前回の記事では、
患者さんの考えていることを知るための
カウンセリング(動機付け面接)について
ご紹介をしました。

今回は、患者さんが来院された背景を知って、
不安を払拭するためのカウンセリング方法を
ご案内します。

歯科医院の経営において、
売上を大きく左右するのが「自費率」です。

自費率は、
インプラントなどが入れば大きく上昇しますが、
一方で、
自費が全くないという月がある歯科医院も
多いです。

自費率の変動が大きいため、
インプラントなどに必要な設備投資をすべきなのか
悩んでいる歯科医の先生も多いです。

そこで今回は
“自費率をあげるためにはどうすべきか”
詳しくご紹介していきます。

自費率はなぜ上がらない?

「自費率を上げたい!」

と考えていても、

「なかなか上がらない!」

と悩んでいる院長先生も
多いのではないでしょうか?

ではどうして自費率は上がらないのでしょうか?

その理由は、
患者さんの悩みを解決するための治療法を
きちんと説明していない
ことにあります。

治療法には保険診療自費診療があります。

例えば、
同じクラウンの適応でも、
FMCとセラミッククラウンでは何が違うのか、
患者さんにはわかりません。

見た目が白か銀で、
白が本当はいいけど、
高いからやめておこうという患者さんが多いです。

このように、
患者さんは見た目などの目先のメリットと
費用感を比べて判断していることが多い
です。

セラミッククラウンは見た目だけでなく、
金属アレルギーでも安心できる材料であることを
患者さんにきちんと説明できているでしょうか。

メリットをしっかりと理解していないと
自費を提案するスタッフも

「コストがかかるから…。」

と思ってしまいがちです。

しかし、
本当に自費治療が高いかどうか判断するのは、
患者さん自身です。

患者さんに必要な情報をきちんと説明することで、
自費率はかなり向上するのです。

患者さんの不安を解消すれば自費率は上がる

自費率をあげるために大切なこと、
それは「患者さんの不安を解消すること」です。

治療法を説明するときに、
その患者さんにはどんな治療法が選択肢となるか、
患者さん自身が自分にとって何が最善かを、
歯科医師だけでなく、
歯科衛生士やトリートメントコーディネーター、
誰かが説明をする必要があります。

歯科医の先生や歯科衛生士には、
それぞれの役割があります。

特に歯科医の先生は歯を削ったり、
インプラントのオペをしたり、
説明に費やす時間を考えると、
患者さんの治療説明を歯科医がやるのは、
コストパフォーマンスが非常に悪いといえます。

可能であれば、
治療を説明する専任スタッフ、
トリートメントコーディネーターに
治療方法を説明し、
その上で歯科医師が同意を得るのがおすすめ
です。

自費率上昇のカギとは?

自費率上昇のカギは
「患者さんへの説明」です。

例えば6番欠損ケースの場合、
主な選択肢は3つです。

ほとんどの歯科医院では、
年齢にもよりますが、
ブリッジ治療を選ぶ患者さんが、
多いのではないでしょうか?

しかし、
歯肉の状態によって
最も患者さんに有益な治療法は
「インプラント」ではないでしょうか?

もちろん、
歯科医の先生の治療方針にもよりますが、
一般的にはインプラントは隣在歯を削ることなく、
歯を長持ちさせるには最善の治療です。

ブリッジは残念ながら、
他の健康な歯の寿命を短くしてしまいます。

ここで伝えて欲しいのは、
ブリッジは

「歯の寿命を短くする可能性がある。」

ということです。

当然、
健康な歯を削るのですから、
保険診療を選択する以上は仕方がないことです。

保険で歯の侵襲を考えれば、
一本義歯の選択肢もありますが、
違和感を考えれば
選ばれることは非常に少ないです。

患者さんの多くは、
保険は最善の治療だと考えています。

先生の考え方にもよりますが、
伝えたい治療のメリットデメリットを
よくある症例からまとめて、
歯科衛生士やトリートメントコーディネーターに
伝えてもらうようにしましょう。

そうするだけで、
今よりも断然に自費率は上昇します。

ぜひまずは
よくあるブリッジのケースから
説明資料を作って歯科医院で共有してみてください!