歯科医院経営を安定させるために
様々な取り組みが必要ですが、
まずは率先してやっていただきたいのが
「無駄をなくすこと」です。
トヨタなどの大企業でも、無駄をなくし、
片付けに関する書籍が販売されています。
大企業だから無駄は多くて当たり前、
中小企業、ましてや歯科医院といった
小規模な医院では無駄なんて省いても、
あまり利益には影響しないのではないか?
と考える先生もいらっしゃるかもしれません。
ですが、無駄をなくすことは、
無駄な支出を減らす一番の近道です。
そこで今回は、
歯科医院の利益に直結する方法について
解説していきます。
キャンセル、予約時間
多くの歯科医院で見られる無駄として
・無断キャンセル
・予約時間の遅刻
が挙げられます。
無断キャンセルは売上にとって
大きなマイナスです。
どうしても病院だから仕方がない、
と諦めている先生も多いですが、
そもそも患者さんへのキャンセルポリシー周知が
十分ではないことが
この結果を生んでしまいます。
ホテルや飲食店でも前当日のキャンセルは
いくらかの費用をキャンセル料として
負担することがお客さんに求められます。
とはいっても歯科医院の場合、
キャンセル料を要求することは
現実問題難しいです。
しかし、対策を講じる必要はあるでしょう。
無断キャンセル
無断キャンセルが多い患者さんを
把握することが必要です。
スタッフに協力してもらい
集計をしてもらいましょう。
例えば、
無断キャンセルが3回以上続いた場合は、
予約は急患枠でしか対応できない
といった対応も考えられます。
まずは無断キャンセルが多い患者さんの
リストを作成し、
受付スタッフに共有化することが重要です。
時間を守らない
予約時間に遅れてくる場合の対策も必要です。
医院に通うすべての患者さんに
予約時間に遅れた場合のルールを
周知する必要があります。
予約時間に遅刻した場合は、
予定していた治療が十分にできないこと、
〇〇分以上の遅刻の場合は、
予定していた治療をせずに改めて、
予約を取り直すことになることを説明します。
アポイントに関する無駄を省くことで、
検診の予約や、初診の患者さんを
しっかりと予約枠で診療することができます。
材料の過剰在庫
次に見直してほしいのが、材料です。
歯科医院はたくさんの種類の歯科材料で
溢れかえっています。
保存治療であれば
C Rの種類を10種類以上揃えている
歯科医院もありますし、
インプラントでは、
インプラント体など様々な在庫の種類があります。
こういった材料がどれくらい歯科医院にあるのか、
まずは把握することが重要です。
全ての材料を必要な数だけ
在庫している歯科医院であればいいですが、
滅多に使わない材料を
割引セールで過剰に購入して、
結局、期限切れになってしまい処分してしまう、
といったケースも多々あるのではないでしょうか。
まずは、在庫管理を担当するスタッフに、
どんな材料があるのか、リストを作ってもらい、
月ごとにどれくらいの数を
使っているのかを洗い出しましょう。
そしてその中で、
1年近く使っていない材料があれば、
その材料は在庫が必要ない、
もしくは最小限に抑えることが重要です。
(毎日使う、歯科材料にも無駄は隠れています)
在庫管理をして把握するだけでも、
材料費の無駄がわかるので
まずは現状の把握からスタートさせてみましょう。
作業の効率化
最後は作業の効率化です。
作業の分担
歯科衛生士なのに、
片付けや準備に追われているスタッフ、
歯科助手なのに、
受付業務に時間をとられて、
診療業務のアシストができていない
スタッフはいませんか。
作業を分担しすぎて、
チームワークが崩れるのは問題がありますが、
効率化には分担は必須になります。
うまく分担ができない場合は
スタッフ人員が不足している可能性が高いです。
整理整頓
材料や医療機器などの整理整頓も
作業効率につながります。
どこに何がしまってあるのかわからない、
ということがあると、
作業の無駄につながります。
材料を探すのに2分かかってしまえば、
患者さんが1日50人来ていれば、
100分の無駄です。
最低賃金が平均1000円ですから、
1日1000円以上の無駄を整理整頓するだけで
節約できます。
整理整頓のこつは、
決められた場所に決められたものが
収納されていることはもちろん、
それが外からわかるように
明示されていることが必要になります。
歯科医院にはまだまだたくさんの
無駄が隠れています。
ですが、
今回ご紹介した無駄を省くだけでも
利益を上げることができます。
1つ1つは小さいですが、
1年を通せば大きな節約となります。
ぜひ「無駄なこと」を見直し、
効率化を図ってみてください。