新人歯科助手の育て方

歯科衛生士の採用も難しいですが、
以前よりも歯科助手の採用も
難しくなってきています。

最低賃金の上昇に伴い、
飲食店や単純作業の繰り返し業務の方が
今では時給がいいため、
採用がますます厳しくなっています。

さらにせっかく採用できても、
3ヶ月もしない間に退職してしまうケースもあり、
育成に困っている院長先生や
チーフスタッフも多いです。

そこで今回はそんな歯科助手を
どうやって指導すれば戦力となる
歯科助手になるのか、
その具体的な方法について
詳しく解説していきます。

歯科助手の指導の仕方がわからない
歯科医師の先生はぜひ最後までご覧ください。

歯科助手の教え方の基本

歯科衛生士は3年間の専門学校に通い、
国家試験に合格しているので、
歯科医療に関する基本的な知識があり、
臨床実習でスケーリングやアシスト業務を
ある程度身につけた状態で就職します。

一方、歯科助手の場合は、
全くの素人の状態で
入社してくる場合が多いので、
歯科用語といった知識はもちろん、
アシスト業務などの技術的な業務も
0から覚える必要があります。

ましてや人手不足の歯科医院では、
1日でも早く戦力になってもらう必要があります。

とはいっても、
多くの歯科助手は経験のない素人です。

ですから、指導するにも教え方の基本があります。

教える際の基本のポイントは以下の3つです。

歯科医院でよく使う用語をまとめ伝える

根治、C R、クラウンなど
様々な用語がありますが、
歯科医院によって使う用語は様々です。

保険診療でよく使う用語をリスト化して、
用語集を作りましょう。

用語集があることで、
後で見返すことができます。

院長先生が面倒な場合は、
一緒に働いているスタッフに
どんな言葉があるのか、
治療ごとにリスト化してもらいましょう。

手書きであげてもらってから、
後からパソコンで文章化してもいいです。

振り返って復習できる用語集があるだけで、
新人歯科助手の不安が解消できます。

用語集を作って共有化しておくことで、
よくある、
“人によって教えることが違う“
といったミスも未然に防げます。

治療の種類ごとにアシスト業務を指導する

可能であれば
アシスト業務の簡単なマニュアルを
作成するといいでしょう。

しかし、
アシスト業務を文章化するのは難しいので、
治療ごとに何を準備して
どんなアシストをすればいいのかを
チェックリストとしてあげておきましょう。

そして治療の種類ごとに
アシスト業務を指導しましょう。

もちろん、
日によって抜歯の治療がなかったり、
ブリッジ形成がなかったりすることもありますが、
その日の治療で教えられる
アシスト業務を指導しましょう。

例えばC R治療が連続するのであれば、
その日のアシスト業務は
C R治療のアシストにつかせて、
何度も繰り返し業務を行なってもらうことで、
覚えやすくなります。

いっぺんに指導すると頭が混乱しますので、
治療の種類ごとに指導することを意識しましょう。

教えたことを翌日一緒に復習する

勤務体系にもよりますが、
昨日指導したことは翌日に
一緒に復習しましょう。

メモを確認しながらでもいですし、
チャックリストやマニュアルがあれば
一緒に業務を確認することで、
知識と技術の両方が定着しやすくなります。

指導側は面倒かもしれませんが、
これを毎日3ヶ月繰り返すことで
確実に知識と技術が定着するようになります。

ポイントは昨日したことを復習し、
繰り返すことです。

「昨日教えたけど?」は禁句です。

チェックリストで見える化しよう

チェックリストは
歯科助手が入職する前に作っておきましょう。

チェックリストがあることで、
教えたことはもちろん、
教えてもらったこと、
双方の確認ができます。

教えたはずなのに、
「わからない」と言われると
イライラすることもあると思います。

しかし、教えたことをすべて覚えるなんて
無理ですよね。

逆の視点から見れば
教え方がよくなかったのかもしれません。

チェックリストを作って教えたこと、
教えられたことを見える化すれば、
無駄な指導も減り、
お互いの精神的な負担も軽減することができます。

まずは見える化のためにも
チェックリストを作りましょう。

やっぱりコミュニケーションは重要

歯科助手の指導の基本をお伝えしてきましたが、
なんといっても重要なことは
歯科助手とのコミュニケーションが
とれていることです。

昨日できなかったことが
今日できるようになっていれば
「覚えたんだね!」と声かけするだけで、
仕事への不安が軽減します。

教わったことで、
できないことがあれば
「何ができていないか、
何がダメか一緒に考えよう」といった
声かけをすることで、できない仕事にも
積極的に取り組めるようになります。

最近の若い人は、
と一括りにしてしまう前に、指導者自ら、
できたこと、できてないことへの
声かけを意識していきましょう。

できているならプラスの声かけをすることで、
特別な話はしていなくても、
歯科助手とのコミュニケーションにつながります。

歯科衛生士だけでなく、
歯科助手の存在も歯科医院には
なくてはならない存在です。

継続して働くことで
歯科医院の大きな戦力になります。

ぜひ歯科助手を採用して、
どのように指導したらいいのか
わからないのであれば、
教え方の基本を振り返ってみてくださいね。