病院は待ち時間が長いものという固定概念があり、
患者さん自身も待ち時間をある程度
許容してくれる風土が
医療全体にあると思います。

しかし、歯科医院は一般的な病院とは違い、
予約制を採用している歯科医院がほとんどです。

そのため、ビジネス街の近くの歯科医院では
予約時間を守らないと、
受付にクレームを言ってくる患者さんの割合も
高くなる傾向があります。

また地域によっても、
待ち時間を許容できない患者さんが
多いところもあります。

そこで今回は
院長先生をはじめ、
受付スタッフをも悩ませる待ち時間を減らし
なおかつ、患者満足度を上げる方法
ご紹介します。

予防歯科を強化した医院経営の実現には
取り組んでみる価値のある内容だと思われます。

治療内容を受付スタッフと共有しルール化する

歯科医師からすれば
抜歯の予約と、ブリッジ形成の予約を
同時に入れることはありえない、
というのが常識かもしれませんが、
受付にとっては
歯科医師の常識がスタッフ全員に
通用するわけではありません。

特になかなか受付が定着しないような歯科医院では
受付のルール化がされておらず、
治療内容を考えてアポイントをとっていないため、
待ち時間が長くなってしまう傾向があります。

一方で、
長年のベテラン受付がいるような歯科医院では
治療内容を把握しているため、
待ち時間が少ない傾向にあります。

すぐに受付がやめてしまうような歯科医院は
別の対策も必要ですが、
まずは予約のルール化
歯科医師の先生が決めて
受付に実行させてみたほうが良いでしょう。

できれば診療スタッフである
歯科衛生士にもルールを共有しておきましょう。

受付は歯科医師になかなか予約の相談が
しにくいということがあります。

歯科衛生士は歯科内容も理解しており、
なおかつ、治療時間もどれくらいかかるのかも
理解していることが多いと思います。

ですから、ルールを歯科衛生士にも共有することで、
受付が歯科医師に相談する前に
歯科衛生士に相談することができます。

それだけでも、
歯科医師は治療に専念することができ、
治療時間を効率的に使うことができます。

予約のルールに関しては歯科医師ごとに違います。

まずは自分の治療内容がどれくらいかかるのか
全て書き出した上で、ルールを明確化しましょう。

例えば、
親知らずの抜歯であれば、
上顎なら約20分、
下顎であれば30分ほどで処置可能など、
ブリッジ形成は約30分かかるが
歯科衛生士にTEKを任せることができるので
チェアー枠は約30分にして、
歯科医師の治療時間は約20分で可能
というように、
書き出すことでルールにしやすくなります。

ある程度、
大枠のルールができれば
受付の前に歯科衛生士と再度相談して
ルールをわかりやすくするといいでしょう。

患者さんへ予約時間の徹底を強化する

予約時間が長くなってしまう原因の1つに
予約時間に遅刻してくる患者さんの存在が
あります。

特に診療時間スタートの9時、午後3時に
遅刻されてしまうと、
午前であれば10時頃、
午後であれば夕方5時くらいに
かなり混雑してくると思います。

ですから、
予約時間をしっかりと守ってもらうだけでも、
患者さんの待ち時間を減らすことができます。

特に初診の場合は、
保険証の登録、問診票の記入など
診察室に入るまでの時間がかかります。

ですから、患者さんには
予約時間を守ることを徹底してもらうために、
診察室に予約時間の5分前には
診察室に入ってもらうように案内をしたほうが
良いでしょう。

10分以上遅刻した場合は、
待ち時間が非常に長くなってしまうデメリットを
あらかじめ伝えておくことで、
患者さんも遅刻しにくくなります。

また、頻繁に遅刻する患者さんや
無断キャンセルが多い患者さんは
カルテにシールなどを貼って
判別しやすくすることで、
予約の際に診療のはじめの時間をなるべく
とらせないようにして、
工夫をするといいでしょう。

まとめ

今回ご紹介した
患者さんの満足度を上げるための方法を
まとめると、以下の2点になります。

  • 受付の予約ルールを徹底し、マニュアル化する
  • 患者さんに予約時間を守ることを周知させる

それでも患者さんの状態によっては
なかなか麻酔が効きにくかったり、
抜歯に時間がかかったりなど、
想定外のことが起きることもあります。

予約時間は守りますが、
それでも緊急を要する患者さんが来院した場合は
診療の順番が前後することがあることも
診療室で掲示しておくといいでしょう。

ぜひまずは、
予約ルールを徹底し、
患者さんに予約時間を
守ってもらうことから始めて、

少しでも患者さんの待ち時間を減らし、
患者満足度を向上させましょう。