皆さんの医院では、
補綴コンサルを実施していますか?

患者さんが納得して、
満足度の高い治療を進めていくにあたって
補綴コンサルはとても大切な機会です。

そもそも患者さんからすると
「知らない間に銀歯にされてしまった」
「どこにどんな治療をされたのかわからない」
という方や、
詰め物・かぶせ物・欠損補綴の違い等を
知らないという方が沢山いらっしゃいます。

逆に言うと、ちゃんと説明をする、
情報提供をすることで、
満足度や信頼関係の向上、
「ここは説明をしてくれるところだ」という
口コミを広げてもらえるチャンスに繋がります。

職種関係なく取り組むことができるので、
この機会にぜひチャレンジしてみては
いかがでしょうか。

ということで今回は
補綴コンサルのはじめ方についてお伝えします。

「いつ実施するか」を決める

治療前に補綴コンサルをする場合
事前に今後の治療の流れや
心の準備がしやすいのがメリットです。

ただ、歯を削ってみたら、
思っていたよりむし歯が大きかった、
もしくは小さかったなど
必ず予定通りにいくとは限らないことも
考慮したうえでお話をする必要があります。

形成が終わって、印象をする直前の場合だと
実際の窩洞の大きさを
患者さんに見てもらえるので、
イメージをしやすいのがメリットとなりますが
もっと事前に話を聞いておきたい
という方もいらっしゃるでしょう。

その他、セカンドコンサルで
治療計画を伝える際に
補綴物の話もある程度しておくというのも
いいかもしれません。

医院の方針や、患者さんの性格等を踏まえたうえで
どのタイミングがベストかを決めましょう。

「どこで実施するか」を決める

どこで実施するかを決めておくことも大切です。

チェアサイドだと、
治療の合間にできるのがメリットです。

ただその分チェアタイムの確保が必要となります。

カウンセリングルームでの実施だと
ゆっくりとお話ができる空間なので
患者さんも落ち着いて
話を聞きやすいかと思います。

ただ、移動が手間に感じる場合があったり
セカンドコンサルや初診カウンセリング等
他のコンサルの時間との兼ね合いを考えて
予約の取り方に気を付ける必要があります。

受付での実施となると、
チェアタイムの短縮に繋がりますが
環境によっては、コンサルしづらいと
感じる場合もあるかもしれません。

医院の状況をみて、何を優先するか
どこだと実施しやすいかを考えてみて下さい。

ツールや保証制度の準備

話をより分かりやすく、
確実に患者さんに伝えるための
お助けツールを準備しましょう。

例えば、補綴物の比較表。

保険と自費の違いや、自費の種類ごとに
それぞれ審美性、耐久性や価格など
メリット・デメリットが一目で分かる表があると
患者さん・スタッフ双方にとって便利です。

それから、詰め物やかぶせ物の
模型や実物があるとよりよいでしょう。

質感や色味等より詳しく知れることで
「イメージと違っていた」というような
ミスマッチを少なくすることができます。

あとは、保証制度についてです。

保険治療ではできない、
より質の高い治療を提供することが
可能となる自費治療。

安心して、納得して臨んでもらえるように、
そして、万が一何かトラブルがあった際
スムーズに対応ができるように
保証面についても、対策が必要です。

「治療してすぐに、補綴物が欠けたり
割れたりしてしまった」
「ゴールドの詰め物をしたら、
金属アレルギーの症状が出た」
もしもそんなことが起こったら、どうしますか?

「折角時間とお金をかけて治療をしたのに」
と、患者さんも医院側も、
残念な気持ちになりますよね。

ある程度想定できるトラブルを考慮して
どういう条件だと、どういう保証をすると決めて、
保証書として書面に残しておくと便利です。

実践

準備が整ったら、実際にやってみましょう。

ポイントとしては

  • 押し売りにならない
  • あくまでも情報提供の場と捉えて、
    選択するのは患者さん

ということです。

補綴コンサルをする上で
患者さんから色んな反応が返ってきます。

「あ、保険で大丈夫なので」と
すぐ話が終わることもあれば
「今までこんな説明をしてもらったことが
なかったから、話が聴けて良かった」
と感謝の言葉を頂くこともあります。

また、「先生なら、どれにしますか?」と
質問があったり、
その場で決めきれず、
永遠に悩む方がいたりします。

やればやるほど色んなケースに出会うので
スタッフ間で共有して、
よりよい補綴コンサルを提供できるように
していきましょう。

まとめ

補綴コンサルは、どこの医院でも
実現できることではありますが
全ての医院がやっているわけではありません。

「ここはちゃんと説明をしてくる」と
満足度に差をつけるチャンスになります。

患者さんも医院も、
安心・納得して治療ができる環境を
整えてみてはいかがでしょうか?