「アポイントが埋まる曜日と
そうでない曜日の差が激しくて困っている」

「アポイントが入る時間帯に偏りがあって、
 定期通院をしてもらいにくい」

このようなアポイントに関するお悩みを
歯科医院の先生はお持ちではないでしょうか。

そこで今回は、そんなアポイントの悩みを
解決しやすくするために
知っておいてほしい秘訣について
ご紹介していきます。

時間帯の治療枠数を決める

ここで歯科医の先生方に
質問があります。

1時間あたりに対して、
治療は何症例くらい可能だと
思いますか?

アポイントを埋めるには
まずは歯科医の先生が1時間あたりに
どのくらい治療ができるかを
把握しておくことをおすすめします。

例えば、
C R充填であれば20分、
インレー形成であれば15分、
ブリッジ形成であれば30分
というような感じに細分化していきます。

もちろん、患者さんによって
口腔内の状態は
それぞれですから、想定していた時間より
かかることもあるかと思いますが、
目安時間を設定し、予約担当のスタッフが
治療時間を把握しておくと
アポイント枠のスケジューリングが
しやすくなるはずです。

その上で、チェアー3台であれば、
そのうち2台を治療用にして
C R充填であれば30分に2人、
1時間であれば4人の診察というように
医院のチェアー数と合わせて、
治療できる上限人数も
設定しておくといいかと思います。

残りのチェアー1台に関しては、
メンテナンス枠で15〜30分の範囲で
アポイントを埋めるようにしてみては
いかがでしょうか。

「患者さんの口腔内環境にほとんど問題がなく、
半年に一度の定期検診と
スケーリング、歯面清掃であるなら
30分の診療枠を用意する」、

「歯周病治療で2週間に一度の縁上、
縁下スケーリングが必要なのであれば
20分の診療枠にする」

といったことを先生が判断し、
決めておくといいかと思います。

明確な治療枠の基準を設定することで
アポイントがより埋まりやすくなります。

まずはアポイントのルール作りから
スタートしてみてはいかがでしょうか。

患者さんへの丁寧な説明

アポイントを埋めるために
重要だといわれていることがあります。

それは「患者さんへの丁寧な説明」です。

説明をしていても、実は患者さんには
伝わっていない可能性があります。

歯の神経を抜いた場合は、
複数回来院してもらう必要があると
歯科医療関係者は感じているかと思います。

ただ、患者さんは
どうして痛みがなくなったのに
通院する必要があるのか、
全くわからないと感じる方もいるかと思います。

患者さんが納得することで
患者さんが歯科医院へ定期的に
通ってくれやすくなります。

その結果、定期通院の患者さんで
アポイント枠を埋めやすくなります。

歯科医師が一人体制のところで
なかなか説明に時間が取れないのであれば、
大まかな症例ごとに説明シートを作成し、
かわりに診療スタッフに
これからどんな治療が必要なのか、
治療の大まかな流れについて
説明してもらうといいかもしれません。

丁寧な説明を心がけるだけで
アポイントは埋まりやすくなります。

急患とメンテナンス患者への明確な区別

歯科医療業界だけでなく、
医療全体として曖昧になってしまいがちなのが
「急患とメンテナンス患者の区別」
ではないでしょうか。

病院は待つのが当たり前という考えが
浸透している患者さんも
中にはいるのではないでしょうか。

実際に患者さんの状態は
急に悪化することもありますし、
急患の患者さんが重症で
診療枠以上の時間を取られてしまうことは
多々あるかと思います。

急患が入ったとしても、できれば、
予約をしてくださった患者さんを
待たせないようにしたいですよね。

とくに予防を強化した医院経営を目指すには
重要な観点かと思います。

急患ですぐに診て欲しい、時間がないと
受付に大きな声でクレームをいう患者さんが
中にはいるかもしれません。

もちろん、患者さんの状態が良くない場合には
すぐに対応するべきかと思います。

しかし、

「クラウンやインレーが取れて
時間がないから見てほしい」

というように、
電話もなしに
来院するような患者さんに対しては、
あらかじめ受付で待ち時間があること、
予約患者さんが優先であることを
説明できるようにしておきたいですね。

予約しているのにいつも待たされる、
クレームをいえばすぐに診てもらえる、
そんなクチコミが広がってしまうと
医院が理想とする仕組みから
遠ざかってしまうかと思います。

そうならないためにも急患と予約患者を
明確な区別をして
アポイントの時間を確保したいですね。

ぜひ一度、アポイントの埋め方について
見直してみてはいかがでしょうか。