求人票をあちこちに出しているのに、
見学者すら来ない。

見学者は来るものの、応募につながらない。

条件は他の歯科医院と変わらないはずだし、
決められた枠内で表現できることなんて
限られているのに…。

一体、なぜ?

…と、こんな風に思うことはありませんか?

は余程でない限り、給与額や休日などの
条件が問題なのではありません

ちょっとした心がけや工夫で、
応募につながる求人票」が書けるとしたら?

そのヒントをまとめておきます。

応募につながる求人票とは?

1.「求人の広告」になっている
2.「自由記入欄」が8割方埋まっている
3.担当者職名・名前が書かれている

項目だけ挙げても具体性が無いので、
求職者の目線を追いながら考えてみましょう。

求職者は、求人票のどこをどう見ているのか?

ある日、A歯科衛生士学校の職員室で、
2人の学生が求人票ファイルを見ています。

2人とも3年生で、どこの医院に応募するか
迷っているようです。

2人が一番先に探したのは、自分の実習先。

自分の抱いている印象と、求人票の内容が
合致しているかを確認したいようです。

実習先の求人票に、ああだこうだと茶々を入れ、
他の医院の求人票を見始めました。

どこを見ているのかな?と視線を追うと…
自由記入欄」でした。

200字程度が記入できる自由記入欄には、おおむね

「スタッフルーム完備!」
「開院15年目。地域に密着した笑顔あふれる歯科医院です。」
「歯科用CTなど設備充実。丁寧に教えますので安心して来てください。」
「スタッフの仲の良さが自慢です。」

など、魅力的に思える短い文言が並んでいますが
彼女たちが気に留める様子は見られません

ボソッと学生Bが言いました。
「こんなの、書いてあってもよくわかんないよね。」

「ほんと、それ。どこも同じに見えるよね。」
と学生C。

様子を見ていた私は、
休日や給与額は気にしないのかと訊いてみました。

そうすると返ってきた答えは、
行きたいところがいくつかあれば、比べるかもしれない
というものでした。

どうでしょうか?
少し「応募につながる求人票」が
見えてきましたか?

上に挙げた項目と共に、以下に説明していきます。

1.「求人の広告」になっていない=「どこも同じ」の真相

色んな歯科医院の求人票を拝見すると、
「人材が欲しい」ということよりも、
歯科医院自体の広告になってしまっている
求人票が圧倒的に多いです。

残念ながら、医院の魅力や特色をただ訴えても、
彼女たちの心は動きません。

「歯科用CTがあると聞いて決めました」
なんて、聞いたことがありません。

また、学生は、親や学校の先生から
「歯科衛生士は売り手市場だから、国試さえ通れば何とかなる」と
夢の無い励まし方をされていることが
ほとんどです。

もし、医院の魅力や特色を訴えるのであれば、

「毎年リレーマラソンに出場しています」
「特養老人ホームでの歯科保健指導を〇年しています」
「海外ボランティア活動を行っています」

など、他院にはないものを訴え、
学生たちに「就職した先の未来」を
垣間見せることが有効です。

求人票は、求人広告です。

人材を求めていることをきちんと訴え、
求職者に「必要とされている」と
感じてもらうことが肝心です。

2.「自由記入欄」の白さが目立つ

人材を求めていることや、
求職者に望む行動を訴えれば、
かえって欄が狭く感じるはずです。

求職者に望む行動とは、
「連絡がほしい」「見学に来てほしい」などです。

何をすればいいのかがわかり、
取り掛かりやすいと感じれば
次のステップに進みやすくなるからです。

全体の8割は埋める方がいいです。

ただ、スタッフ集合写真や外観の
写真貼付は止めておきましょう

見学に行けばわかることですし、
掲示の際に白黒コピーになってしまう
ことがほとんどです。

3.担当者=院長 はNG

院長に堂々とコンタクトを取る
学生がいるでしょうか?

ほとんどいないと思います。
ハードルが高すぎます。

あなたがたとえどんなに気さくな院長であっても、
実際に会うまでは「あなたが気さくかどうか」は
わからないからです。

可能であれば同じ職種の歯科衛生士を担当者にし、
苗字だけでも名前を明記しましょう。

歯科衛生士専門学校であれば、
就職担当の先生が学生に代わって
連絡を取ることが多いのですが、
それでも同じことです。

担当者がハッキリしていることで、
求人に真面目に取り組んでいる姿勢も表せます。

求人票は「広告」です

これまでお話したような視点で求人票を作ると、
とても時間がかかると思います。

けれど、時間をかけることが、
理想の予防歯科医院経営には必要なのです。

「ここは他とは違いそうだ」
「ここなら行ってみたい」
と、求人票を読んだときに思ってもらえるように
心がけながら、今年の求人票は時間をかけて
書いてみませんか?

想いと時間をかけた分だけ、
欲しい人材が近づいてくる、
そうイメージしてがんばってくださいね。

結局人材が勝負の分かれ目

予防を中心とした医院経営は
地道な取組みが必要です。

これはあなたも理解してもらえると思います。

優秀な人材が新たに入ってくると、
医院の雰囲気ががらりと変わります。

患者さんもその雰囲気を敏感に感じ取ります。

予防の大切さを患者さんの身になって
話してくれるでしょう。

優秀な人材を採用できるということは
予防歯科を強化した医院経営への近道
ということはわかってもらえると思います。

ヘルスケアチーム コーディネーターmy