あなたの歯科医院では
「話はわかったけど今は決められない」と言って、
遠回しに断られることはありませんか?

予防への移行を勧める時などには、
「何を言うか」に気が向いてしまいがちですが、
実は「いつ言うか」の方が大事な場合が
結構あります。

治療が終了してメンテナンスを提案したら…

「Aさん、今日で終わりですね~」
「ほーんと、やっとよ!長かったわ~」

根幹治療で長い間通院していたAさん。
今日で治療が終わるので嬉しそうです。

一方でアシスタントについている衛生士Bさんは
メンテナンスに通わないかという提案をしなければ…と
頭がいっぱいのようです。

「Aさん、今日治療が終わった後で、
5分だけお時間を頂いてもいいですか?」

「うん?何?今日は治療が終わったお祝いで
友だちとランチに行くんだけど」

「そうなんですね!いいですねえ~。
すみません、5分だけですから。」

ひとまずAさんの了承は得られたところで
C院長が現れ、治療が始まりました。

そして治療後。

Bさんを傍らに置いてC院長が
丁寧にメンテナンスの重要性や、
通院頻度などについて話しましたが、
Aさんは時計を見ながらソワソワしています。

そして、
「話はわかったけど今は決められないから止めておくわ。」
と言ったのです。

「そうですか…。Aさん、ご予定があるところ、
お話を聞いていただいてありがとうございました。
予約はいつでも受け付けられますので、お電話くださいね。」

Bさんが言い終わるや否や、
Aさんはそそくさと帰っていきました。

やっと終わったのに・・・

このAさんは話の途中でもソワソワしているなど、
わかりやすい人ですよね。

話を聞きながらも、
「何と言って断ってその場を去るか」で
頭の中はいっぱいだったのではないかと思います。

逆に、一見して平常心に見えても、
心の中では「やった!終わった!!」と
小躍りしている人もいるでしょう。

このタイプの人の方が多い気がしませんか?

さて、こんな風に解放感に浸っている時に、
次の話をされたら、患者さんはどう思うでしょうか?

例えば、あなたが入学試験を受けたとして、
合格したとします。

合格が分かった直後に、
よし、次は国試だ!…と意気込むでしょうか?

治療が終了した患者さんも、
同じではないでしょうか?

終わった!と浸る間も無く
継続して通い続けることを勧められてしまったら、
「また通わないといけないのか…」
と良い気分に水を差されたような感じがするはずです。

水を差すだけでは済まないかも?

水を差すだけで済むならまだいいですが、
余計なお世話、と思われてしまう可能性も
否定できません。

このように感じさせてしまうと、
予防やメンテナンスまでもが
「余計なもの」として
捉えられてしまうかもしれません。

もっと怖いのは何となく気が削がれてしまって
次に治療が必要になった時に、
転院されてしまうこと。

そんな大げさな、と思うかもしれませんが、
ちょっとしたことで変わるのが患者さんの気持ちです。

特に、初診から長期の治療に入った患者さんは、
長い治療期間に対して秘かに不満を抱いていることもあるので
注意が必要でしょう。

絶好のタイミングは治療終了1回前

だからと言って、
患者さんひとりひとりに合ったタイミングを図るのは
非常に難しいことです。

だからこそ、
治療時から予防に関する話題を投げかけておくことが
とても大事になってきます。

例えば、
「あと〇回ぐらいで治療は終わりますが、
キレイな状態を維持したいですよね」

「今お作りしている被せものを
できるだけ長くもたせたいですよね」

このように、患者さんの治療内容に即して
プロフェッショナルケアを提案していくことが
患者さんの気持ちを動かします。

治療内容に即して、というのが大事です。

一般的な話は単なる知識として、
聞き流されてしまう恐れがあるからです。

チェアサイドでなく、
カウンセリングルームなどで
きちんと時間を取ってメンテナンスを
お勧めしている医院もあると思います。

この場合は、
治療が終わる1回前に時間を取ってもらうのがおススメです。

なぜなら、事例のAさんのように、
「終わった日」は終わったこと以外は
考えられないことが多いからです。

1回前のタイミングであれば、
治療が終わったら今度は
もっとお口の健康に気を使おう
と意識も高まっているので、
聞き入れてもらいやすいでしょう。

患者さんに寄り添ったタイミングが大事

同じことを同じ人に言われるのであっても、
時と場合によっては受け入れられるかどうかが
変わってきますよね。

患者さんに寄り添った提案ができるよう、
サブカルテやアシスタントの話も参考にしながら
タイミングを図ってみてください。

これまでとはまた違った結果に繋がっていくでしょう。