スタッフ教育の一環として「患者さんへの接遇」を
掲げる医院は増えてきています。

自院をかかりつけ医にしてもらい、
安定した集患へとつなげるためにも、
温かみのある言葉かけや態度を徹底したいものです。

そこでスタッフが心に余裕を持って患者さんへ接する
ために、経営者としてできることを考えてみました。

単に接遇の大切さを謳っても響かない

「患者さんへ温かみのある対応をしましょう。」
「笑顔を大切に、寄り添いの気持ちを持って
接しましょう。」

このようなフレーズを耳にしたことがある人は
多いはずです。

実際、接遇マナーの研修などを受け、上記のような
心構えを学んだ経験のある人もいることでしょう。

スタッフの接遇についてお悩みの方に、まず理解して
ほしいのは「患者さんへ好ましくない態度を取る
スタッフの多くは、接遇を知らないわけではない」
という点です。

“患者さんに対して温かい気持ちで
接するべきだと知らない”のではなく、
“どう接するべきか分かっているものの
日々の業務の中でそれが実行できていない”
というケースが非常に多いと言われています。

つまり、いかに研修などを通して
接遇の大切さを教えても、それを業務の中で
発揮できなければ意味がないのです。

心に余裕を持つことが何よりの近道

日々の業務の中でスタッフに温かみのある接遇を
してもらうためにはどうすればよいのでしょうか?

何よりの近道は「スタッフが心に余裕を持つこと」
だと考えます。

・気分が良い時は周りにも優しい気持ちで
 接することができる
・時間に追われている時に信号に引っかかると
 イライラする

このような心の動きを感じたことがある人は
多いはずです。

上は心に余裕があり、下は余裕のない人の例です。

心に余裕やゆとりがあれば、患者さんへの接し方も
自然と理想の形へと近づけるでしょう。

今日から実行できる院内の雰囲気作り

忙しい、疲れた、イライラする、自分のペースで
仕事ができないなど、ネガティブな気持ちがあると
心に余裕が持てなくなります。

また、頑張らなければと肩の力の入れ過ぎも、
長期的な目線で考えるとやや危険な傾向
だと言えるでしょう。

院内の空気感を、“ピリッ”とした空気やピンと
緊張の糸が張り詰めた感じから、“ふわっ”とした
明るく元気な雰囲気へと変えることで、
スタッフの心に余裕とゆとりが生まれるでしょう。

スタッフの心に余裕を持たせる経営ポイント

・定時に帰れることを基本とした業務スタイル作り
・慌ただしくならず各々の業務に集中できる
 程度の予約に抑える
・給料を上げる
・休憩時間をしっかりと確保できる体制づくり
・人員をギリギリで回さない

これらに加え、適度なコミュニケーションや
意見交換・手が空いたらちょっとコーヒーブレイク
などを取り入れてみるのもおすすめです。

現代社会では、ライフワークバランスが
重要視されています。

会社や企業のために身を粉にして働きます!
という考え方ではなく、就業時間内にやるべきことを
やりますというスタイルを好む人が増え、
残業代をもらえるとはいえ残業したくない
と考える人も多いでしょう。

また、バタバタと慌ただしく体力いっぱい
働くよりも、自分の業務を気張りすぎずに
こなしたいという意見も聞かれます。

現代の働き方ニーズに答えられない
業務スタイルでは、スタッフのフラストレーションが
たまり、心の余裕を奪ってしまいます。

まとめ

接遇マナーやアンガーマネジメントなど、
ビジネスシーンにはさまざまな言葉が
飛び交いますが、どのような考え方においても
「心の余裕・ゆとり」を持つことは大切です。

スタッフに無理をさせていないか、
1人1人が心に余裕を持って業務に臨めているかを
今一度考えてみてはいかがでしょうか?

おすすめの記事