パワハラ、セクハラ、モラハラなど、
ハラスメントに対して配慮が必要な時代。

面接時の質問事項にも気を使わなければなりません。

とはいえ、本当に知りたいことを聞けないまま採用に
踏み切るわけにもいかないのが現状です。

そこで、OK質問とNG質問の違いや、NG質問を
しないために覚えておきたい言い替え術などを
解説していきます。

面接で起こりがちなハラスメントとは

面接では、
「自院にとって適切な人材かどうか見極めたい」
「長期的な雇用をしたい」という気持ちから、
つい踏み込んだ質問をしてしまいがちです。

“こんな人材を雇いたい”という希望がある以上、
目の前の求職者が希望を満たす人なのかどうかを
正しく見極めるために、履歴書だけではわからない
部分を質問するのは至極当然のことです。

しかし、近年では各種ハラスメントに対する意識が
強まっています。

昭和や平成の時代には問題なかった発言でも、
現代の風潮にはそぐわないものも多くある
ということを理解した立ち振る舞いが求められます。

「就活ハラスメント」や「就活差別」といった
ワードも登場し、面接官による求職者が不快だと
感じる質問が社会問題になっており、
厚生労働省も雇用者側への注意喚起を促しています。

OKな質問

基本的な考え方は、
・業務と関係ないプライベートな事柄や
身体的特徴についての質問
・本人に責任のない事項についての質問
をしないことです。

踏み込み過ぎた質問は、ハラスメントになる
可能性が高いと頭に入れておいてください。

仕事と向き合う姿勢や知識・理解度についての
質問を積極的に行い、答えの内容や話し方などから
人となりを見極めると良いでしょう。

【おすすめの質問】

・この仕事で最も重要な資質は何だと思いますか?
・ご自身の長所(強み)を教えてください。
・どの様に当医院に貢献できると考えていますか?
・歯科保健指導を行うときの手順を説明できますか?
(歯科衛生士)
・アポなしで来院されて早く診てくれと怒る人が
いたらどのように対応しますか?(受付)
・当医院のことをどの程度知っていますか?

NGな質問と適切な言い替え

・「あなたの本籍地はどこですか?」
・「ご両親の出身はどちらですか?」
本籍や国籍に関する問いかけは、
就職差別の代表的な質問です。

人種差別や地域の生活水準等を判断することになり、
主観的判断に属する事柄だと受け取られる
リスクがあります。

訪問歯科など地の利の有無が重要視される時は、
「この周辺地域に馴染みや地の利はありますか?」
と具体的に質問すると良いでしょう。

・「出産の予定はありますか?」
・「結婚の予定はありますか?」
結婚を機に退職・妊娠や出産を機に退職など、
長期的な雇用を検討している場合だからこそ
気になる質問です。

これらの質問は、セクハラだと捉えられてしまう
リスクが非常に高いので絶対にNG。

「長期的に働ける人を採用しようと思っているの
ですが、どのくらいの期間働きたいなど具体的な
ビジョンはありますか?」と、出産・結婚といった
ワードには触れずに聞くのがおすすめです。

・「あなたの信条としている言葉は何ですか?」
・「尊敬する人物は誰ですか?」
その人となりを知るための質問としてよくありそうな
問いかけです。

しかし、信教の自由、思想・信条の自由など、
憲法で保障されている個人の自由権に属する事柄で、
採用選考にもちこむべきではないとされています。

「これまでの経験やスキルをこれから
どう活かせると思いますか?」これまでのこと、
そしてこれからのこと・仕事に対する意欲などを
まとめて問いかけることのできる質問です。

その人のプライベートに踏み込むのではなく、仕事と
絡めた質問を投げかけることを基本としましょう。

まとめ

SNSが普及している現代では、
「面接でありえない質問された…」と容易に
拡散・炎上につながってしまいます。

各種ハラスメントについても正しく理解し、適切な
言い回しで面接を進められるようにしてください。