歯科医の先生が多数参加されるセミナーは、
インプラントや自費の義歯など、
テクニック関係が多く、
どのセミナーも人気です。

歯科医院ディーラーや
歯科医師会のセミナーでも
歯科医療に欠かせない知識の
セミナーばかりです。

もちろん、
歯科医の先生にとって
治療テクニックは最も重要なものです。

しかし、残念ながら、
多くの歯科医院が存在する中で、
テクニックのみでは

安定的に歯科医院を経営し、
継続していくことは難しい時代です。

そんな時代において、
歯科医院が安定的に継続していくために
必要なもの、
それは「マネジメント」です。

どうしてマネジメントが重要なのか、
マネジメントについてご紹介していきます。

歯科医院に理念はありますか?

マネジメントとは、
組織が安定的に継続するために必要な
組織管理のことです。

組織を管理していくための目標を設定したり、
どうやって組織全体で目標をクリアしていくのか
戦略的に考えて実行します。

マネージャーというのは、
マネジメントを実行する組織の頭脳であり、
そして実行部隊的な役割を担います。

多くの歯科医院の場合、
歯科医師、歯科衛生士、
そして歯科助手、受付といった役職しかなく、
マネジメントにおけるマネージャーを
本格的に育成している歯科医院は少ないです。

そのため、
歯科医師や奥様がマネジメントも兼務しています。

そんなマネジメントにおいて、
まず重要なのが「理念」です。

歯科医院を開業するとき
医院独自の理念を掲げている先生は少ないです。

しかしながら、
最近になって
理念を掲げる先生方も増えてきました。

理念がないと、
なぜ歯科医師の先生方が

「歯科医療を提供するのか」

といった目標が明確化されません。

「そこに虫歯があるから」

という理由では

「お腹が空いていて
目の前にご飯があるから食べる」

というのと何ら変わりません。

高級レストランにおいて
様々な理念がありますが、
お腹が空いているだけで
高級レストランはいきません。

高級レストランには、
その理念に賛同された方が食事にいきます。

高級レストランの理念が

「食事を通して、人生を豊かにする」

というものであれば、
食べるだけでなく、
食事を通して人生の価値を上げる食事が
提供されます。

これは歯科医院も同じです。

理念があって、
その理念に賛同した患者さんが歯科医院を選び、
通います。

だからこそ、理念が必要なのです。

スタッフがそれぞれの役割を果たしていますか?

重要な役割を果たすのは「スタッフ」です。

スタッフは、
歯科医院の理念をもとに
自ら考え、仕事を行います

スタッフは
自分の役職を果たすことで、
歯科医院の成長に貢献します。

歯科衛生士であれば、
ただ歯科衛生士業務である
ブラッシング指導とスケーリングをしていればいい
というわけではありません。

もちろん、
業務としては非常に重要ですが、
何のために
歯科衛生士業務をしているのかを考え、
行動を起こす必要があります。

例えば、

「小さなお子さんに
いくらブラッシング指導をしても
なかなか磨いてくれない」

といったことで悩んでいる保護者がいるとします。

歯科衛生士はその場で、
ただブラッシング指導だけで
済ますことが出来ますが、
それでは歯科医院の成長には貢献できません。

「どうしてお子さんが歯を磨くのが嫌なのか?」

「保護者が自宅で子どもにブラッシング指導を
するためにはどうするべきか?」

解決策を試行錯誤しながら、
お子さんのお口の健康を守るための
指導を行います。

・短時間でも最低限磨くべき部位を案内する。

・お子さんが嫌がらないように
 いきなり歯磨きはせず、
 最初はスキンシップからとるように案内する。

といったように
保護者でも出来そうなことを案内し、
歯科衛生士自らが行動することで、
お子さんのお口の健康も守られ、
そして歯科医院も初めて成長することができます。

このようにマネジメントは、
スタッフが成長し、
歯科医院が成長するために欠かせません。

ぜひ今一度、
ご自身の歯科医院のマネジメントについて、
改めて見直してみてください。