患者さんを惹きつける説明の仕方には

①クライマックス法
②アンチクライマックス法

という2つの方法があります。

簡単に説明すると、

クライマックス法は、
一番伝えたい重要な部分を
最後に持ってくる話し方
です。

アンチクライマックス法は、
結論を最初に持ってくる話し方です。

今回は、
この2つの話法をシーン別での
使い分け方について解説していきます。

ただ、
結論の位置を変えるだけでは、
患者さんを惹きつけることはできません
よ。

状況にあった「使い分け方」を学んでいきましょう。

使い分け方は、「たったの3つ」

基本的な使い分け方は、次の3つです。

①相手との信頼関係によって使い分ける
②広告・媒体によって使い分ける
③男女で使い分ける

それぞれの使い分け方について
詳しく見ていきましょう。

①相手の信頼関係によって使い分ける

  • どの治療方法にするか決めかねている患者さん
  • 信頼関係がまだ構築してない患者さん

こういった患者さんには
アンチクライマックス法が効果的です。

クライマックス法で、
話しをもったいぶっていると

「今日治療法を決めないで、後日に決めます。」

と言って決断を先延ばしにされる
可能性があります。

後日になった場合には
大抵、あなたがお勧めしていない
治療法になることが多いでしょう。

それは、

  • 患者さんが
    治療法を考えるのが面倒になってしまった
  • 簡単な治療や金額が安い方を選んだ
  • 家族から反対意見を言われたりするので、
    歯科医院で説明を聞いた時より
    熱が冷めてしまった

こういったことが考えられるからです。

逆に

・提示した治療法に前向きで、
信頼関係が構築している患者さん

  • あと一押しが欲しい患者さん

こういった患者さんには
クライマックス法が効果的です。

②広告・媒体によって使い分ける

広告は、
商品やサービスの魅力を一瞬で
伝えなければいけません。

そのため、
アンチクライマックス法で
表現すると良いでしょう。

例えば、
受付にある多くの口腔ケア関連の物に、
よくスタッフが書いたポップが
付け加えられていると思います。

そのポップに長々と商品の説明を書いても、
患者さんはあまりじっくり読みません。

患者さんが、会計待ちをしている一瞬で

「良さそう、買ってみよう!」

と思うような、
明確に伝わる商品の特徴を言葉で表しましょう。

一番良い具体的な方法は、

「数字」

を使うことになります。

③男女で使い分ける

一般的に

  • 男性はアンチクライマックス法
  • 女性はクライマックス法

を好むと言われています。

男性は、
論理的な考えをする人が多いため、
要点は早めに伝えてしまわないと、

「結局何が言いたいの?」

と途中で
話しを打ち切られて、
結論を急かされてしまう傾向
があります。

女性の場合には、
感情を重視する人が多いことから、
展開のある話しをしながら
結論や要点は、
最後に持っていくことで
相手を楽しませることができる
のです。

どちらも組み合わせて話す方法

患者さんを、
もっと納得させたい時には、
クライマックス法とアンチクライマックス法の
特徴を組み合わせた手法をとる

より効果的です。

両方を組み合わせることで、
相手の関心をさらに惹くことができます。

患者さんに
インプラント治療を勧めるのを例にして
見てみましょう。

結論を伝える

「○○さんには、
インプラントがベストな治療方法です。」

といったように、
インパクトのある結論を最初に話すことで、
相手に関心をもってもらいます。

謎かけ的導入

「○○さんがインプラントをするためには、
たった1つ守らないといけないことがあります。」

と言うように、
大事な結論に補足する内容をもったいぶることで、
さらに関心を惹きましょう。

簡単に説明する

「と言うのも、
〇〇さんは喫煙をしていますよね?
喫煙は、インプラントの成功率や生存率を
下げる原因になってしまいます。」

「インプラントを長く使うためにも、
禁煙をして頂きたいのです。」

など、理由についての説明をします。

最後にもう一度、結論を言う

「先ほど説明したことから、
たった1つの禁煙を守ることで、
○○さんにベストな治療法の
インプラント治療ができます。」

このように、
もったいぶった補足の内容と、
それにもう一度結論を話すことで
クライマックス法の効果
が得られます。 

まとめ

説得力があって、
患者さんを惹きつける話し方をするには、
要点をどこに置くかが重要です。

まだ、
信頼関係が構築していないのに、
要点を後にした説明をすると、
相手は

「何が言いたいんだろう?」

と気になってしまい、
話しに集中できない可能性があります。

そのため、
状況や相手によって要点をずらして、
説明する必要があるのです。

クライマックス法は、
患者さんと信頼関係が構築されていて、
興味や関心がある方
には、
効果的な説明の仕方です。

アンチクライマックス法は、
患者さんが興味を持ってない場合
効果的な方法になります。

また、
論理的な話し方ができるので、
短い時間で説明を終えたい時
交渉する時に、相手の心に残りやすくなります。

最後になりますが、
患者さんへの説明の仕方に正解はありません。

正解がないからこそ、
患者さんとの関係や状況よって使い分けることで
相手を惹きつけることができます。

患者さんを惹きつけることで
信頼関係がさらに強固な物になったり
新しい信頼関係を構築するきっかけにも
なったりします。

一度、説明の仕方について見直してみると
何か見えてくる物があるかも知れませんよ。