
スタッフと意識を揃える時間を作れていますか?
と聞かれて、自信をもって首を縦に振れる
先生は少ないでしょう。
忙しい日々の業務の中、診療前後に全員で
顔を合わせて話をするのは難しいものです。
今回は、院内の雰囲気づくりや士気向上のヒント
として、「チーム力の底上げ」をテーマに
朝礼やカンファレンスの導入について解説します。
意識共有の大切さ
スタッフ一人ひとりの声掛け・態度・
ちょっとした仕草は、患者さんの医院に対する
印象を大きく左右します。
たとえ院長がどんなに腕の良い名医だった
としても、スタッフの対応次第では患者さんの
足が遠のいてしまう…ということもあるでしょう。
医院を運営する立場である院長は、
「何を大切にしたいか」「どんな医院にしたいか」を日々考えているはずです。
その“医院としての価値観”をスタッフ全員と
共有することで、皆で同じ方向を向いて業務に
取り組める強いチームが作れます。
スポーツチームが試合前に作戦会議をする、会社員
が朝礼を行う、総合病院が日々カンファレンスを
かかさないのと同じように歯科医院もまた「意識を
揃える時間」を大切にしていくと良いでしょう。
日々の業務をマンネリ化させない
治療や受付など、働いている側にとってはどうして
も同じような業務の繰り返しになりがちです。
業務がマンネリ化すると、一つひとつの仕事に
対する意欲が低下し“ただの作業”になってしまう
こともあるでしょう。
患者さんへの「診察室へどうぞ」という声掛け
1つをとっても、スタッフにとっては1日に
何十回と発する言葉ですが、1人の患者さんに
とっては、1回だけの体験です。
それを、流れ作業のように気だるさのある声で
言われてしまうと気分の良いモノではありません。
業務をマンネリ化させずに、一区切りをつける・
日々にメリハリを持たせるという意味でも、
朝礼やカンファレンスでの情報交換が有効です。
ちょっとした気づきや成功体験を共有することで、
チーム全体の意識に小さな変化が生まれます。
朝礼やカンファレンスのポイント
以下のようなポイントをおさえると、短時間で
も充実度の高い情報交換が行えるでしょう。
良かったこと、反省点を書くノートの導入
「毎日ちょっとしたことでもいいから書いて」
と促しておくと、スタッフそれぞれが自分の視点で
振り返るきっかけになります。
業務の空き時間などに書いてもらい、
朝礼やカンファレンスで共有しましょう。
その日の予約リストに対応に注意が必要な患者さんの情報を共有
「●●さんは前回、初診で緊張している様子
だった」など、対応の注意点を共有することで、
チーム全体で丁寧な対応が可能となります。
お互いの良いところを報告するタイムを設ける
「昨日、Aさんが患者さんと話しているときの
表情がとても柔らかくて印象的だった」
「Bさんが空き時間に待合室を掃除してくれた」
など、他スタッフの良い取り組みを
伝え合う機会をつくりましょう。
声に出して褒めることで、
「ちゃんと見てもらえている」
「頑張りが評価されている」という実感が生まれ、
モチベーションアップにつながります。
大切なのは、「良かったことは褒める」
「反省点は共有して次に生かす」という点です。
朝礼やカンファレンスが、責任を追及して誰かを
責める場になることのないよう、前向きな言葉を
選んで行うことを意識しましょう。
まとめ
朝礼やカンファレンスというと、堅苦しく
そして面倒なものだと感じてしまいがちです。
業務に区切りをつける・顔を合わせて
「今日もよろしくね」と言う、そのために
行うのだと思えば取り組みやすくなるでしょう。
まずは5分の朝礼から。
何かひとつ、みんなで話してみませんか?