患者さんが自費治療を決めないのは、
治療説明に納得ができていないからという
理由があるそうです。

とはいえ、
人は自分なりの考えや価値観をもっていて、
それぞれが納得する伝え方なんてないと
諦めてしまいがちです。

しかし、どんな人にも
「ある共通点」があります。

人は何事も自分で決めたい生き物だ
ということです。

そのことに気づいて伝えることが出来れば、
患者さんは自費治療を選ぶことが多くなるかと
思います。

そこで今回は、
患者さんを納得させる話し方について
紹介していきます。

詳しすぎる説明は理解しづらい

丁寧な説明は、
患者さんが理解しようとするのを
止めてしまう原因になる可能性があります。

例えば、
被せ物の説明を患者さんにする時に

「ジルコニアの被せ物は、かたくて丈夫で、
割れにくいのが特徴です。
また、陶器でできていて、
ツルっとした表面なので
食べ物のカスや
汚れがつきにくいです。

見た目も美しくて
歯に近い光沢感を実現できるので、
他の人から見ても
被せ物とはわからないくらいですよ。

さらに、芸能人の方も
見た目の美しさから
ジルコニアにしている方が
多いようです。

うちの歯科医院は技工士も
在籍しているので、
他の歯科医院に比べると
ジルコニアの値段も安い方ですよ。」

というような、説明の仕方では
自費の被せ物を選ぶ患者さんは
少なくなると思いませんか?

話しの焦点がぼやけているし、
話しが長いばかりで、
ジルコニアが本当に良い物であっても
魅力に感じない方もいるかと思います。

また、患者さんは
何が言いたいのかわからない
といった状態になり、
納得どころか、理解すら難しいでしょう。

「話しがよく分からないから
保険の治療にしよう」と
なるのも無理はありません。

患者さんを納得させる話し方

患者さんを納得させるには、
次の3つの話し方が有効です。

  • 結論から始めて結論で終わる
  • 悩みを再認識させる
  • ファクトを伝えて可視化する

より詳細にご紹介します。

結論から始めて結論で終わる

まずは、話しの起承転結は無視して、
結論だけを伝えていきます。

先ほどの被せ物の例で
具体的に実践していきます。

「私が○○さんにジルコニアの被せ物を
オススメする理由は3つです。
1つ目は、かたくて丈夫な材質なので、
割れにくいこと。

2つ目は、ワイン好きな○○さんには、
着色汚れがつきにくい材質であること。

3つ目は、他の歯科医院に比べて価格が安いこと。

以上です」

上記のような説明だと、
余計な情報がなくて
患者さんが理解しやすいような話の構成に
なっていると思いませんか。

また、この話し方のポイントは
最初に伝えたいことに
結論の数を宣言することです。

結論が3つあると言えば、
相手もその3つを聞き漏らさないように
注意して聞くようになります。

細かい説明やメリット・デメリットは
その後に付け加えるように話せば良いのです。

悩みを再認識させる

冒頭で言ったように、
人は何ごとも自分で決めたい
と思っている傾向があります。

相手の気持ちを変えさせるために
説得しても中々「Yes」とは
言ってくれません。

なぜなら、自分が説得されていることが
わかっているからです。
説明する時には、
相手が納得してくれることだけを話すのが
ポイントです。

その方法として、
相手に悩みを再認識させることが、
納得しやすい要素になります。

例えば、
インプラント治療を勧める時には

「○○さんは、当初、見た目が悪くなるのを
とても気にしていましたね。
また、見た目を気にするのと同じくらいに
歯を削ることにも抵抗があると感じました。
○○さんの気にしていた部分を解決する方法が
インプラント治療です。」

といった感じで、
患者さんの悩みを思い出させることは

「そうだった!そのことで困っていた」
「院長先生は良く話しを聞いてくれているなあ」

とスタッフの印象も良くなり
さらに治療がスムーズに進みやすくなります。

ファクトを伝えて可視化する

相手を納得させるために
必要不可欠なものが、
誰も否定できないファクト(客観的事実)
になります。

ファクトがあるからこそ、
相手が納得します。

例えば、
ホワイトニングを勧める時の説明では

「人は、第一印象を見た目で判断します。
特に他人の目に付くのが歯です。
だからこそ、多くの芸能人の方が
ホワイトニングをしています。」

と説明しながら、
ホワイトニングを受けた患者さんの
ビフォーアフターの写真を見せます。

この時のファクトは、
実際にホワイトニングをして
白い歯になったという事実になります。

特にビフォーアフターの写真(成功事例)
を見せることは、相手を納得させるために
もっとも有効な手法です。

まとめ

患者さんを説得しても、
自費治療を選択することは少ないと思います。

一方で、患者さん自身が納得すれば、
自費治療を選ぶようになります。

丁寧な説明が良いといわれがちですが、
気づかないうちに、
わかりにくくしている人が多いです。

自費治療を選んでほしい時には、
患者さんが理解しやすく、
納得できる伝え方をしてみましょう。

そうすれば、きっと
あなたが勧める治療法を
選択してくれるはずです。