日々同じような作業を繰り返していると、
どうしても1回1回のクオリティは
下がってしまいがちです。

また、忙しいと余計に細かい部分にまで
目が行き届かなくなってしまうもの。

今回は、患者さんが最も気にする部分である
“ユニット周り”の清掃ポイントについて
まとめました。

治療後の片づけは粗雑になりがち

治療が終わり、次の患者さんを案内する前には、
ユニット周りの片づけが欠かせません。

・トレイを新しいものと交換
・コップ、エプロンの用意
・タービン、バキューム類の消毒
などをメインに、新しい患者さんを迎え入れる
準備を素早く行わなければなりません。

1日の中で何度も同じ作業を繰り返すことに加え、
混み合っている時などは一刻も早く次の患者さんを
お通ししなければという意識に駆られるでしょう。

そんな中で行われる作業は粗雑になりがち。

少しでも抜けている点があると、「汚い…」
というマイナスイメージにつながり、医院の
印象を大きく左右する事態になりかねません。

患者さんを気持ちよく迎え入れるポイント4選

忙しい中でも、患者さんの目に留まりやすい
部分は特にしっかりと状態を整えましょう。

忘れがちな4つのポイントと、
それぞれの清掃のコツを紹介します。

メインテーブル

メインテーブルは、患者さんが最も見ている箇所
といっても過言ではありません。

治療中のちょっとした待ち時間など、
「何がのっているのだろう」とじっくりと
見ている人も多いです。

トレイを交換するだけでなく、
隅々までしっかりとふき取りが必須。

印象材の汚れなどが残っていることも多いので、
気を付けましょう。

メインテーブルの上に綿球やローラーコットンなど
を常設している場合には、入れ物にホコリが
付着していないかなどもよく確認してください。

ライト

「患者さんの目線の先にある」という点では、
ライトやライト横のハンドルも
よく見られているポイントです。

水撥ね跡や持ち手の汚れがないよう、アルコール綿
などでふき取りを忘れずに行いましょう。

スピットン

スピットンはコップの水を流したり、シリンジで
水をかけたりして掃除しているケースが
よく見られます。

目立った汚れがなければ、それだけで十分
なようにも思えますが、ワンランク上の綺麗さを
演出するためには「水滴がないようにふき取る」
のがおすすめです。

患者さんからすると、水滴が水なのか
前の人の唾液なのか分からないため、
不快に感じる人も多いからです。

水を流した後、紙でサッとふき取って
清潔を保ちましょう。

また、スピットンの掃除をした際に、
撥ねた水滴がアームチェアに残ってしまうことも
多いため、最後にはスピットン周辺のチェックも
忘れずに行ってください。

ヘッドレスト

ヘッドレストカバーを患者さん毎に交換していない
医院は要注意です。

前の人の髪の毛が残っていると、
印象が一気に悪くなります。

アルコール綿などで拭き上げる場合には、
水気が残らないよう注意してください。

チェックリストを作り、マニュアル化する

「片付け」は、器具の滅菌や治療のように、
適切な順番ややるべき項目が決まっていません。

だからこそ、個人の感覚に委ねられる部分が
大きくなってしまい「このくらいでいいだろう」
とクオリティが低くなってしまいがちです。

そこでおすすめなのが、“片付け”と一言でまとめる
のではなく、“次の患者さんの準備〇つ”のように
やらなければならない項目をリスト化すること。

作業の質を高め、誰がやっても一定の水準を
保てるようになります。

「毎回、チェックリストを使って問題がないことを
確認してから次の患者さんをお通しする」という
仕様にするのが最も安心ですが、限られた時間の
中でそこまでできないという場合もあるでしょう。

その際は、
「従業員しか使わないエリアにリストを掲示する」
「定期的に従業員同士でチェックしあう」
のも効果的です。