
近年、注目されている「医科歯科連携」。
歯科医院で医科と連携すると患者さんに信頼され、
集患にもつながります。
医科と歯科は違う資格ですが、ともに患者さんの
健康を守る仕事であり口腔と全身の関連について
研究も進んでいます。
そこで、今回は歯科医院でどのように
医科歯科連携できるのか、具体的に解説します。
医科歯科連携で得られるメリット
歯科医院が医科歯科連携する
主なメリットは3つです。
患者さんの健康が守れる
歯科医院には赤ちゃんからお年寄りまで多くの
患者さんが訪れます。
実は、病院に行く習慣がないけれど、歯科医院には
定期検診に行くという方も多いのです。
気になる患者さんに専門病院の受診を勧めるだけでも
患者さんの健康につながります。
例えば、歯科で測った血圧が高く、内科の病院を
受診したところ、病気が発見され患者さんに
感謝されるケースもあるのです。
患者さんの信頼が得られる
歯科を受診する患者さんは、歯科医師も医療の
専門家だと期待しています。
医療人として謙虚な先生は歯科が専門だから、
体のことは分からないといいます。
もちろん専門的な内容はそれぞれの先生に
お任せしましょう。
しかし、歯科医療をしっかりすれば歯科医師にも
患者さんの健康を守る治療やアドバイスができます。
広い視野で患者さんのためによりよい医療を考える
歯科医師は患者さんに信頼されます。
患者さんが集まってくる
多くの患者さんが歯科医院に行くのは、
むし歯や歯周病の治療の時だけと思っています。
しかし、自分の体にも理解がある歯科医院なら
予防やちょっとした口内炎でも行こうと思います。
家族や知人にも勧めたくなるでしょう。
医科歯科連携がうまくいくと多くの歯科医院がある
中で選ばれるクリニックになるのです。
医科歯科連携のために院長先生ができること
医科歯科連携のためにできる具体的な方法を
3つお伝えします。
患者さんへの教育と啓蒙
糖尿病やリウマチ、呼吸器疾患といったさまざまな
病気が歯科領域の病気と関係しています。
口腔衛生が改善すると、全身の健康に役立ちます。
患者さんに歯磨きや、食習慣といったセルフケアの
方法と歯科医院での予防や治療の重要性を
伝えましょう。
歯科衛生士やスタッフも力強い味方です。
全身の健康につながる仕事をしていると
プライドを持って業務に取り組んでもらえます。
地域の医療機関との情報提供
歯科医院では、高血圧や脳神経疾患、難病といった
さまざまな病気がある方が来院することもあります。
問診や再診時に全身的なリスクのある方を
かかりつけの医科の先生に紹介すると
より安全な治療が行えます。
また、気になる患者さんを地域の内科や外科
といった医院に紹介すると、患者さんにも喜ばれ、
逆に紹介してもらえるでしょう。
この際に注意したいのは、歯科では当たり前の
略号は使わず、分かりやすく問い合わせる姿勢です。
例えば、情報提供書には「Pul」は「歯髄炎」、
「右上6番」は「右の上顎第一大臼歯」
というように、分かりやすく書きます。
地域の先生との協力体制の強化
医科の先生は、歯科医師が思うより
歯科と全身の関係に興味を持っています。
循環器内科や代謝内科で診る全身の病気が歯科疾患と
関係している研究は、世界的に進んできました。
地域で医科の病院やクリニックと勉強会や
研修をすると相互理解が深まります。
あらたまった組織での活動には、垣根を感じていても
開業時や新年といった機会に挨拶し、町内のお祭りや
行事に出かけて声をかけてみましょう。
医科歯科連携で頼られる医院に
医科歯科連携は、よりよい歯科医療の提供と
患者さんや地域の医療機関との信頼関係づくりに
役立ち、集患にもなります。
この記事を参考にしてぜひ取り組んでみてください。