
歯科医院の運営には、一般企業の考え方も
役立ちます。
例えば、日本を代表する大企業トヨタが提唱する
「カイゼン」は他業種でも参考にされてきました。
トヨタは自動車メーカーであり、企業のあり方は
医療とは異なりますが、カイゼンの発想は
歯科医院でも役立つためご紹介します。
トヨタ式カイゼンを歯科医院で活かす
トヨタ式カイゼンには、歯科医院で活用できる
いくつかのポイントがあります。
現場参加型のボトムアップ式でカイゼンする
トヨタ式カイゼンの基本は、欧米企業に多い
リーダーによるトップダウン式ではなく、
コミュニケーションを大切にする
日本人らしい現場参加型のボトムアップ式です。
歯科医院は歯科医師である院長先生をリーダー
とする組織ですが、歯科衛生士や助手といった
他職種の協力が不可欠です。
スタッフの声を汲み上げれば、現場の問題点や
改善案が明らかになり、より安全で
効率よい職場づくりができるでしょう。
カイゼンで3M(ムリ・ムダ・ムラ)をなくす
トヨタ式カイゼンでは
「3M(ムリ・ムダ・ムラ)」をなくし、
お互いの仕事を楽にして生産性を上げることを
目標にしています。
3Mのカイゼンは、
歯科医院でも取り入れたいポイントです。
ムリは早めにカイゼンしてトラブルを回避
カイゼンにおけるムリとは、工程や作業員に
不可能な負荷がある状態です。
一時的に効率的に見えても、機械の故障や
作業員のストレスで事故が生じるリスクが
あるため、カイゼンします。
歯科医院も安全が第一です。
アポイントや治療の流れ、動線にムリがあれば、
トラブルが起きる前にカイゼンする
必要があるでしょう。
ムダはカイゼンして利益を出す
メーカーであるトヨタは価値を生まない
非効率なムダをカイゼンして利益を上げました。
探し物や不要な作業といったムダがあると、
時間や人手が費やされます。
歯科医院でも動線や作業を見直すと、
余裕のある治療ができて患者さんに喜ばれ、
さらには利益につながるかもしれません。
ムラをなくすカイゼンで効率を上げる
工場では業務にバラつきがあると、
全体の流れが滞り、生産量や品質が低下します。
歯科医院では歯科医師、歯科衛生士、助手、受付の
チームワークがよい流れになっていないと、
時間の遅れやミスが生じやすくなります。
スタッフ全員の業務の質を整えてムラをなくせば、
効率が上がるでしょう。
トヨタ式カイゼンの5Sで職場をよくする
トヨタが進める「5S」とは、
日本語のローマ字表記の頭文字で「整理」「整頓」
「清掃」「清潔」「しつけ」です。
5Sは、トヨタ式カイゼンで
効率を上げる鍵となる習慣です。
日本人には当たり前に見えますが、
海外で高く評価されました。
歯科医院であれば、医療器具や消耗品が
整えられて決まった場所にあり、
医院は清掃によって清潔を保ち、スタッフが
トレーニングされている状態にあたります。
5Sは企業の利益を上げるのに役立ちますが、
歯科医院をはじめとする医療現場でも大切です。
トヨタ式カイゼンの見える化を応用して安全対策
トヨタの工場では、生産ラインで異常があれば、
誰でも上にある紐を引いて電灯(アンドン)を
つけ、工場全体にすぐ知らせる仕組みがあります。
何かが起きたとき、トラブルになる前に全員が
分かるように見える化して助け合う体制にすると
安心して仕事ができ、効率が上がります。
歯科医院では、インカムやiPadによる連絡で
その場でスタッフに通知するシステムを導入すると
見える化でき、安全対策になるでしょう。
トヨタ式カイゼンを歯科医院に取り入れよう
トヨタ式カイゼンは、日本の自動車産業が
世界をリードしていた時代に広まり、
グローバルに評価されました。
カイゼンは、メーカーだけではなく
他業種でも経営的な効果が認められています。
歯科医院でもぜひ取り入れて、
カイゼンに役立ててください。






