一般企業では
年数や実績に応じて、
役職がつき、部下ができ、
指導するのが当たり前の仕組みになっています。

しかし、歯科医院では、
院長先生をトップに、
入職した順番もしくは横並びになっています。

組織として、
役職についた幹部スタッフを設ける仕組みが
整っていないケース
がほとんどです。

確かに、
役職といった取り組みがなくても
歯科医院を運営することは可能です。

しかし、
予防を強化した医院経営を成功させるためには、
医院スタッフの成長が欠かせません。

そこには、
院長だけでなく幹部スタッフの存在が
必要になると思われます。

そこで今回は、

“歯科医院経営に欠かせない
幹部スタッフ育成の勘所“

についてご紹介していきます。

幹部がいない歯科医院は成長が難しい

年商1億円を超える歯科医院の多くが、
幹部スタッフを育成しています。

逆に言えば、
幹部スタッフがいない歯科医院というのは、
成長が難しいと言えるかもしれません。

では
どうして幹部スタッフがいないと
成長が難しいのでしょうか。

院長先生の主な仕事は
「診療」になります。

しかし、実際は

「労務」
「集患」
「経営」

などといったように、
多くの仕事を同時にこなさないといけません。

どんなに仕事のできる人でも、
一度に複数のことをやると、
一つ一つの質がどうしても低下してしまいます。

マルチタスクが
作業効率を大幅に下げることは
科学的に証明されている事実です。

院長先生の仕事の中で、
絶対に質を落とせないのが「診療」ですね。

そのため、
どうしても診療以外の仕事の質が
落ちてしまいがちです。

給与計算などは院長夫人が担うとしても、
その他の労務などは院長がやると、
二の次になってしまいます。

しかし、
幹部スタッフが育つことによって、
スタッフ教育の質や集客に関して、
役割を任せられるようになります。

その結果、
それぞれの質が向上し、
大きな成長を遂げることができるのです。

幹部スタッフを育成するために必要なこと

幹部スタッフを育成するための第一歩として、
必要なことはなんでしょうか?

それは、
「院長も一緒に取り組むこと」です。

院長はやることが多く、
幹部になってほしいスタッフに、
最初から丸投げしたいのが本音かと思います。

しかし、
丸投げされたスタッフは、
何をどうしていいのか全くわかりません。

スタッフが成長するまでは、
院長も一緒に取り組むことが大切です。

また、院長が
それぞれのスタッフが得意なことを
スタッフに細分化して任せることで、
幹部スタッフへの成長の一歩
となります。

指導の上手なスタッフは、
教育分野の幹部候補として、
マニュアルを作ってもらうといいでしょう。

イベントを企画するのが
好きなスタッフであれば、
集患のためのイベント運営を任せる
スタッフのサポートやアドバイス役として、
院長とともに取り組んでもらいましょう。

スタッフが少ない医院では、
最初は全員で取り組んで、
それぞれのスタッフの得意分野を
院長が見極める

という取り組みをするのもおすすめです。

幹部スタッフ育成の注意点

幹部スタッフ育成において注意点があります。

それは、
最初から幹部スタッフと決めつけて、
いきなり役職をつけないことです。

歯科衛生士の場合、
チーフという役職があります。

しかし、
歯科衛生士といっても
正社員、パート勤務、年齢など
それぞれ状況が違います。

正社員でも経験年数が少なければ、
臨床経験の多い歯科衛生士の方が
チーフに向いている場合もあります。

決して、

「正社員で長く勤務してるから幹部にしよう!」


いきなり決めるのではなく、
院長である皆さんが、
スタッフと教育や集患対策などを
一緒に取り組んでいく過程で、
それぞれの得手不得手を
見極める必要があります。

そんな活動を通じて、
人をまとめるのが得意なスタッフに対し、
幹部としての役職を提案するようにしましょう。

歯科医院の組織は、
院長をトップとした
ワンマン経営に陥りがちです。

院長以外のスタッフが
横並びにそれぞれの役割があります。

「歯科衛生士」「受付」「歯科助手」
というものです。

歯科医院を成長させるためには、
組織メンバーの成長は欠かせません。

ぜひ歯科医院を成長させるために、
幹部スタッフ育成に取り組んでみませんか。