何気ない一言が、パワハラと
受け取られてしまうことは少なくありません。

悪気や他意はなくても、伝え方次第では
相手を傷つけてしまうこともあります。

無意識にハラスメントを起こさないためにも、
スタッフ指導時の言葉選びについて
改めて考えてみましょう。

無意識のパワハラとは

パワハラという言葉が一般的になり、
あからさまなハラスメントは減少傾向に
ありますが、「無意識のパワハラ」に
悩む声が増えています。

無意識のパワハラとは、優しく尋ねたつもり・
冷静に指摘したつもりでも、言葉選びや
表現によって相手を傷つけたり、
労働を強要してしまうことです。

本人にその自覚がないため改善が難しく、
ハラスメント受けた側も強く抗議しにくい
という問題があります。

院長として、自身の発言や行動が無意識の
パワハラに当たらないか、
今一度見直してみましょう。

気を付けたい言葉と置き換え言葉

無意識のパワハラになりやすい言葉には、
以下のようなものがあります。

置き換えの例と一緒に表にまとめましたので、
ぜひ今日の診療から役立ててみてください。

気を付けたい言葉 置き換え言葉
なんでこんなこともできないの? こうするとスムーズにできるよ
やる順番考えて動いて 効率的に進められる手順を考えてみよう
もう忘れたの? 間違えやすいポイントだから気を付けて
もう少し感じよくしないとだめだよ 患者さんの気持ちを考えて伝えてみよう

ポイントは、イントネーションや雰囲気などを
考慮しないという点です。

例えば「なんでこんなこともできないの?」は、
文字ではとてもキツイ言葉に見えますが、
明るく親しげに言えば冗談や親しみやすいように
聞こえることもあるでしょう。

しかし、「そういう意味で言ったわけじゃない」や
「そんなに深刻にとらえないでよ」という言葉は、
言い訳になりません。

文字にしても問題のない言葉選びを
心がけてください。

積極的に使いたい言葉

指導の際には、文字にしても相手に威圧感を
与えない言葉や、相手に考えさせる問いかけ方を
意識すると、無意識のパワハラを防ぎながら、
スタッフの自主性やモチベーションを
高めることができます。

・困っていることがあれば私や先輩に聞くといいよ
・もし時間があれば、こちらの作業も手伝って
 もらえると助かるよ
・次はどうしたらもっと良くなると思う?
・ここはもう少し工夫すると、もっとよくなるよ
・あくまで私の感じ方だけど、ちょっと気になるんだ
・指摘するのは心苦しいけど、一緒に改善できたら嬉しい
・ここはデリケートな話題だから、
 ゆっくり考えて意見を聞かせてほしい

まずは、スタッフとの信頼関係を
構築することです。

信頼関係があれば、注意を受けるときも
素直に受け止めやすくなり、
指導効果の向上も期待できます。

また、普段からコミュニケーションの機会を
増やし、スタッフの意見にも耳を傾ける
姿勢を示すことも重要です。

こうした積み重ねが、良い院内環境と
健全なチームワークをつくる基盤となるでしょう。

まとめ

無意識のパワハラは誰にでも起こりうる
問題ですが、言葉選びや伝え方を少し意識する
だけで発生リスクを大きく減らすことができます。

相手の立場に立ち、相手も家庭や自分の生活がある
一人の人間であることを尊重しながら
指導することが良い職場環境をつくる第一歩です。

日々のコミュニケーションを見直し、スタッフ一人
ひとりが成長できる指導を心がけてみましょう。

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