自費率が高い歯科医院は、
コミュニケーション能力が高い可能性があります。

なぜなら、患者さんが自費治療を
選択するように上手く誘導しているからです。

ここでの誘導とは、

  • 自費治療を強要している
  • 自費診療のみ案内している

というようなことではありません。

保険と自費の両方の治療がある中で、
患者さん自身が自費治療を選んでいるのです。

患者さんが自費治療を選択するには
なにより「伝え方」が重要です。

そこで、この記事では
効果的な4つの伝え方
紹介していきます。

「自費率をもう少しあげたい」と考えているなら
この記事を参考にしていただければ幸いです。

自費が増えないのはうまく伝わっていない可能性があるから

そもそも、皆さんは
患者さんへどのように
自費治療を勧めていますか?

「保険の金属だと隙間ができやすいし、
劣化が早いから自費の方が良いですよ。」

というような伝え方では、
患者さんは首を縦に振ってくれないでしょう。

Drの願いをそのまま伝えてしまうと

「利益のために言ってないかな…?」
「本当にこの治療がベストなのかな…?」

と患者さんは疑いを持ってしまうかもしれません。

自費治療を選択してもらうためには、
患者さんのメリットを
一緒に伝える必要があると思いませんか?

とはいえ、
メリットはその人の性格や生活習慣に
よって異なります。

自費治療を勧める前には、
必ず患者さんの情報収集を
十分にしてからのほうがいいでしょう。

相手を動かす「4つのコツ」

患者さんの情報収集が整ったら、
あとは伝えるだけです。

相手の心を動かすために次の4つのことを
意識してみてはいかがでしょうか。

①相手の好きなことに話を寄せる
②相手の嫌いなことに話を寄せる
③比較させる
④承認する

順番に解説していきます。

①相手の好きなことに話を寄せる

相手の好きなことに寄せるとは、
相手のメリットに言葉をのせて
伝える方法のことです。

例えば、
スポーツをするのが趣味な患者さんに、
被せ物の種類を説明する時には

「自費の材料は
噛み合わせの細かい調整ができるので、
しっかりと噛むことができ、
スポーツの大事な場面で力を発揮できます。」

「瞬発力には、グッと踏み込む力が必要です。」

「噛み合わせが悪いと、
自分の力を最大限に発揮するのが
難しくなります。」

と言うように、
趣味や好きなことに
踏み込んだ提案をすると、
患者さんは納得しやすくなるのです。

②嫌いなことに話を寄せる

嫌いなことに話を寄せることは、
嫌いなことを勧めるという意味ではありません。

むしろ逆で、
相手の嫌いなことを
避けさせる伝え方になります。

例えば、

  • 少しでも痛いのが苦手
  • 何度も通うのが面倒くさくて嫌
  • 残存歯が少ない

といった患者さんがいるとします。

この患者さんの場合には、

「保険の入れ歯だと隙間ができやすく
痛みが出やすい可能性が高いです。」

「自費の入れ歯は、精密な作りなので、
お口のトラブルも少なく、通院する回数を
減らすことができるかもしれません。」

と言うように、

「患者さんの嫌なことを避けるために、
こんな治療法がありますので、
お勧めですよ。」

と伝えることで、患者さんは

  • 自分のことわかってくれているな
  • しっかり考えてくれている

と信頼度が増して、
勧められた方を選びやすくなるのです。

③比較させる

人は判断するのが苦手で、
特に
「Yes or No」で答える必要がある質問は、
精神的ストレスになる可能性があります。

逆に比較は、
ストレスが少なく選びやすい
と言われています。

例えば、

「自費の金属にしますか?」

と聞くのではなく、

「セラミックは見た目が自分の歯と
変わらないくらい綺麗で丈夫です。」

「別なタイプの被せ物は金属の上にセラミックを
貼り付けていて、
見た目は綺麗ですが、
歯茎が下がった時に金属の部分が
見える可能性があります。」

「銀色の被せ物は全体が金属で
出来ていて時間が経つと、金属が錆びて
溶け出し、歯や歯茎の変色する原因に
なることもあります。」

といったように、
いくつかの金属を並べて患者様に
比較してもらいます。

この時に、最初に自費の被せ物を
説明するのもポイントで、先に説明した方が
人間の記憶に残りやすいからです。

さらに、数を絞って説明するのも効果的です。

種類が多いと考えるのが面倒になるので、
3~4つくらいで比較してもらうと良いでしょう。

④承認する

承認するとは、相手を認めて褒めることです。

患者さんの生き方や考え方を一度、
認めて受け入れましょう。

そうすると、患者さんの良い部分がみえてきます。

例えば、患者さんが治療する前、
口腔内が綺麗だった時は褒めましょう。

褒められた後や、認められた後に
勧められると、人は断りづらい性質があります。

治療説明をする前には1つでも褒めると
自費の契約が決まりやすくなります。

まとめ

患者さんに自費治療を受けてもらいたいなら、
自分の願いだけではなく患者さんが
得るメリットを伝えると自費治療を
選択しやすくなります。

伝え方1つで、
患者さんの考えは一瞬で変わってしまいます。

伝える時にはしっかりと自分の思いと
患者さんの思いを一致させることが大切です。

伝え方を鍛えて、
自費率アップに繋げていきましょう。