歯科業界は歯科衛生士、歯科助手
ともに離職率が高い業界です。

令和元年に日本歯科衛生士会会員を対象に
行われた調査によると、76.4%の歯科衛生士が
転職を経験しています。

さらに、全体の55.0%が複数回の転職を
経験しているという結果が出ています。

離職率がもともと高い業界であることから
退職することはある程度仕方のないことですが、
一方で離職率が低い歯科医院もあります。

そこで今回は、離職率が高い歯科医院は
どうすればいいのか?
具体的な方法について詳しく解説していきます。

既存スタッフの満足度を調べる

現場を把握する

離職率を下げるためには、既存スタッフの満足度を
上げていくことがまず最優先です。

そのために、従業員の満足度調査をボーナス前など
半期に一度でいいので定期的に行いましょう。

最初は具体的な不満を記述してもらうのではなく、
数値を利用したアンケートを行うとスタッフも
記入しやすいです。

例えば、労働時間の満足度、指導体制、職員間の
働きやすさなどを1から10で点数を
つけてもらいましょう。

その中で最も点数の低い項目から取り組んで
いくことで、より従業員満足度が高い職場となる
可能性が高くなります。

院長自らスタッフに質問する

スタッフの満足度の低いものがわかれば、
院長先生が直接スタッフからどのように
改善すればいいのか質問していきましょう。

できれば、信頼関係が構築できている長年働いている
スタッフから順番に質問していくといいでしょう。

スタッフ全員を集めた会議だと、
積極的な意見はでてこないものです。

スタッフ1人1人と向き合うために、院長自ら、
具体的な改善案をスタッフから直接聞き、
どう改善していくべきかを考えていきましょう。

労働条件の見直し

スタッフの労働環境の満足度を調査したら、
次に院長先生がすべきことは労働条件の見直しです。

労働条件の見直しすべき項目としては、
以下のような項目があります。

労働時間の見直し

特に都心部の歯科医院では診療終了時間が遅く、
週の残業時間が40時間を超えてしまうような
歯科医院もあります。

労働基準法を順守することは当然ですが、
残業時間を減らす対策を実施することが重要です。

もちろん、診療終了時間を早めるといった決断は、
売り上げに直結しますが、夜遅くまでの診療は
売上にどこまで貢献しているのかの割合を把握し、
不必要に診療時間を伸ばしているのであれば、
診療時間を短くすることを決断するといいでしょう。

パートスタッフの活用

子育て中のスタッフで、扶養内パートを
希望するスタッフもいます。

そういったスタッフは午前中に出勤してもらい、
正社員スタッフを午後から出勤させて1日の
労働時間を短縮することで、正社員の残業時間などを
見直すことができます。

パートスタッフはあまり採用していないという医院も
ありますが、逆にパートスタッフを活用することで、
正社員の労働時間を見直すことができます。

労働条件を見直すには、パートスタッフの活用も
視野に入れるといいでしょう。

給与水準の見直し

毎年、最低賃金は上昇し、2020年代後半には
歯科助手でも1500円の最低賃金になるのではないか
と危惧されています。

特に都心部では1500円まですぐ目の前です。

そのため今のうちから、どれだけ人件費、給与に
反映できるかを把握し、適切に配分しましょう。

売上からの人件費への配分は、
税理士などと相談してみるといいでしょう。

また固定費を見直して、給与に反映するのも
おすすめです。

賃上げに関する助成金もあるため、
社労士と相談してみるのもいいでしょう。

いきなり高水準は難しいですが、売り上げを把握し、
どれだけなら配分できるのか、
まず把握することを考えてみてください。

スタッフとのコミュニケーションを増やす

離職率を下げるためにやってほしい最後は、やはり
院長先生とスタッフとのコミュニケーションです。

仕事内容だけでなく、日常的なコミュニケーションの
機会を院長自ら積極的に増やすことが重要です。

若いスタッフと何を話していいのかわからない
と悩んでいる院長先生もいらっしゃいますが、
まずはあいさつからスタートしましょう。

あいさつもしないスタッフは、いずれ退職します。

一方で、コミュニケーションをしっかりととって
いるような歯科医院では、退職するにしてもきちんと、
数か月前から院長に相談をして、復職の可能性に
ついてもしっかりと面談されています。

ですので、最初はあいさつからコミュニケーションを
とるようにしまましょう。

まとめ

離職率が高い業界が歯科です。

まずは、現場を把握し、労働環境を見直しましょう。
その上で普段から積極的に院長先生がスタッフと
コミュニケーションをとることで、人間関係も
改善され、離職率をさげることができます。

いきなり全部は難しくても、コミュニケーションは
明日からでもできます。

ぜひできることからやってみてくだ

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