「新人スタッフへの仕事の教え方が難しい…」
「新人スタッフが教えたことを理解しているのか、
分からない…」

といったことに頭を悩ませている院長先生は、
意外と多いのではないでしょうか。

このような結果になってしまうことがあるのは
スタッフではなく、
教え方に違いがあるのかもしれません。

医院に入って間もない新人や、
年数の浅いスタッフが仕事をできるようになるのは
指導の仕方によって左右されてしまうことが
多いようです。

教え方を一歩間違えると
スタッフは仕事に対するモチベーションが
下がってしまい、
歯科医院を辞めてしまう可能性があります。

指導を上手に行うためには、指導する前の
準備が重要になってくるかもしれません。

この記事では

  • なぜ準備が大切なのか
  • 指導前の準備の仕方

について紹介していきます。

スタッフへの指導に悩んでいる方は
是非、参考にしていただけたらと思います。

教えるとは?

そもそも、教えるとは
相手から望ましい行動を引き出す行為のことです。

例えば、
ゴミの分別方法を教えると、
次からゴミをルール通りに分別できる
行動が引き出されます。

ゴミをしっかりと分別してほしいのに、
滅菌の仕方を教えるなんてことはしませんよね。

また、スタッフが仕事をできないというと
熱意や根性が足りないといった
心理的な面にフォーカスをしてしまう事があると
思います。

スタッフの心理面にこだわってしまうと、
問題の本質を見逃してしまうかもしれません。

新人スタッフの仕事ができないのは
心理的な問題ではなく、
教えている人の内容が
指導されるスタッフに伝わっておらず、
望ましい行動が
引き出せていないのかもしれません。

教える前に準備する

スタッフに教える前に、
一旦教える内容を整理してみては
いかがでしょうか。

指導の準備をしないで
指導を始めてしまうと
肝心な部分が抜ける危険性があります。

重要な部分が抜けてしまうと、
新人スタッフは仕事の全体像が把握できずに、
混乱してしまう可能性が高くなります。

また、同じ指導内容を重複してしまう、
といったことも発生する可能性がありますので、
的確に効率よく教えるためには
事前の準備が必要です。

準備には大きく次の2つにわかれます。

①知識の準備
②技術の準備

それぞれについて
詳しく解説していきます。

①知識の準備

知識の準備とは、
質問を受けたら答えられるように
準備をすることです。

例えば、歯周病を教える時には
衛生士と助手、受付では
内容や伝え方が異なるかと思います。

衛生士の場合には

「歯周病の患者さんに
適切な歯ブラシと歯磨き粉」

助手、受付の場合は

「歯周病とは?や歯周病治療の流れ」

というふうに、スタッフの役割や段階によって
教えることを変える必要があるかと思います。

また、教える側はスタッフ全員が
「聞かれたら答えられる」状態
なるように指導しなければいけません。

②技術の準備

技術の準備とは、
練習などを行えばできるようになること
指しています。

例えば、

  • 丁寧な明るい挨拶
  • レントゲン撮影の準備、撮影
  • お会計から領収書まで手続きができる
  • スケーリングができる
  • 患者さんに適したブラッシング指導ができる

などの技術は
実際に「やろうとすればできる」ことになり
トレーニングを積んでもらう必要があります。

このように教える内容を
2つに分けることで、
指導の内容や手順が明確になります。

もし指導が上手くいかない場合には、
知識をうまく伝えられていないのか?
技術指導が進んでいないのか?
などとチェックできて、
原因が見つけやすくなるのです。

成果がでている人を観察する

知識と技術の準備が整ったら
次にスタッフへの望ましい行動が
どのような行動なのかを
明確にする必要があります。

望ましい行動を引き出すことは
すなわち、成果に繋がる行動が
できるように導くことでもあります。

そのため、教えた内容を
できるようになる一番の近道は、
成果がでている人の仕事を
よく観察することではないでしょうか。

なぜなら
「成果をだしている人=仕事ができる人」
に繋がるからです。

観察するポイントは次のようなところです。

  • 出勤してから始業時間までに
    何をしているのか?
  • 患者さんがいない時には
    何をして過ごしているのか?
  • 患者さんと会話する際の
    表情、声のトーン、言葉遣い
  • 治療後の患者さんへの対応や挨拶

上記のようなひとつひとつの行動を
ピックアップしていきます。

そうすることで、
成果に欠かせない「行動」が
見えてくるのではないでしょうか。

さらに、
成果に繋がる望ましい行動を見つけ出し、
一覧に書き出せば
業務で成果をだすための
「チェックリスト」の完成です。

リストに書いてある行動は、
成果を出している人の行動なので、
再現すれば、どんな人でも
成果を上げられる可能性が高くなります。

一度チェックリストを作成しておけば、
他のスタッフを指導する時にも活用できます。

まとめ

誰でも教えることはできますが、
教えた相手ができるようになるかは
また別問題かと思います。

院長やベテランスタッフでも、
教える内容や目的がハッキリとしていないと
教えられた相手ができるようになるまで時間が
かかってしまうでしょう。

まずは、「準備」をしてから指導してみましょう。

きっと、スタッフの理解度が格段に上がって、
「仕事ができる人」になるはずです。