医院で働く年数が長くなるほど、
業務に慣れてしまい、
以前よりモチベーションが
下がっているように見える
スタッフが出る傾向があります。

歯科医療が日々進化している中で、
患者さんにより良い治療を提供するために
院長がスタッフに対して

「もっと自分の成長への
 モチベーションを持ってほしい」

「もう1段高いスキルを身につけてほしい」

と思うのは当たり前のことだと思います。

しかし

「みんなでセミナーに参加しよう!」
「この接遇の本を読んでみて!」

と伝えても、
スタッフの反応が薄く、

「仕方なくセミナーに参加している」
「仕方なく本を読まされている」

とスタッフが受け止めてしまう恐れがあります。

そうなると、
院長とスタッフ間の信頼関係が崩れて
退職してしまうといったケースに
発展する可能性があります。

そこで今回は、
スタッフを「3つのタイプ」に分けて
無理なくモチベーションを上げる方法について
ご紹介していきます。

スタッフのやる気がなくなる理由

そもそも、人はやる気がないと言うより
仕事の目標がハッキリしていなくて、

「何をしていいかわからない」
「今の仕事の成果、やりがいに魅力がない」

といったことで、
モチベーションが低い状態になることが
あるようです。

そういった場合には、
その人が持っている特性に対して
適切に働きかけてあげることが大切です。

働きかけたことがきっかけで
自分で行動し、
やる気が戻ってくる可能性があります。

また、人はそれぞれ違った個性をもっています。

例えば、
仕事に対して患者さんと何気ない会話をして
相手が笑顔になることが魅力と感じている
スタッフのAさん。

自分が歯磨き指導をして、
どんどん口の状態が改善するのを見るのが
喜びと感じているスタッフのBさんなど、
どんなところに仕事の喜びや魅力を感じているかは
それぞれ違います。

まずは、
スタッフひとりひとりが仕事に対して
どんな喜びや魅力を感じているのかを
認識することが大切です。

ここの認識を間違えると、
なかなかスタッフのやる気が上がらずに
人によっては

「自分にはこの仕事が向いていない」

と言って辞めてしまうケースも
少なくないので注意しましょう。

スタッフを「3つのタイプ」にわける

まずは、
スタッフが次の3つのどのタイプに
当てはまるのかを考えてみましょう。

①達成動機型
②権力動機型
③親和動機型

①達成動機型

達成動機型は、
成長できることにやりがいを見いだすタイプです。

例えば、
新しい商品をとりあえず試してから
善し悪しを決めるタイプで、
自分が成長できそうと思うことには
失敗を恐れずに取り組む姿勢が見られます。

またこのタイプは、
個人的な進歩に関心があるので、
自分ひとりで物事を達成したり、
自分の仕事内容に対しての
フィードバックを求めたりする傾向があります。

達成動機型のタイプのスタッフには、
仕事の経過や達成した後、
院長から「よくやっているね。」と
褒めるだけでなく、
アドバイスをすることで
「自身の成長のために言ってくれている」と感じて
モチベーションを上げやすいようです。

②権力動機型

権力動機型は、
地位や権力、影響力が欲しいタイプです。

自分が中心になって動いて
人に影響を与えられるならやる気になる人で、
どれだけ努力をしたかで
成果がでることを好む達成動機型とは違って
「チーフ」といった役職に憧れて人を指示したい
というキモチが強いタイプになります。

このタイプのスタッフは、
新人スタッフへの教育に適している場合が
多いようです。

例えば、

「〇〇さんは教え方もわかりやすいから
新人スタッフにSRPを教えてほしいんだけど、
このセミナーに参加してから
指導をお願いしてもいいかな?」

と言うように、
誰かに教えるのをお願いするのを理由に
自分のスキルを上げるように伝えましょう。

そうすることで、
誰かに教えるのが目的ですが、
結果として自身のスキルアップにも繋がります。

③親和動機型

親和動機型は、
みんなと一緒が良い、
一人では頑張れないタイプになります。

このタイプは、

「人のために頑張りたい」
「人に感謝されることをしたい」

など、
チームで達成することに
魅力を感じている傾向があります。

このタイプの場合には、
チームで目標に向かって
取り組むことにやる気を見出しやすいです。

例えば、

「今月の医院の目標は
患者さんに合ったデンタルケア商品を勧めて
購入してもらうといった医院全体の目標に向かって
みんなで取り組もう!」

と頑張る傾向があります。

また、
個人のやる気を上げたいときは、
チームの目標の中でも

「〇〇さんは、歯科衛生士として、患者さんに
どうやって勧めていく?」

というように
自分の成長に関連づけて課題を投げかける
本人が行動しやすいでしょう。

まとめ

院長がスタッフのタイプを知ることで、
適切なアドバイスや仕事を
任せることができるようになります。

仕事を任せられたスタッフは嫌な気持ちにならず
自身のモチベーションやスキルアップに
繋がっていきます。

スタッフのやる気をアップさせて、
活気ある医院を作っていきましょう。