歯科医院は1つのチームです。

ひとりの患者さんが来院してから帰るまでの間、
チームのメンバーは互いに連携しています。

これがチーム医療ですよね。

そして、この連携の谷間に必ず発生するもの、
それが作業です。

そして、作業の多くは、誰がやっても仕上がりに大差はないですよね。
それなのに、誰かひとりにやらせている、ってこと、ありませんか?

「新人だから」「担当だから」という理由で丸投げしている、
ということはありませんか?

誰がする?ではなく全員でする。

基本的には、「作業は全員でする」ものです。

全員…とまでいかなくても、複数人でした方が早いし、
効率的だということは誰もがわかっていることです。

しかし、様々な理由により、
いつの間にか、いつも同じ人が作業をしている、
ということが往々にしてあります。

  • 帰る時間が他のスタッフより微妙に遅い
  • 休憩室でお昼をとらない

このようなスタッフは、
作業請負人になってしまっている可能性が高いです。

院長やチーフが気づかないうちに、
闇取引が行われている場合もあるので要注意です。

また、このような作業は、
「すき間時間でできる」として見なされ
(実際は忙しくてできませんよね…。)
それゆえに診療時間外にしなければならないことが
多いものです。

診療後って…早く帰りたいですよね。

それなのに、作業をしなければならない。

「時間中にできることをしなかった」という理由で、
タイムカードを切るように指示されたりする…。
これらは、ストレス以外の何物でもありませんよね。

口腔内写真の整理作業が離職につながる?

Aさんは中途採用の歯科衛生士。
認定歯科衛生士取得を目指しています。

院長が認定医であり、設備・環境も整っている、という理由で
歯科医院へ入職して3か月が経ちました。

口腔内写真の整理は、Aさんの入職までは
歯科衛生士全員で行っていました。

しかし、Aさんが入職してからは、
Aさんひとりの担当になりました。

「自分の勉強にもなるし、その都度やれば
そんなに時間もかからないでしょ」
と、気軽に考えていたそうです。

しかし、実際は、診療時間中にパソコンデスクで
作業をするわけにもいかず、Aさんが作業に取り組めるのは
いつも診療後でした。

診療後のしんとした診療室で作業をしていると、
何だかさみしくなってきます。

毎日のように資料撮りは行われていて、
作業に終わりはありません。

自分の勉強になると言い聞かせつつも、
果たしてこの作業が本当にスキルアップにつながるのか?
という疑問が頭をもたげます。

「面倒なことを押し付けられているだけのような気がする」
いつしか、こんな妄想をしてしまうようになりました。

退職を申し出るのに時間はかかりませんでした。

さすがに、「口腔内写真の整理が嫌で…。」とは
言えなかったそうですが。

ひとり作業をするスタッフが考えがちなこと

この話は少し極端な例かもしれません。

また、気軽に引き受けたAさんにも非はあります。

しかし、この話によって、
ひとりで作業をしているスタッフが考えがちなことが
見えてきませんか?

  1. 他のスタッフでもできる作業なのに、なぜ誰も手伝わないのか?
  2. 医院のための作業なのに、なぜ診療後にやらなければならないのか?
  3. もしかして、私、嫌われてる?

作業は全員でするもの。

「作業は全員でする」のが基本です。

医院をよくするための負荷は、
スタッフ全員で背負うべきなんです。

また、1人で行うからこそ面倒だと感じ、
さみしくなるものです。

だからといって「この作業が嫌です」と言うと、
「ただのワガママ」
「仕事でしょ」
…などと余計なことを言うスタッフが必ずいます。

午前診療の終了前30分を各々の作業時間に充てたり、
封入作業は定期ミーティング内で時間を取ったりして、
強制的に全員にさせることをお勧めします。

院長・チーフの提案が離職を防ぐ

このようなちょっとした取組が
不満の解消につながります。

真面目で、長く続けてほしいスタッフが、
不可解な理由で辞めてしまうことを未然に防ぎます。

次に作業が発生したら、「みんなでやろう」と
提案してみませんか?

院長やチーフの「みんなでやろう」によって、
救われた気分になり、
「もうちょっと頑張ろうかな~」
と思うスタッフがきっといるはずです。

 

ヘルスケアチーム コーディネーターmyより