「患者さんの心が読めればいいのに・・・」

と思ったことはありませんか?

例えば、
患者さんにブラッシング指導をしていて、
全く改善が見られなかった時や
モチベーションがずっと低いままで、

「何を伝えればいいのか?」
「どう指導すればいいのか?」

といったことが
わからなくなった時に、
考えたことはないでしょうか。

ドラえもんでもいない限り、
現実では心の中が透けて
読めることはないです。

でも、患者さんが何を考えているのかを
知る方法があります。

それが、
今回お伝えする動機付け面接です。

動機付け面接を行うことで

・患者さんが何を考えているのかわからない
・患者さんのモチベーションが低い

といった悩みを解決することができるので、
気になる方は是非、
最後までお付き合い下さいね。

患者さんの思いを知る「動機付け面接」

多くの患者さんは

「健康になりたい」

と考えているかと思います。

しかし、健康になるための
行動をする人は、ほんの一握りです。

健康になりたいと思っているけど、
行動に移したくない人を
無理矢理変えさせようとする程、
上手くいきません。

そこで、
患者さんが自分の健康について
どう思っているのかを確認する、
動機付け面接を始めにします。

動機付け面接
(MI=Motivational Interviewing)とは、

「患者さんの行動意欲を
引き出す支援者として対話するべき」

という考えです。

まず、動機付け面接では
会話のテクニックを応用しながら
患者さんが健康になりたいという欲求を
持っているのかを確認します。

そして、

「健康になるためには
どうしたらいいのか?」

といったことを
基本的に患者さん自身が考えていくように
サポートをしながら
必要に応じて情報の提供をしていきます。

例えば、
磨き方を教えるよりも

「ここの汚れを落としたい」

と、患者さんが思うことで
自分でどうしたら磨けるかを考えて
実践するようになります。

指導する側としては、
ついつい
自分たちが磨き方の答えを出して、
患者さんにやらせようとしまいがちです。

そうではなく、
患者さん自身が考えて
行動するようにサポートしながら
支援すること
が重要なのです。

MIの4つのプロセス

動機付け面接(MI)には
4つのプロセスがあります。

  • 開かれた質問(Open Question)
  • 是認する(Affirmation)
  • 聞き返す(Reflection)
  • 要約する(Summary)

この4つの頭文字を合わせて
「OARS」と言います。

それぞれがどんな方法なのかを
詳しく解説していきます。

開かれた質問

「はい」や「いいえ」で答えられる質問を
「閉じられた質問」と言います。

閉じられた質問では、
具体的に相手がどう思っているのかを
知ることが出来ません。

そこで、

「今日はどうなさいましたか?」
「どうなったら良いと思いますか?」

などと
患者さんが自由に答えられるような
質問をするようにしましょう。

開かれた質問をして、
患者さんの考えを知ることで、
指導する側との考えのギャップが
出来づらくなります。

是認する

是認するとは、
患者さんの行動を
肯定するような声かけをすること
です。

例えば、

「一生懸命、歯磨きをしたのですね」
「1日で2回も歯磨きをしたのですね」

といった声かけで、
事実を肯定的に言いましょう。

ここで注意することは、
結果を褒めるわけでは無いと言うことです。

「よく磨けていますね」は
結果に対しての声かけになります。

そうではなく、
患者さんが行動したこと
前向きに述べるようにしましょう。

聞き返す

オウム返しは言われたことを
そっくりそのまま相手に返すことです。

ここでの聞き返すは、
相手の言いたいことを推測して
話すことが含まれています。

例えば、

「歯間ブラシを使って歯の間に物が
詰まりやすくならないか心配」

という
患者さんに対して、

「歯間ブラシを使って
歯茎が下がってしまわないか
心配なのですね。」

と言うように質問するというよりは、
相手の意図を組んで話す形で聞き返します。

要約する

まとめることで、
患者さんは自分の言葉を客観的に考えること
が容易になります。

「つまり・・・○○ということですね。」


簡潔にわかりやすく、
まとめてあげましょう。

まとめ

患者さんの考えていることがわからないなら、
直接聞くのが一番です。

医療者側があれこれ予想するより、
一番手っ取り早い方法です。

かといって、
何でもかんでも聞くのではなく、
開かれた質問を使って
患者さんの言葉を待つことが大切です。

その後は、
是認したり聞き返したりしながら
患者さんとのコミュニケーションを
取りながら必要なことだけを
指導していきます。

そうすることで、
患者さんと信頼関係ができ、
患者さん自身のモチベーションも
アップします。

動機付け面接は、
すぐにできる方法なので
是非、取り入れて見て下さいね。