もっとスタッフが積極性をもって活躍してほしい!
そう思いつつ、どうしたらよいのか・・・
と、頭を悩ませている方は多いはず。
そんなスタッフに変身させるコツ。
実は案外カンタンかも知れません。

朝はギリギリに出勤。
休憩時間は食事後すぐに昼寝かスマホでゲーム。
頼まなければ何もしない指示待ち族・・・

「もう少し医院の取組に協力してほしい!」

スタッフや代診に対して
こんな嘆きを持っている
院長先生やチーフは実は少なくありません。

あなたもそうではないですか??

でもよく思い出してください。
彼らが入職したばかりの頃を。
「早く仕事を覚えて医院の役に立ちたい!」
と高いモチベーションを持っていたはずです。

今の彼らには高い能力や技術が備わっています。
それを保ちつつ、
以前のように高いモチベーションを取り戻せば、
取組も加速するはず!

そう思ったら、、、
ぜひ取り組んでみてほしいことがあるんです。

モチベーションが下がるカラクリとは

多くの医院では入職したばかりの新人スタッフに
研修を行うことは多いと思います。
問題はこの研修修了後にあります。
研修によって、
診療の流れや器具備品・薬剤の使用法
は習得できたとします。

でもその後の仕事の内容は?
「どのスタッフもたいだい同じ・・・」
なんてことはありませんか?

がんばっても、がんばらなくても結果は同じ・・・
そんな環境では、人は楽な方を選ぶものです。

ここで彼女たちに「出番」を与えてみましょう!
これが「モチベーションを上げる」ことに繋がっていきます。

「歯科衛生士」から「歯ブラシコンシェルジュ」へ

歯ブラシにとても詳しい歯科衛生士Aさん。
「母親が買ってくる大きいヘッドの歯ブラシが嫌で、
自分が好きな歯ブラシを探そうと思った」
というのがきっかけで、
色々な歯ブラシを買っては試すようになったのだとか。

院長の誕生日が近づいていたある日。
スタッフたちが
「そろそろ院長の誕生日プレゼントを用意しないと」
と話し合っています。

彼女たちにとっては、院長のプレゼントは難しい。
お金も手間もあまりかけられない。
好みなどの見当もつかないのが正直なところ・・・

そんな時Aさんが
「今使っている歯ブラシがとてもいいの。
それにしない?」
と提案します。

「しかも、ちょっとお高めだし。
高級感もあるよ♪」

ネットで調べると確かに歯ブラシにしては高い。
しかも袋入りではなく綺麗な箱入りです。
スタッフの負担額も妥当に思えました。

そして誕生日当日の休憩時間。
お決まりの雰囲気でプレゼントが贈呈されます。

Aさんは自分が提案したものとあって
「私が選びました。
 めっちゃいいんで、ぜひ使ってください。」
と言葉を添えます。

「Aさんが選んだの?」
「はい。私も使ってます。」
「こんなに高そうな歯ブラシを使ってるのか?」
「私、“歯ブラシフェチ”なんです。」

少し恥ずかしそうにそう言うAさんの様子に
笑いが起こります。

それまで院長先生にとって
Aさんは「歯科衛生士のひとり」に過ぎませんでした。
可もなく、不可もない衛生士。
でも辞められたら困る・・・そんな感じです。

スタッフ割引で買うことができる歯ブラシを使わず、
わざわざ高い歯ブラシを使う理由を聞きたい
と思いました。
しかし、場の雰囲気は既に「休憩モード」。
これ以上の時間経過はスタッフの機嫌を損ねると
判断した院長はお礼を言い、休憩に入りました。

後日、Aさんが院長のアシストにつきました。
治療が終わった後、院長がサブカルテを書いていると
患者さんがAさんに話しかけます。
「この間教えてもらった歯ブラシを使ってみたよ。
とてもよかった。」
「あ、あれ、いいでしょう?
〇〇さんは奥歯の後ろ側が空いているの。
だから、あの形がいいと思ったんですよ。」

このやりとりを聞いて院長は驚きながら聞きます。
「それ、何ていう歯ブラシなの?」
「えーと、▲▲…だったと思います。ね、Aさん。」
「ウチで売ってるの?」
「いえ…。」

そしてその後・・・

院長はAさんを販売品が並ぶ棚に連れて行き、
意見を請います。
さすがにフェチを名乗るだけありました。

Aさんの知識量に舌を巻いた院長は
販売品の管理をAさんに任せることにしました。
加えて、歯ブラシ選びに迷う患者さんがいたら
Aさんを呼ぶようミーティングで呼びかけました。

以降、販売品の棚の前で迷っている患者さんがいると、
Aさんが飛んでくるようになりました。

「Aさん、出番ですよ~。」

という呼びかけに応えるAさんは、とても嬉しそう。

販売しているのは歯ブラシだけではないため
歯磨剤やフロスも色々と試すようになったとか。
ほどなくして、医院のホームページには
「当院には歯ブラシコンシェルジュがいます!」
の文字が踊るようになりました。

「出番」がその人のやりがいを創出する

「出番」とは・・・
その人固有の長所や特殊技能を生かす場です。

「私にしかできない!」
そう思ったときに人はやりがいを感じるものです。
「好き」「興味がある」が前提にある役割・・・
と言えばわかりやすいでしょうか。
やりがいや役に立っているという実感が
モチベーションアップに繋がり、
離職を防ぎます。

「この人には辞めてほしくない」
そう思うスタッフには「出番」を与えてみませんか?
「出番」を与えられたスタッフは、
仕事へのやりがいを感じ、
ずっと働きたいと思ってくれるに違いありません。

ヘルスケアチーム コーディネーターmyより