歯周病と糖尿病、実はとっても深い関連があるのです。

糖尿病は

血液中のブドウ糖濃度が常に高い状態になってしまっている代謝疾患

のことをいいます。

 

では糖尿病になると何が困るのでしょうか?

 

糖尿病になると、全身の血管がもろくなっていきます。

その結果、腎臓病になったり網膜症になったり、神経障害になったりします。

神経障害がひどくなってしまうと、ご自身の足が壊疽になってしまっても

気がつかない方もいらっしゃいます。怖いですね・・・。

 

さて、この「糖尿病」の第6の合併症として「歯周病」が以前から注目

されています。

糖尿病の患者さんでは歯周病発症のリスクが高いとか、

重度歯周病の患者さんでは糖尿病の罹患リスクが高い

という報告もすでにありますし、

歯周病の治療を行うことで糖尿病の状態が改善されたという研究結果

もあるんです。

 

この糖尿病、歯周病以外にもいろいろなリスクが潜んでいます。

いくつか例を挙げると・・・

 

1)口腔乾燥

糖尿病患者さんの自覚症状で有名なものに「口が渇く」というものが

あります。糖尿病患者さんは血糖値が高いためにおしっこの量も多く

脱水状態に近いです。そのため、唾液が少なくなることがあります。

 

2)感染しやすくなる

血糖値が高い状態が続くと、免疫系が抑制され感染しやすくなります。

口腔ケアをする際には出血を伴ったり、切開するようなこともあります

ので注意が必要ですね。

ただし、糖尿病患者に対する歯周治療ガイドラインにおいては、抗菌療

法の併用効果などについて明確な根拠が導き出せていないとありますの

で、具体的な対応方法については今後のエビデンスの確立が待たれると

ころかもしれません。

 

 

このように糖尿病患者さんは血糖値だけでなく、

お口の中の環境もなんとなく悪くなってしまっていそうですね・・・

 

現在、日本の糖尿病患者さんは300万人を超えています。

歯科治療にいらっしゃる患者さんが糖尿病ということも少なくないの

ではないでしょうか。

また未治療の糖尿病患者さんも多いのが現状です。

 

ぜひ、皆さんも

「最近血糖値が高いっていわれたんだよ~」という患者さんが来院されたら

少しだけしっかりとお口の中を確認してあげてください。

そして「糖尿病って怖い病気なんだよ!」ってちょっとだけでも

伝えてくださると嬉しいです。

 

私たちも糖尿病の先生方が、歯科も定期的に健診受けないとダメだよ~って

患者さんに伝えてもらえる活動を進めていきたいなと思っています。