
厚生労働省による令和4年のデータでは、
歯科医師は約54%が、診療所の開設者または
法人の代表です。
今は開業していなくても、
いずれ開業を考えている先生も多いでしょう。
しかし、臨床や日々の仕事で忙しく
経営を学ぶ時間がないという声もよく耳にします。
臨床と経営の両立を考えている院長先生に、
一般企業で経営管理に使われている
「OKR」をご紹介します。
有名企業で経営マネジメントに使われるOKR
「OKR」をご存知でしょうか。
OKRは、Objectives and Key Results
(目標と重要な成果指標)の略です。
OKRは、世界的な半導体企業インテル社で
経営マネジメントに使われ始め、
Google社でも採用されました。
OKRでマネジメントするには、
組織が到達したい長期的な目標(O)を決め、
3か月ほどの期間で達成するために、組織全体で
一貫した成果指標(KR)を設定します。
さらに、各部署やメンバーも目標(O)と
成果指標(KR)を全体に合わせて作成します。
OKRの設定では、組織全体の目標を
メンバーの自発的な行動に落とし込むのが
ポイントです。
OKRの特徴
OKRの目標を設定するにあたっては、
重要性・具体性・行動につながること・
人を動かす要素が重要だとされています。
OKRに必要なSMARTの要素
また、目標の作成には「SMART」と呼ばれる
Specific(具体的)、Measurable(計測可能)、Achievable(達成可能)、
Relevant(目標に関連)、Time-bound(期限)の
考え方も参考になります。
OKRでは、あえて高めの目標を設定するため、
60~70%程度の達成でも良好と評価される
考え方があります。
OKRの考え方は、歯科医院で役立つ
では、OKRを歯科医院で応用してみましょう。
院長先生をトップとして、歯科衛生士、受付と
セクションに分かれている歯科医院は
OKRの考え方を活用しやすい面があります。
また、それぞれのセクションが専門的で
部門ごとの連携が弱くなることもあるため、
組織全体をマネジメントできる
OKRは役に立つでしょう。
OKRを歯科医院で応用してモチベーション作り
OKRの実施にあたっては
まず、院長先生が歯科医院の方向性を示します。
どんな歯科医院にしたいのか、スタッフが
院長先生と同じ方向を見て協力するためにも、
はっきり伝える必要があります。
さらに、スタッフの思いを反映し、
現状と課題を確認して、実践する内容を決めます。
その後、振り返りの時間を持ち、
適切にフィードバックする流れを繰り返します。
OKRは、スタッフ一人ひとりが自覚をもって
取り組み、組織全体を動かしていく力となる
モチベーションを作るのがカギです。
院長先生の夢をOKRで実践
歯科医院でOKRを実践する
具体的な例を見てみましょう。
ある歯科医院では院長先生が、家族が通う
クリニックにしたいという夢を持っていました。
そこで、患者さんが家族を紹介したくなる
家族向けのクリニックにする
といった目標(Objective)を考えました。
まず、成果指標(Key Results)に設定したのは、
患者さんが家族を紹介した数です。
スタッフもそれぞれ目標(Objective)と
成果指標(Key Results)を考え、
実行するようにしました。
歯科医院でOKRによるマネジメント
この例で歯科衛生士は、子どもを治療に連れてくる
親御さんの相談も聞くようにし、受付では、キッズ
スペースを作り子ども達に遊んでもらいました。
実際の相談や利用の数をKey Results(成果指標)
にします。
週末ごとに、状況をスタッフでシェアして、
具体的に改善案を検討して、実行します。
3か月ほどで結果を振り返り、
家族で通える歯科医院として
成功する目標に近づいているか検討して、
次の期間のアクションに活かすのが大切です。
マネジメントの手法で、よりよい歯科医院の経営を
医療機関である歯科医院の経営は、
一般企業の経営と性質が異なる面もあります。
しかし、マネジメントの手法を知り、
客観的かつ、意欲的に経営する姿勢が大切です。
よりよい歯科医院を作るために
OKRをはじめ、一般企業で使われている
経営の手法を活かしてみてはいかがでしょうか。
<参考資料>
厚生労働省 令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/22/index.html






