TCがどんなに説明しても
「うん」と言わない患者さん。

今日は診れないと言っているのに、
なかなか帰らない患者さん。

チーフが何度注意しても、
遅刻が止まないスタッフ。

ミーティングで決まったことなのに、
なかなか取り組まないスタッフ。

そして、断っているのに、
なかなか引き下がらない営業。

覚えがありませんか?

ここで問題です。

この人たちにはある共通項があります。
何だと思いますか?

答えは…

「院長のひと言」を待っている
ということです。

「あなたは院長じゃないでしょう?」

歯科事務長として勤務していた頃、
こう言われて困ることがありました。

院長は大変忙しい(どこもそうですよね)ので、
代わりに出て行って取りなすことがよくありました。

でも、なかなか聞いてもらえないこともしばしば。

こんな時は、院長にお願いして出てきてもらったり、
後で電話を一本入れてもらったりしていました。

院長のひと言の効果は絶大で、
大事に至ることなく収束することが
多かったものです。

では、どんな時に「院長のひと言」が望まれるのかを
具体例で見ていきましょう。

「院長のひと言」が望まれる時とは?

「…治療が終わったんで、今のきれいな状態を
維持するために、定期的にメインテナンスに
通われた方がいいですよ~…」

アシスタントが、治療が終了した患者さんに
メインテナンスを勧めています。

しかし、患者さんはなかなか納得しない様子です。

メインテナンスの効果やかかる料金は説明してあり、
理解も得て、「高いとは思わない」という回答も
引き出せています。

しかし、「では、ご予約を…」と勧めると、
先のことはわからないから、とか、
そのあたりは農作業が忙しいかも、などと
のらりくらりかわされてしまう、
というやりとりが幾度か続いているようです。

話が進まないので、アシスタントも若干
焦り始めているように見えました。

ここです!
この「話が進まない時」こそ、院長のひと言
欲しいんです。

実際に、2回目に予約を勧めている時のことでした。

突然、「●●さん、予約取って帰ってよ~」
と院長の声がブースの仕切り越しに聞こえ、
「院長、聞いてたの!?」と●●さんが驚き、
アシスタントとともに笑い出しました。

●●さんは
「院長が言うなら、仕方ないなあ」
予約を取って帰りました。

「お勧めの前後」は、ともすると気まずい
雰囲気になりがちですが、この時は、
院長のひと言で院内がとても和やかになり、
その日一日がよいムードだったことを覚えています。

「院長のひと言」が望まれる時 他の具体例

冒頭に出した例でも考えてみましょう。

TCがどんなに説明しても
「うん」と言わない患者さんは、
院長に背中を押してもらいたいのです。

今日は診れないと言っているのに、
なかなか帰らない患者さんには、
そのまま受付が応対していると小競り合いに
なってしまうかもしれません。

院長が直接「すみません、今日は診れないんです」
言うなり、院長から他の歯科医院を紹介するなり、
したほうがいいです。

チーフが何度注意しても遅刻が止まないスタッフは、
「私はチーフに雇われているわけではない」と
思っていたりします。

院長が注意することで、危機感を覚えるでしょう。

ミーティングで決まったことなのに、
なかなか取り組まないスタッフ
ミーティング時に、院長の考えを伝えましたか?

スタッフ全員で決めたことでも、ハッキリとした形で
院長の賛意なり、意見を示しましょう

「院長が何を考えているかわからない」
と感じて取り組みにくい…。
このように感じるスタッフは、一定数いると
思ってください。

断っているのになかなか引き下がらない営業。
これはもう、どうしたらいいかお分かりですよね?

「院長のひと言」の悪影響はある?

3S(スリーエス)=宗教・政治・スポーツ に
言及しなければ大丈夫です。

優しい院長の中には、
自分が出ると角が立つから」
こう言って表に出るのをヨシとしない先生がいますが、
出てこない方が角が立つ」ことの方が多いです。

何を考えているのかわかりづらいからです。

また、「いざという時には院長が助けてくれる」
というのは、聞こえはカッコいいんです。

しかし、このように思わせてしまうと、
何でもかんでも院長に言ってくるようになるのでは?
と少し心配になりますね。

でも、院長が全てを解決する必要はない
思いませんか?

もし「おいおい、それは僕じゃなくてもいいだろう」
と思ったら、「誰に訊けばいいか」を教えてあげる
といいです。

「▲さんに訊いてごらん」と。
▲さんも院長に頼られたと知れば、
嬉しいと思いますよ。
これも、「院長のひと言」ですよね。

スターのひと言はみんな聞く

基本的に、あなたの歯科医院に集まる人、
患者さんやスタッフは院長のファンです。

だから、院長はスターです。
ファンは、スターの言うことなら聞くものです。

ここぞという時に一言添えれば、
みんなは院長を、そしてあなたの医院を
もっと好きになってくれるでしょう。

そして、院長を基軸とした予防歯科医院経営の加速へと
つながっていくのです。

ヘルスケアチーム コーディネーターmyより