「言葉使いには十分に気をつけなさい」と、
散々注意しているにも関わらず、なかなか接遇が
定着化せずに困っている院長先生は多いです。
特に未経験の新人スタッフは、
これまでに接遇の教育を受けていないので、
患者さんからクレームが入ることもあります。
これは、新人スタッフが悪いのではなく、
歯科医院に「接遇」が定着しておらず、
教育が機能していないことが問題になります。
そこで今回はどうすれば接遇が定着化するのか、
定着化のポイントと、接遇の目的意識について
解説していきます。
ぜひスタッフの接遇に悩まれている院長先生は
最後までご覧ください。
接遇が定着しない理由
スタッフの接遇が定着化しない理由は、
「接遇の意味」がわかっていないからです。
例えば、高齢者の患者さんに
タメ口で話すようなスタッフがいます。
患者さんからすればとても不快ですし、ましてや
歯科医院は痛みがあって受診することが多いので
ストレスを抱えて受診される方の割合が高いです。
その上で、タメ口で症状について説明されても
患者さんをイライラさせてしまうだけです。
ただし、接遇は決して、
言葉遣いだけではありません。
態度や姿勢など、接遇には様々なものがあります。
ですから、実際に不快な接し方を
新人スタッフが体験することで、
接遇の重要性が初めて理解できます。
接遇を定着させるためには、まずは不快な接し方が
気分を害するという認識から始まります。
接遇を定着させるための3つのポイント
接遇を定着させるためには
主に3つのポイントがあります。
詳しく1つずつ解説していきましょう。
不快な態度を体験させる
接遇の重要性を理解させるためには、
接遇とは真反対の不快な態度を実際に
シミュレーションで体験してもらいましょう。
例えば、説明するときに明らかに不快な態度を
とって話してみたり、説明するときの資料を
スタッフの前で乱暴に扱うなどです。
これらの「不快」のもとになる言動は、
言葉で説明してもなかなか伝わりません。
実際にシミュレーションとしてやると効果的です。
院内でミーティングの機会をつくり、
実践していくことが必要でしょう。
丁寧な接し方を体験させる
不快なシミュレーションが終わったら、
どういった対応が接遇として正しいのか、
体験してもらいましょう。
不快な体験の後に、質の高い接遇を体験する
ことで、接遇によって自分の気持ちに
影響があることが理解できます。
すると、質の高い接遇の意味を
理解することができます。
できている部分を強化させる
接遇の重要性を理解できたら、
次は実際に接遇講師を呼んで学びの機会を設ける
というのもよいでしょう。
外部の接遇セミナーへの参加もおすすめです。
とはいっても、いきなり質の高い接遇を
行うことはできません。
ポイントは、
できていないことを注意するのではなく、
できている部分を褒めるようにします。
そうすることで、よりよい部分の接遇が強化され、
スタッフに自信が芽生えます。
そして、もっとよい接遇ができないか、
と考え始めます。
そのような好循環が見て取れたら、
できていない部分に関しても
「もう少しゆっくり話すとよりいいです」
といったアドバイスをすることで、
接遇レベルをどんどん上げることができます。
接遇の目的は、患者さんに不快な思いを
させるだけではなく、痛みから解放されて、
かつ丁寧な対応をされることで、患者さんが
心身ともに気分よく通えるようになることです。
接遇を定着化させ、
接遇の目的意識を持ってもらうことで、
患者さんのメインテナンス率も上がります。
ぜひ、接遇を定着化させるために、
目的を理解してもらい、実践していきましょう。