歯科医院によって細かなやり方が違って
慣れるまでに時間がかかってしまう…。
経験のある歯科衛生士でも最初は慣れるまでに
その歯科医院のやり方に戸惑ってしまう事があります。
教えてくれる人によって
少し違うニュアンスで教えてくれたり
受け取る側の解釈が違ってしまっていたり
する事もあります。
これでは中々仕事がスムーズに出来る様になるまでに
多くの時間がかかってしまいます。
そこで今回は
『統一する事が出来るマニュアル』
について考えてみました。
歯科にとってのマニュアルとは?
歯科医院の大部分には『マニュアル』がありません。
先輩に聞きながらメモを取って覚えていく
というやり方が多いのではないでしょうか?
このやり方では教える側も教えられる側も
時間や負担が多くなってしまいます。
歯科医院では使用期間はありますが、
研修期間はほとんどありません。
実践の中でやりながら覚えていくという事が
ほとんどではないでしょうか?
大手の企業に就職した友人は4週間研修期間があり、
座学で学んだあとお客様に実際に接するまでに
色々な事を学んだ話を聞きました。
人数が多くなって来ると、
お客様に対して同じクオリティで仕事をするには
『マニュアル』と『研修期間』が必要です。
これだけの時間を作る事は難しいと思いますが、
患者さんに対してや仕事をする上で
『マニュアル』がある事は大きなメリットがあります。
<マニュアルのメリット①> スタッフの教育に使う事が出来る
歯科医院で教育は大切です。
出来る人がいて、
その人にばかり頼ってしまっている状態では、
出来るスタッフがいなくなった途端に
歯科医院の仕事がやりにくくなったり、
患者さんに満足いく治療を提供する事が
出来なくなってしまう事があります。
出来るスタッフに頼り過ぎていませんか?
そのスタッフがやりがいを感じて仕事をしている場合は
大きな問題にならない事もあります。
しかし、不公平な感じを受けていたり、
教えるより自分がやった方が楽だからという感情を
持って仕事をしているとストレスになったり、
人間関係がうまくいかなくなったりします。
教育と人間関係は繋がっているのです。
特に少ないスタッフで仕事をしている場合には
人間関係は大切ですし、
歯科医院の離職理由で多いのが『人間関係』です。
その教育の負担を
少しでも軽減するのにマニュアルは大切です。
話だけで聞くより、
『マニュアル』で確認する事で明確になる事もありますし、
お互いに説明しやすかったりとメリットは多いです。
教育をする為に歯科衛生士、歯科助手、受付と分けて
マニュアル作りをしておくと
やりたい事や仕事内容を伝えやすくする事が
出来るのでおススメです。
<マニュアルメリット②> スタッフの評価をする事が出来る
歯科医院で働いていて
賞与や昇給の基準が分からないという声を多く聞きます。
院長のなんとなくの判断で決められてしまうと
スタッフの間でもあまり良い感情が湧いてきません。
そんな時に『マニュアル』があると
実際にどの位出来ていたかという指標を作る事が出来ます。
働いているスタッフも
自分がどの程度出来ているかチェックして
その上での評価であれば納得をする事が
出来るでしょう。
この時院長だけが評価をするのではなく、
自分もどの程度出来ているか半年に1度など
期間を決めて実行する事で
自分がどの様な状況なのか、
足りない部分はどこなのかを確認する事が出来ます。
また、頑張ったスタッフにはしっかりと評価をして
院長の基準だけでは無く、還元するという事も出来ます。
この事で院長の判断で不満が出る事も無く、
自分の足りない部分を向上しようとする
2つのメリットがあります。
細かくマニュアルを分ける
実際にどの様なマニュアルを作成していくのが良いのでしょうか?
〈歯科衛生士編〉
- 治療計画の立て方
- メインテナンスの方法・順番
- 治療方法別のアシスト方法
- 治療方法の手順
〈歯科助手編〉
- 器具・機材の名前
- 治療の流れ
- 歯科用語の意味
- 滅菌・消毒の方法
- 薬液や材料の使用方法
〈受付編〉
- アポイントの埋め方
- 治療別の治療時間の目安
- お会計
- カルテ発行
ここでお話したのは一例で、
歯科医院によって項目が変わってくる事はありますが、
仕事内容によって細かく分けて作ると
見る人も分かりやすいです。
作成する際に少し時間がかかってしまいますが、
器具や材料は写真と一緒に記載をすると
かなり分かりやすくなります。
歯科衛生士は3年間学校で歯科について学びますが、
歯科助手は歯科の事が分からないまま入職する事も
少なくありません。
細かな『マニュアル』を作って使用する事で、
分からない事だらけで辞めてしまうといった事を
防ぐ事にも繋がっていきます。
最初から完璧なマニュアルを作るのは難しいと思うので
少しずつ改良を重ねながら作りあげていくと良いと思います。
マニュアルを作成する事で
歯科医院がどの様な事に取り組んでいったら良いか
認識する機会にもなりますし、
問題があった場合にもマニュアルにして
問題を解決していく事にもなります。
歯科医院として年月を重ねていくごとに
理想の歯科マニュアルが出来るはずです。
まずは『マニュアル』を導入する事から
始めてみませんか?