安定した経営を支えるのは、
「患者さんの定着」です。
「リコールのキャンセル率が高い」
「患者さんが他の病院へ流れてしまっている」
と感じたら、自院になにか原因があるのかも
しれないと顧みてみましょう。
患者さん目線で考える「リピートしたくない…」と
感じる歯科医院の特徴と対策について紹介します。
歯科医院を変えるのは簡単!?
“かかりつけ医”という言葉は、
多くの人に認知されてきています。
「病院を変えると、一から自分の身体のことを
説明しなおすのが面倒…」
「同じ先生に診てもらっている方が安心できる」
など理由はさまざまですが、多くの人が
かかりつけ医を持っています。
実際、かかりつけ医を持つことのメリットは
大きく、厚生労働省や日本医師会もさまざまな
工夫をしながら周知を図っています。
しかし「歯科」だけに絞ってみると、
他の科とは違い「かかりつけ医」を持つことに
メリットをあまり感じない、
という患者さんの意見も聞かれます。
これは、歯科は他の科と違い、医師の力量の差が
患者さん目線で分かりにくいことや、
全身疾患のように「持病を理解して自分にあった薬を処方してほしい」といった感情が起こらない
ことも影響しているでしょう。
また、歯科医院は全国的に見ても非常に数の多い
診療科でもあります。
数が多いということは、
患者さんの選択肢が多いということ。
コンビニやスーパーのような感覚で、気軽に
通院先を変えている患者さんも少なくありません。
患者さんが「リピートしたくない…」と感じる6つのポイント
通っている中で、不快感・違和感・不満・不信感を
覚えた患者さんが、その感情に目をつむってでも
かかりつけ医として通い続けてくれる可能性は
極めて低いと言えます。
患者さんが「通院をやめたい…」と考えたり 、
歯科医院の予約を検討した際に
「この前とは違う病院を探そう…」と思ってしまう
6つのポイントを紹介します。
・待ち時間が長い
・予約が取りにくい
・待合室が混みあっている
・治療内容を十分に説明してくれない
・自費治療への誘導がしつこい
・スタッフの態度が冷たい
歯科医院への不満として多くの人が口を揃えるのが
「予約時間に治療が始まらない」という点です。
事前に予約をとっている以上、
予約時間になったらスムーズに治療を始めてほしい
と多くの患者さんが思っています。
いつも30分以上待たされる、
予約時間を過ぎるのが当たり前、
といった状態では患者さん離れを招くでしょう。
予約の取りにくさについては、
待ち時間とセットで考えるのが良いでしょう。
予約は取りにくいけれど、予約時間にきちんと
治療が始まりスムーズに通院できるのと、
予約は取りにくいし予約したところで
結局待たされるのでは訳が違います。
また、昨今の感染症流行も影響し、
待合室の混雑を懸念する声も聞かれます。
患者さん1人1人の予約幅をしっかりと考え、
待ち時間対策や、待合室の混雑緩和を
目指しましょう。
他には、医師やスタッフの応対品質についての
意見も目立ちます。
相手に不愉快な思いをさせない話し方や、
患者さんが安心して治療に臨める説明など、
スタッフ教育を含めた対応が求められます。
技術力だけでは、患者さんは定着しない
歯科医師の技術力の高さを理解する人はいますし、
そういった口コミが広がって集患につながるのが
医師として目指すべきところではあるでしょう。
しかし、多くの患者さんは、歯科医師の技術力の
高さを理解することはできません。
腫れや痛みといった症状が治まったかどうかは
わかりますが、多くの事柄は歯科に関する知識が
なければ判断できません。
もちろん、“治療の上手い病院”や“腕のいい医者”
にかかりたいと誰もが思っています。
同時に“通うことが苦痛にならない病院”にも多くの
ニーズがあることを理解することが大切です。
安定した経営・患者さんの定着のためにも、
安心して気分よく通える病院を目指してみては
いかがでしょうか。