日頃から経営に力を入れている先生にこそ、改めて
「既存の患者さんの大切さ」を意識し、
スタッフにも共有してほしいと思います。

初心に立ち返り、普段と変わらぬ・あるいは
一歩上の患者さんの気もちに寄り添った
対応こそが、長期的な安定経営に
つながることを再確認しましょう。

既存の患者さんへの対応がおざなりになっていませんか?

定期的に来院してくださる患者さんがいると、
つい「いつもの処置をサクッと終わらせればよい」
と考えてしまうこともあるでしょう。

実際の現場では、「○○さんのいつもの
クリーニングをサクッと終わらせれば、
ここに新患の予約入れられるよね」
といった声が出ることがあるかもしれません。

医師やスタッフも人間ですので、体調や気分の波で
対応に差が出る日があるのは自然なこと。

しかしながら、何度も通院する相手ほど、
無意識のうちに親しみや油断が生じやすい点に
ついては十分に認識しておく必要があります。

それが、既存の患者さん相手に出てしまわない
よう、日々の対応を丁寧に意識しましょう。

患者さんの気持ちと医院に与える悪影響

既存の患者さんに対する配慮が欠けると、その方が
来なくなるだけでは済まない場合があります。

長年かかりつけにしていた方が「冷たくされた」
「雑に扱われた」と感じると、その気持ちは
心に引っかかりやすくなります。

特に「懇意にしていたのに…」という思いは、
悲しさや虚しさといった感情を生み出すでしょう。

こうした感情を発散するために、患者さんが
周囲に愚痴をこぼすこともあり、
その話は口コミや噂として広まりやすくなります。

「かかりつけ医として通っていたのに冷遇された」
というエピソードは印象に残りやすく、SNSでは
尾ひれがついて拡散されるリスクも…

こうした事態は、新規集患にも
悪影響を及ぼします。

既存の患者さんを失うことは、
単に来院数が減るだけでなく、
未来の新規患者さんの来院機会にも影響し、
医院の将来にまで波及する可能性があるのです。

感謝の気持ちを思い出した対応を

医院経営が成立しているのは、日常的に
通ってくださる患者さんのおかげです。

来院頻度が少なく、すべてが保険診療の方で
あってもその存在は重要です。

そこで大切になるのは「初心に戻る」姿勢と、
温かみのある一貫した対応です。

以下のような取り組みをスタッフと
共有するもよいでしょう。

・会話の中に一言「いつもありがとうございます」
 「その後の調子はいかがですか?」等、
 リピーター感が出る言葉選びを意識する
・患者さんの情報(家族構成・趣味・重要な
 出来事など)をカルテに簡潔にメモする欄を作り、
 次回会話でさりげなく触れる
・匿名でできるWEBアンケートを実施し、
 不満の芽を早めに摘む

フリーのアンケートフォームを活用すると、
費用をかけずに患者さんの声を直接
汲み取ることができます。

匿名で回答でき、メール登録も不要にすることで、
患者さんは気軽に本音を書きやすくなります。

質問内容を工夫すれば、患者さんの満足度や
改善点・医院への要望など、経営やサービス向上に
役立つ具体的な情報を得ることが可能です。

また、日々の業務が忙しい中でも、朝礼前の
数分などでスタッフがその日の予約カルテに
目を通す時間を設けるのもおすすめです。

既存患者さんを大切にする姿勢は、
スタッフの一体感にもつながり、医院全体の
雰囲気を良くする効果も期待できるでしょう。

まとめ

既存の患者さんは医院の基礎であり、
安定経営の最大の資産です。

日常の何気ない対応の積み重ねが信頼を
育むことを意識し、初心を忘れず感謝の気持ちを
持って行動することが大切です。

今一度、スタッフ全員で患者さんの
大切さを考え直してみましょう。

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