「予防歯科は
メディカルトリートメントモデル(以下MTM)を
貫くことができるかが必要だ

と言われております。
かといって、

  • 途中から来院しない方
  • 早く治療を終わらせてほしい

と訴える患者さんもいて、
MTMの流れを上手く活用できていないと
感じている方も少なからずいるはず
だと思います。

そこで今回は、MTMを成功させる秘訣を
様々な歯科医院での勤務経験を持つ
衛生士の観点から解説していきます。

MTMを成功させる秘訣について
具体的に

【前編】
  • 初診で医院の方針を説明する
  • 情報収集を徹底的にやる
  • 評価、再評価を具体的にする
  • 前編のまとめ
  • 【後編】
  • 衛生士を担当制にする
  • TBI・ホームケア指導を繰り返す
  • 総まとめ
  • の順番にポイントを押えながら紹介していきます。

    初診で医院の方針や強みを説明する

    あなたの医院が

    • どんなことに力を入れているのか
    • 歯に対する考え
    • ○○といった効果または実績がある

    といった内容を患者さんに説明しましょう。

    なぜなら患者さんは、
    歯科医院を「どこも同じ」
    考えている方が多いからです。

    患者さんが

    「どこの歯科医院も変わらないと思う」

    と感じる理由としては大きく2つあります。

    それは

    • 説明がない
    • 理解できない(よくわからない)

    と感じるからです。

    そのため、
    初診でしっかりと医院の方針を説明し
    理解しているのかを確認することで
    他の医院との差別化を図ることができます。

    また、
    強みを言うことで患者さんは

    「○○という実績や経験もあって任せられる」

    と安心感を覚えてくれるでしょう。

    医院の方針に患者さんが納得したら
    次は患者さんの情報収集について
    みていきましょう。

    情報収集を徹底的にやる

    「患者さんの情報収集は徹底的に集めて下さい。」

    とは言っても
    個人的なことは信頼関係を築いてからに
    なりますが

    • 全身疾患の有無
    • 現在の口腔内の状態
    • 歯周基本検査
    • X線撮影
    • 口腔内写真

    といった情報は初めに集めておきましょう。

    この5つの情報は、
    これから治療を進めていく上で
    必要不可欠な物です。
    項目が一つでも欠けると
    説明時に説得力がなくなったり
    治療前後の比較ができなかったりするから
    です。

    また、
    口腔環境の情報の補助として、
    唾液検査もあります。

    唾液検査は、
    患者さんに口腔環境への関心を持ってもらい、
    円滑にカウンセリングを進めていく上で
    役に立つツールです。

    患者さんにあった予防方法を提案する上で、
    情報の一つとしても使用できます。

    患者さんのことを知らないと、
    患者さんにあった予防方法を提案できませんよね。
    だからこそ、徹底的に情報収集しましょう。

    評価、再評価を具体的にする

    患者さんの情報が多くあればあるほど
    治療後の評価に活用できます。
    ここでは具体的な評価方法について
    考えていきましょう。

    具体的な評価の方法とは

    • 写真で比較する
    • 改善しているかを、はっきりと伝える

    になります。

    写真で比較する

    写真は一番わかりやすい評価方法です。
    しかし、撮影者のスキルによっては
    わかりにくい写真になってしまうので、
    初診と同じ角度であり
    改善していることが明瞭に見えるような
    写真撮影を意識しましょう。

    改善しているかを、はっきりと伝える

    評価する意味を考えたことはありますか?
    何のために評価するのでしょうか?
    それは、
    改善しているかを見るためです。

    評価をした後は、必ず

    • 改善しているのか
    • 改善していないのか

    をはっきりと患者さんに伝えて下さい。

    もし悪くなっていた場合には、
    改善しなかった原因を見つけ、
    アドバイスをしましょう。

    そして、
    次の評価の時には改善できるような目標を
    設定すると、患者さんも取り組みやくなりますよ。

    指導内容の理解の度合いは?

    自分の指導した内容を
    患者さんはどこまで理解しているのか
    評価し確認しましょう。

    理解していない部分は、
    どうしたら伝わるのかを試行錯誤してみましょう。

    ここまでの患者さんのモチベーションは?

    評価に至るまでの間に、
    患者さんのモチベーションが
    維持できているか、下がっていないか

    見極めていきます。

    治療計画を見直す必要性は?

    評価の結果によっては、
    治療計画の変更をする場合があります。

    初めに立てた治療計画のまま進めることが
    できるのかをしっかりと、この時に考えます。

    このように患者さんだけではなく
    衛生士を評価することで
    自分への課題や
    もう一度考えるきっかけ
    になるのです。

    前編のまとめ

    MTMの成功のポイントが
    少しわかってきたでしょうか?

    MTMを成功させる第一段階として、

    ① 初診で医院の方針や強みを説明する
    ② 情報収集を徹底的にやる
    ③ 評価、再評価を具体的にする

    これら3つを意識して診療を行ってみましょう。

    引き続きMTMの秘訣について
    お話ししたいことがありますので
    次回ブログをお楽しみに!