SNSやオンラインツールがあたりまえとなった今、
スタッフや患者さんとの関わり方にも
「デジタル時代のモラル」が求められています。

信頼される医院づくり・トラブルを未然に防ぐという
視点で、改めてモラル意識を見直してみませんか?

デジタル時代に必要なモラル意識とは

スマートフォンやSNSの普及により、
誰でも気軽に情報発信ができる時代になりました。

利便性の高さやネット上のつながりに満たされる人が
いる一方で、発言の影響力やリスクを十分に
理解しないまま情報を拡散してしまう
ケースも少なくありません。

医院の名前で運営しているホームページやSNSの
投稿内容はもちろん、スタッフが個人的に
使っているSNSでの発信にも注意が必要です。

すべてを監視する必要はありませんが、仕事を
通じて得た情報の取り扱いや社会的な立場としての
発言については、「モラル意識を持った発信を」
と指導しておくと良いでしょう。

現代の職場には、“リアルだけでなくデジタル上に
おいても節度ある行動”が強く求められています。

歯科医院で起こりうるデジタルトラブル

歯科医院において実際に起こり得るデジタル関連の
トラブルには、以下のようなものがあります。

誤送信や誤投稿

患者さんの個人情報が含まれたメールや
LINEメッセージを、誤って別の相手に送ってしまう
ケースは意外と少なくありません。

また、患者さんの許可を得ずに治療内容や
症例写真をSNSに投稿すると、プライバシー侵害
として大きな問題になります。

たとえ好意的な紹介であっても、
無許可での投稿は避けましょう。

悪意のある発信

患者さんとのトラブルや、院内での出来事を
軽い気持ちで個人SNSに書き込んでしまうのも
トラブルの原因になります。

スタッフ同士でのSNS上の会話でも、患者さんの名前
や特徴に触れるようなやり取りは慎重にすべきです。

メッセージアプリのようなクローズドな場なら
まだしも、XやInstagram等のオープンな場所での
コメントのやり取りは、たとえ冗談であっても
第三者に誤解を与えるリスクがあります。

映り込み

SNSやブログなどで院内の様子を写真や動画で
発信する機会がある場合、背景に写り込む
情報にも注意が必要です。

患者さんの名前が書かれたカルテ、予約表、
モニター画面などが意図せず映ってしまうことで、
個人情報の漏洩につながります。

業務用SNSやチャットでのハラスメント的発言

チャットツールなど文字だけのやりとりは、
相手の表情やトーンが見えないため意図せず
冷たい印象を与えてしまうことがあります。

やりとりの一部だけが切り取られて、
スクリーンショットが拡散される・ハラスメントの
証拠として扱われるといったリスクも…

内容が繊細な場合は、通話や対面での会話に
切り替えることを心がけてください。

スタッフの個人SNSによる医院への悪影響

スタッフが個人アカウントで発信する内容も、
医院の印象に影響することがあります。

制服姿での写真投稿や、勤務先が特定できる
状態での発言は「公式な情報」と
誤認される可能性があるため注意が必要です。

投稿が炎上した場合、その影響が医院にまで
及んでしまうでしょう。

小さなミスや配慮不足でも、デジタル上では
“証拠”として残ってしまい、後々トラブルに
発展することがあるため注意が必要です。

モラル意識をスタッフと共有しよう

デジタル時代に対応するには、まず院長自身が
正しいモラル意識を持ち、そしてスタッフに
対してもわかりやすく伝えることが大切です。

やってはいけないことを並べるのではなく、どうして
これが問題になるのか・この行動にどういったリスク
があるのかを理解してもらうことを心がけましょう。

・定期的な院内ミーティングの中で、
デジタルモラルについて触れる
・医院のSNSやLINEグループの使用に関する
ルールをつくり、共有する
・実際に起きた医療現場でのトラブル事例を
簡単に紹介する
・プライベートの投稿でも医院名や患者情報に
関する配慮を呼びかける

他にも、職場で知り得た内容に関する投稿や写真撮影
について、誓約書を交わす医院も増えてきています。

あくまでスタッフを信頼しつつ、
「情報は扱い方ひとつでリスクにもなる」と、
皆が自然と意識できる環境づくりが大切です。

頭ごなしにルールで縛るのではなく、一緒にモラルを
守っていこうという姿勢を持ちましょう。

まとめ

デジタル時代のモラル意識は、
医院の信頼を守るために欠かせません。

院長自身が正しい意識を持ち、スタッフと共有
しながら、節度ある情報発信をすることが大切です。

小さな配慮の積み重ねが、安心できる職場環境と
患者さんからの信頼につながります。

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