前回の記事では、
7つのメタモデルをメインに、
コミュニケーションを深める
メタモデルという質問術について紹介しました。

  • 患者さんやスタッフの言葉を
    正確に引き出す方法が知りたい
  • 自分の思いを相手に正確に伝えたい

と思っている方はぜひ参考してみてください。

今回はその応用編として、
“実際にメタモデルを使ったテクニック”
を紹介していきます。

メタモデルの具体的な使い方

メタモデルを使用する場面は
どのようなものがあるのでしょうか。

下記に具体的な例をご紹介します。

スタッフのやる気に繋がった例

指示を出したスタッフの、

「私にはできません。」

に対して、

「なんでできないの?」
「どうしてできないの?」

といった質問をしたくなる気持ちはわかります。

しかし、
相手を追い詰めるような質問は
相手のやる気を失うことに
繋がりかねません。

そこで、
一般化のメタモデル(可能性)を使ってみると
良いでしょう。

「できないと妨げになっているものは何?」

この質問によってスタッフは
自分の考えを整理して、
抱えている仕事を説明できるようになります。

すると初めは、
できないといっていた仕事もできるようになり、
スタッフの意欲にも繋がる可能性があります。

業務に対する意欲がでるため、
退職を減らせる効果も期待できます。

自己否定するスタッフに気づきと自信を持たせた例

仕事で失敗をして落ち込むスタッフには、
省略のメタモデルの(判断・比較)
使いましょう。

「どんな基準でだめなの?」
「何と比べてだめなの?」

すると
ダメ出しをされている根拠が明確になり、
具体的に何をどうするのかも明確になります。

この方法は、
同じ失敗を繰り返さないために
解決策を自分で考えて、
行動に移すように促せる効果があります。

スタッフの考え方を知ることができる例

あなたが主任にスタッフへの
仕事の振り分けを頼んだ時に

「○○さんには、この仕事を頼むのは無理です。」

と伝えられた時には、
歪曲のメタモデル(前提)を使ってみると
良いでしょう。

「どうして○○さんには、
この仕事を頼むのは無理なのかな?」

主任は、

「彼女はまだ衛生士として経験不足だ」

という前提が明確になり、
説明不足を気づくきっかけになります。

患者さんへの治療説明の例

自費の入れ歯の説明をしている時に患者さんが
「みんなが入れ歯は
自費の物にしても噛めない、と言っていた。」

と消極的な意見を言っていました。

そこで、
一般化のメタモデルの普遍的数量詞
を使いましょう。

「その皆さんは、自費の入れ歯で
一度も噛めなかったのでしょうか?」

患者さんは、
自分の思い込みに例外がないのか考えます。

一部の意見であることを思い出し、
しっかり治療説明を聞いてくれるように
なる可能性があります。

まとめ

メタモデルは次のような目的で使います。

①話している言葉の意味をはっきりさせる。

②できるだけ完全な情報を集める
 (一緒に的確な判断をするため)

③偏った見方・考え方で、
 自分を制約していることを相手に認識させる

④制約を解き放つことで、選択の可能性を広げる

メタモデルは
会話の行き違いや思い込みを解いて、
思考や行動の幅を広げてくれる質問術
です。

しかし、
質問を繰り返しすぎると相手は責められて、
攻撃されていると感じることもあります。

メタモデルを使って質問をするときには、
十分に信頼関係が築かれていて、
「一緒の共通の目標に向かっている」と
相手も感じさせることが大事
です。

メタモデルを使いこなして、
患者さんやスタッフを惹きつける
より優れたリーダーになることができます。