患者さんに、定期検診や予防歯科の大切さを
説明してもなかなか理解が得られないことも
多いでしょう。

「病院は症状が出てから行く所」
という意識も根強く残ります。

この記事では、
予防歯科の大切さを金銭面から考えていきます。

患者さんへのアプローチ方法に悩んでいる方は、
ぜひ参考にしてみてください。

“予防歯科の大切さ”を伝えるアプローチ方法

「定期検診や機械的清掃が、
虫歯や歯周病を防ぐ近道である」と伝えても、
継続的に通ってもらうのはなかなか難しいもの。

「症状がないのに歯科医院へ通って
お金を払うのは勿体ない・・・」と
感じる人も多いでしょう。

そこで、定期検診に通った方が
“お得である”とアピールしてみるのも
手段の一つです。

院内掲示やホームページのコラムに取り入れて、
リコール率UPを目指しましょう。

諸疾患の治療にかかる費用

虫歯治療や歯周病による口腔内トラブルなど、
「治療にどのくらいの費用がかかるのか?」
という点は、
一般的にはあまり知られていません。

治療費負担の相場を知らず、
「保険適用なら数千円程度では?」
と思っている患者さんも多いでしょう。

予防歯科を怠るということは、
健康な歯を失うリスクだけでなく、
大きな金銭的負担がのしかかるということを
知ってもらいましょう。

※費用は、あくまでも概算です。
尚、3割負担を前提として計算しています。

歯周病

歯周病治療では、ほとんどのケースで
レントゲン撮影が必要となりますので
費用負担が高額になりがちです。

また、治療後のメンテナンスとして
月に1回程度の通院が必要となり、
都度3,000~4,000円程度の費用がかかります。

歯周病治療は保険適用範囲内で
できるものもありますが、
進行が進んでいる場合や
より本格的な治療を行いたい場合には
保険外の方法を選ぶ必要も出てきます。

その場合には、
1回の治療で数万円かかる場合もあります。

ブリッジ

3本のブリッジでは、
奥歯で1万円・前歯で2万円ほどの
料金がかかります。

ここに、初再診料やレントゲン・型取りなどの
諸費用を合わせると、治療完了までには
プラスで1万円~1万5,000円はかかるでしょう。

また、保険適用外のセラミックや
ハイブリッドセラミックを使った場合には、
ブリッジ1本あたり5万~10万円かかることも。

お金をかけて入れたブリッジも、
永久に使えるものではありません。

一般的な寿命は7年ほどと言われますが、
噛み合わせや前後の歯への負担などが影響し
それよりも早くに作り変えとなるケースも
少なくありません。

義歯

義歯の作成にかかる費用は
初診料や調整料などを含めて、
1万5,000円~3万円程度になります。

しかし、義歯の金銭負担で
考慮しなければならないのは
日々の消耗品購入代金です。
・入れ歯安定剤
・入れ歯用洗浄剤

これらで毎月数千円の負担があることに加え、
入れ歯自体の破損や口腔内状況の変化による
作り替えでの出費も考えなければなりません。

定期検診との比較

定期検診にかかる費用は、
1回あたり3,000~4,000円程度。

3ヶ月に1回通った場合には、
12,000~16,000円、
半年に1度の検診では6,000円~8,000円が
年間の負担額となります。

これを前提に、
諸疾患の治療にかかるトータルの費用(概算)と
比べてみると、
定期検診のコスパの良さがわかるでしょう。

定期検診は、
予防歯科に非常に効果のあることだと
伝えると同時に、トラブルが起きた際も
早期発見・早期治療ができるため
治療費負担も最低限に抑えられると
アピールするのがおすすめです。

まとめ

お金の話はデリケートな話題です。

伝え方を間違えると
「お金がないから通わないと思っているの?」
と相手を怒らせてしまうことも・・・。

SNSや院内掲示など、
広く周知させる形で取り入れるのが良いでしょう。

スタッフブログのような形で、
「定期検診にお金をかけるのって勿体ない
・・・と思ったことはありませんか?
実は私もそう思って、調べてみたのですが」
といった切り出し方も有効です。