぎてしまい、
患者さんの反応を見ながら進めることができない
ことがあります。

患者さんとの対応に自信が持てるように、
自費の補綴物のことはしっかりと勉強して
おきましょう。

〈自宅で考える時にパンフレットを〉

自費の治療の説明をした時に
『主人に聞いてから。』
『家に帰って考えてから。』
と言われることもあると思います。

自費治療に対して少し躊躇している場合もありますし、
実際にすぐに決められないので考えたいから、
ということもあります。

そんな時に、
自宅で比較することができるツールがあると便利です。
『パンフレット』に補綴物の比較や価格などを
載せましょう。

それを自宅に持って帰ってもらって
検討してもらいます。

歯科医院には、
説明する時に使うツールがあると思います。
同じように、自宅に帰ってからでも見られる、
材料の比較や価格が載っている資料があると
患者さんも分かりやすいです。

なんとなく説明が分かりにくかった、という場合でも、
視覚で見ることでしっかりと把握してもらうことも
できるからです。

最終決定に自宅用パンフレットが効果をあげてくれる
ことがあります。

〈患者さんの気になる情報も発信する〉

実際に補綴になった時に見るパンフレットだけでは無く
患者さんが興味のある情報も発信していきましょう。

患者さんの興味がありそうなテーマの
『院内紙』を定期的に作って情報発信すると
お口に対する興味を持ってもらうことにもなります。

また、普段から『院内紙』をお渡ししていれば、
自費の治療の時にパンフレットをお渡ししても、
押し付けられている感覚がなくなります。

『院内紙』には様々なメリットがあります。

テーマは歯周病、インプラント、フッ素の効果など
様々なテーマを考えることができます。

また、患者さんとコミュニケーションを取る
ツールにもなります。
前回渡したテーマの話もブラッシング指導の時や
先生を待つちょっとした時間に話したりできるので
有効活用することができます。

〈大切なコミュニケーション〉

普段の何気ないコミュニケーションが
実は信頼関係を重ねているのです。

いきなり自費の話をするよりも
普段の何気ない会話をしている方が
患者さんも色々質問しやすい環境になりますし
興味を持ってくれる傾向にあります。

このようなコミュニケーションはとても大切。
細かな所もメモに取っておく
患者さんの環境が分かって、
後から役に立つことがあります。

子供の行事や旅行の話、お盆やお正月の話など、
コミュニケーションを取っていくには
色々なテーマが隠れています。

最初からプライベートな質問をするのではなく
相手の様子を見ながらお話していくことが大切です。

この時、相手のテンポに合わせて話をすると、
相手に受け入れられやすくなる
『ミラーリング』の効果があります。

また、患者さんの話を
オウム返しのように確認しながら話していくことで、
患者さんにしっかりと話を聞いてもらったような感覚に
なってもらえます。

〈普段からコミュニケーションを意識〉

自費治療だけに限ったことではありませんが
コミュニケーションは大切です。

特に、普段からコミュニケーションを取っている方が
自費の説明もスムーズにしやすいことがあり、
その結果、自費の治療が増えていくことがあります。

また、コミュニケーションを取っていることで
来院に対するハードルも下がり、
メインテナンスに繋がっていくのです。

コミュニケーションが取れていないと感じる場合には
『院内紙』などのアイテムも活用して、
患者さんとのコミュニケーションアップを
図っていきませんか?