たとえ予防が大切であると理解していても、
痛みや不具合がない段階で自ら進んで受診しよう
とする人は多くないのが現状です。

さらに、予防歯科のメリットが具体的に
イメージできないことも、受診意欲を高めにくい
要因の一つになっていると考えられます。

今回は、予防歯科を自分ごととして
捉えてもらうためのアプローチとして
“オーダーメイドの口腔の未来像を提示する方法”
を紹介します。

予防歯科と言われてもピンとこない人も多い

日々の診療の中で、「むし歯や歯周病といった
口腔内トラブルは、未然に予防することが大切」
と予防歯科を積極的にアピールしている
先生も多いことでしょう。

多くの患者さんは、定期的な受診や丁寧なホーム
ケアが大切なことだと頭ではわかっていても、
「面倒…」「自分は大丈夫だろう。」と、
どこか他人事として捉えてしまうものです。

予防歯科に取り組まないとどうなるのかが
具体的にわからない点も、受診意欲を削ぐ
原因になっていると考えられます。

自分ごととして意識してもらうことが大切

予防の必要性を伝える時に重要なのは、
患者さんが「自分の問題」として
受け止められるようにすることです。

年齢や世代別のリスクや、う蝕・歯周病が進行した
写真を使った説明にも一定の効果はあるでしょう。

しかし、それだけでは情報としての理解に
とどまり、実感としては結びつかないことが
少なくありません。

患者さんの心に届くようにするには、
その人自身の口腔内の状態に基づいた
「未来予想図」を示すことが効果的です。

自分だけのストーリーとして提示されることで、
患者さんは問題をより深刻かつ現実的に
捉えやすくなるでしょう。

悪化した未来と健康な未来の2通りを提示

そこでおすすめなのが、現在の口腔内の状態に
加え、“口腔の未来像”を2通り説明する方法です。

「予防歯科に取り組み様々なリスクを未然に
防いだケース」と「現状のまま放っておくことで
想定される悪化例」を並べて見せ、これからの
行動を考えるきっかけとしてもらいましょう。

悪化例では、
・この部分に汚れが蓄積すると、数年後には
ココからココまでブリッジの可能性が出る
・歯周病が進行し口臭や咀嚼機能の低下につながる
・義歯や差し歯のリスク
など、できるだけ具体的に伝えるとよいでしょう。

しかし、過度に不安を煽りすぎると相手を不愉快な
気持ちにさせる可能性があるため注意が必要です。

一方で、改善例として
・残存歯を長く維持できる
・歯肉の状態が安定する
など安心感につながる未来像も分かりやすく
提示しましょう。

簡単なフォーマットを用意しておき、
チェックや色付けで状況を示せるようにすれば、
医師や歯科衛生士の負担も少なくて済みます。

画面に提示し、説明しながら
完成させていくのもよいでしょう。

まとめ

予防歯科の重要性を伝えるには、
単に「定期検診を受けましょう」
と促すだけでは効果が限られます。

患者さん自身が「自分の未来を守るための通院」
であると実感できることが大切です。

患者さんの意識を「他人事」から「自分ごと」
に変えることで、定期的な通院への動機づけ
となり、医療側にとっても継続的な診療計画が
立てやすくなるでしょう。

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