コスト管理は重要であると認識しているものの、
・材料や消耗品の発注などをスタッフに任せて
しまっている
・毎月かかる光熱費
・技工料などが売り上げに対して
どれくらいの割合なのか把握できていない
といった歯科医師の先生は多くいます。
しかし、コスト管理は基本を押さえてしまえば、
あとはときどき見直すだけでいいのです。
最初が肝心です。
そこで今回は、院長先生が知っておくべき
歯科医院経営におけるコスト管理の基本
についてご紹介していきます。
歯科医院経営におけるコスト管理の重要性
コスト管理は歯科医院経営だけでなく、
すべての事業において重要で、コストは支出です。
家庭で例えるとコスト管理ができていなければ、
住宅ローンも組めませんし、
毎日の生活が立ち行かなくなっていきます。
コスト管理は、歯科医院の売り上げに対して、
どれだけ支出があるのかを把握することで
・支出をさげるべきなのか
・効率化のための設備投資を行えるのか
・スタッフに対して昇給させることができるのか
など、院長先生の経営上の決断に
大きく関わってきます。
だからこそ、コスト管理は重要となります。
コスト管理で最初に取り組むべきこと
コスト管理は重要であることを認識した上で、
まずは以下の3つから取り組んでいくことを
おすすめします。
業務工程の見直し
まずは、業務内容の工程に無駄がないかを
確認しましょう。
受付であれば、患者さんが来院してから、
会計終了までの流れを見直します。
事前に予約のカルテが準備されているか、
保険証や診察券確認後にスムーズに診療に案内
できているか、といったことを確認しましょう。
診療開始までに時間がかかってしまう
歯科医院の場合、どう業務を効率化できるのか、
受付スタッフと業務の効率化になにが必要かを
相談しましょう。
診療工程においては、初診時、メインテナンス、
治療によってパターンが異なってきます。
メインテナンスは歯科衛生士に優先的に
任せておけるので、初診時や治療時に歯科助手が
どう動けば無駄を省けるかを考えることで、
効率化が行えます。
受付と診療業務にわけて、工程を見直しましょう。
コスト分析
売上に対して材料費、技工費、人件費、接待交際費
などの割合を把握します。
そこから、毎日のように使う必要な材料費、
ときどきしか使わないもの、
よく消費期限を過ぎて無駄になっていれるもの、
などを把握していきます。
高頻度で使わないのに、高コストの材料が
歯科医院には多くあります。
あまり使わない材料があるのであれば、
安い材料で替えがきかないのか、検討しましょう。
そうすることで、無駄な材料費をカットできます。
スタッフのコスト意識調査
そして、最後にやってほしいのが、
スタッフのコスト意識です。
小さな無駄は従業員が多くなればなるほど、
大きくなります。
診療スタッフは、材料の無駄についての意識、
受付業務であれば、コピー用紙などの
事務消耗品への意識を確認することが重要です。
コスト管理はスタッフ全員で意識させる
コスト管理は院長先生だけ頑張っても、
できる範囲は限られてきます。
スタッフ全員がコスト意識を持って、行動していく
ことでいらないコストを削減することができます。
ですが従業員が多くなればなるほど、
院長先生だけでコントロールすることが
難しくなってきます。
そこで、スタッフ全員がコスト管理を
意識するための3つポイントがあります。
コスト削減に関するルールや制度を設ける
治療に使う材料の1回の量が具体的にどれくらいか
決める、紙コップなど治療に直接的に影響しない
消耗品のコストを定期的に見直す
といったルールをスタッフと決めましょう。
スタッフがコスト意識を持つためにはミーティング
を通じて自らがルールを決めることが重要です。
院長先生は、その場を設けることが
必要になるでしょう。
コスト管理の情報を伝える
コスト管理を行うに当たり、
必ず実践したいこととして情報提供があります。
どれくらい材料費が削減できたのかの結果を
スタッフに知らせます。
自分たちが意識してコスト削減を実践していても、
結果がわからなければやる気がなくなってきます。
よい結果が出ればスタッフもうれしく思いますし、
さらにコスト管理を徹底するようになります。
コスト管理がうまく機能していない場合でも、
情報を伝えることで具体的な目標を設定できます。
コスト削減ができればその分をスタッフに還元する
コスト削減できた分、すべてをスタッフに還元する
必要はありませんが、適切にコストが削減できた
分の一定割合を手当などとして支給することで
「コスト管理は従業員にも大きく関わる」
という認識を持つことができます。
直接的に還元されることで、
よりよいコスト管理のアイディアをスタッフから
積極的に提案する機会も増えます。
コスト意識は従業員がまず関わり、
適切な評価後に還元していくサイクルで
回していくことで、スタッフのコスト管理意識を
定着させることができます。
コスト管理の基本から取り組むことで、
歯科医院経営における適切なコスト管理の大半を
実現できます。
ぜひ、基本から取り組んで、
適切なコスト管理をしていきましょう。