突然ですが、先生の患者さんの口腔ケアは
上手くできていますか?
セルフケアを意識高く取り組んでいますでしょうか?

口腔ケアは日頃の歯磨きやフロスなど
患者自身で実践することが大事ですが、
これは定期的に歯科医院で
その人にあった指導を受けてこその活動です。

予防歯科には、歯科医院で行うプロケアと
家で毎日行うセルフケアの
両方が大切なのはご存知の通りです。

一人ひとりにあったセルフケア方法を実践する上でも、
患者にカウンセリングを行い、口腔内を診て、
その人にあったセルフケア方法を
指導していく必要があります。

その継続的な積み重ねが、
健康な口内環境を維持するために必要です。

しかし、患者自身、頭でわかっていても実践するのが
難しいのが現状ではないでしょうか。

私自身、
歯科医院で歯磨き指導などの口腔ケア指導を受け、
その後しばらくは実践するのですが、
時がたつと受けたアドバイスを忘れ
おざなりになっていることに気がつきます。

そして、定期メンテナンス時に
磨き残しなどがある事を知り、
再認識を繰り返しているように感じています。

このいつの間にか下がってしまうモチベーションを
維持するのに必要な事は何でしょうか。

多くの要因があると思いますが、その一つに
口腔ケアをおろそかにしても死ぬわけではないという
意識を払拭する必要があるのではないでしょうか。

東日本大震災では口腔ケアが命の分かれ目になっていた

先日、東日本大震災時の口腔ケアを事例とした、
ある講演会を聴講しました。

そこでは、口腔ケアの重要性について学び、
日頃の口腔ケアの積み重ねが、
お口だけでなく全身の健康につながるという事例が
紹介されていました。

東日本大震災直後に、肺炎患者が急増しましたが、
東北大学の呼吸器内科の先生が調査した結果、
震災後3ヵ月の間に、225名が肺炎で入院し、
そのうち52名が死亡していたとのことです。

しかも、肺炎患者の9割が65歳以上の高齢者でした。

一方、気仙沼市にある老人ホームでは、
震災当時100人を超える高齢者が避難生活を送っていたが、
肺炎で入院する患者はでなかったようです。

その施設では、震災の5年以上前から口腔ケアを
重点的に取り組んでいました。
その効果がこの震災時に顕著に現れたようでした。
参照HP:http://www.nhk.or.jp/japan311/tmrw3-pneu.html

口腔ケアの動機付けが全身の健康につながる

日頃の口腔ケアの重要性を国民が知っていたら、
有事であっても、肺炎患者の発生率が
下がっていたかもしれません。

歯科医院で行う歯磨き指導などの口腔ケア指導は
その人のお口や全身の健康だけでなく、
有事には命を守ることにつながることを
しっかりと伝えていく必要があると感じました。

私たちメーカーも
予防歯科の普及を通じて、
広く口腔ケアの重要性を
啓蒙していく活動をしていかなくては
ならないと感じています。