人材確保

人材確保は常に歯科業界では難しいです。

しかし、賃上げに伴い、
ますます他業界と賃金差がなくなり、
募集をかけても人材紹介会社に広告費用だけ払って
全く採用できないといったことが起きています。

そこで今回は
歯科医院が安定した経営を手にいれるためにも
欠かせない人材確保について、
なぜ人材確保が難しいのか、
採用して1ヶ月もしないうちに
辞めてしまう原因は何か、
具体的な人材確保のポイントについて
解説していきます。

人材確保が難しい理由

以前は歯科助手であれば
すぐに採用できたというイメージを持つ
歯科医師の先生も多いかもしれませんが、
最低賃金の引き上げに伴い、
歯科助手でも採用が難しくなっています。

ましてや、
歯科衛生士に関しては、
さらに正社員での採用が難しくなっています。

人材確保が難しい理由は、
歯科業界のシステムにあります。

歯科業界では大手歯科医院以外、
教育システムが確立されていません。

そのため、
新人や中途採用のスタッフが入社しても、
仕事を覚えるのが大変で、
離職してしまいます。

歯科知識を3年間学んだ歯科衛生士でも同じです。

基本的な知識はあるものの、
歯科医院によって使う
材料や治療内容が違ってきます。

そのため、せっかく学んできたのに、
教えてもらう人がいないため、
負担となり、離職してしまうことが多いです。

もちろん、
給料の面や人間関係など
人材確保が困難な理由は数多くありますが、
その中でも、
教育システムがないことは
採用された側にとっては大きな負担となり、
離職に大きな拍車をかけていることは事実です。

即採用がダメな理由

応募があれば、履歴書を簡単にみて、
面接し、即採用する歯科医院が多いです。

しかし、
面接して即日採用は後々、
既存スタッフの負担になります。

それは離職率が高くなるからです。

面接で全てがわかるわけではありませんが、
歯科医院の方針を説明し、
共感してもらわないと、
すぐに離職してしまいます。

すぐに離職してしまう方の1番の特徴は、
応募した歯科医院のことを
全く知らないということです。

大手企業に就職する方は、
企業のどんなことに共感して応募したのか、
面接で聞かれます。

そして就活生は企業のことをしっかりと調べ、
面接対策を行います。

しかし、
歯科医院に応募する方の多くは、
給料面や働く時間しか見ていない場合があります。

そんな状態では、
ちょっと不満に思ったことがおきると、
やりがいを感じることができず、
辞めてしまうことにつながります。

結果、
指導にさいた時間は無駄になり、
既存スタッフにとっても、
院長先生にとっても負担となります。

人材確保において必要な3つのこと

人材確保は難しいですし、
すぐに採用しても全て労力が
無駄になってしまう可能性が高いです。

では人材確保をするにあたり、
どういったことが必要なのか、
3つにポイントを絞って紹介していきます。

教育システムを確立する

スタッフを採用する前から、
歯科医院の教育システムを
確立させていきましょう。

教育マニュアルを作って、
採用したスタッフが
いつでも仕事内容を復習できる環境を
作っておくことで、
スタッフが仕事を覚えやすくなります。

一度しか教えてもらってないことは
なかなか覚えられないですが、
見返せる環境があれば
新人の仕事を覚えるストレスを
減らすことができます。

また、指導内容リストを作ることで、
教えた、教えてないといった
トラブルも減らすことができます。

指導する側も、
教えることが明確化するので、
同じことを何度も教えるといった
ストレスを減らすことができます。

面接では歯科医院の方針を説明する

人手不足の場合、
すぐに採用したくなる気持ちはわかりますが、
面接時にこちらから、
歯科医院がどういった方針の組織なのか、
まずは説明しましょう。

企業の理念を伝え、
共感してもらうことで、
働き続けるモチベーションにつながります。

審美に力を入れているのであれば、
身なりにより気を配る必要がありますし、
小児歯科であれば、子供が通いやすいように
子供や保護者の方への気配りが
スタッフには求められます。

小児歯科なのに
子供が苦手な人を採用してしまっては、
本末転倒です。

ですから面接の際には、
どんな歯科医院なのか、必ず説明し、
共感が得られるかを聞きましょう。

その上で、歯科医院見学を実施し、
見学する上での姿勢を確認してから
採用することで、採用後も長く働いてくれます。

既存スタッフの職場満足度を上げる

人材確保で何よりも
歯科医師の先生に知っておいてほしいのが、
既存スタッフの職場満足度です。

既存スタッフの雰囲気が悪ければ、やはり、
どんなに素晴らしい人を採用できても
辞めてしまいます。

一方で、
既存スタッフの職場満足度が高ければ、
スタッフが入ってきても、
すぐに離職といったことにはなりません。

既存スタッフが今の職場環境に満足しているのか、
問題のある既存スタッフがいれば、
新人スタッフが入るまでに問題行動を指摘し、
改善させることが必要です。

今いるスタッフも大事にして、
新しい人材を雇うことで、人材が安定します。

どうしても人手不足で、
新人にばかり気を取られてしまいがちですが、
人材を確保するにはまずは
今いるスタッフについてもしっかりと
把握する必要があります。

すぐに人材が確保できるわけではないですが、
3つのポイントを意識するだけでも、
次の採用が変わります。

ぜひ教育システムがあるのか、
面接で必要なことを話せているのか、
そして既存スタッフについてもしっかりと把握し、
次の採用に活かしましょう。