カウンセリングは歯科の専門知識がある歯科衛生士
が行うべきというご意見もありますが、患者さんの
不安や疑問を丁寧に取り除き、信頼関係を
築くためにこそ、歯科助手は大いに活躍できます。

歯科助手は患者さんと接する機会が多いため、
カウンセリングスキルを磨くことで、患者さんの
治療満足度を大きく向上させることができます。

そこで今回はより患者さんのニーズを把握し、
満足度を上げるために歯科助手ができる
カウンセリングのポイントについて詳しく
解説していきます。

歯科衛生士はメインテナンス業務に
専念してほしいが、自費率を向上させたい!
と思っている院長先生は最後までご覧ください。

歯科助手の仕事の幅が売り上げに貢献する

歯科助手は受付業務、診療の補助がメインとなって
いる歯科医院が多い現状です。

しかし、そこに治療カウンセリングという仕事を
プラスして、歯科助手としての仕事の幅を増やす
ことで、歯科医院の売り上げが大きく変わります。

カウンセリング業務をプラスするだけで、
ホワイトニングやインプラントといった自費診療の
売り上げに歯科助手が大きく貢献できます。

歯科医師は診療、歯科衛生士はメインテナンス業務
が忙しく、患者さんが本当に希望する治療内容を
聞き取り、提案する時間をとることが難しい
場合があります。

患者さんも自費治療の大きなメリットについて
理解できれば、費用だけで判断するのではなく、
一定数自費治療を受けたい方はいます。

そんな患者さんの治療に対する要望に応えられる
役目として、歯科助手が活躍できれば素晴らしい
ことです。

歯科助手が活躍するカウンセリングのポイント

歯科助手がカウンセリングすることは特に自費率
向上に大きく貢献しますが、どういったことを説明
すればより患者さんの治療満足度を上げることが
できるのか、そのポイントを3つ紹介します。

治療の選択肢をすべて提示

1歯欠損であれば、保険のブリッジ、義歯、
そして自費治療ではセラミックなどのブリッジ、
自費の義歯、インプラントの選択肢があります。

歯科助手が行うカウンセリングでは、
すべての治療の選択肢を説明しましょう。

「一般的には保険ではそのままブリッジ治療を
行いますね」と済んでしまうことが多いですが、
カウンセリングに時間をかけられるため、
これだけの治療の選択肢があることを
しっかりと説明しましょう。

それだけで、患者さんが自分の状態にあった
治療は何か?と考えるきっかけとなります。

デメリットも含めてしっかりと説明する

カウンセリングのポイントとして、デメリットも
しっかりと説明しましょう。

自費治療ではインプラントが最も良いと
考えている患者さんもいらっしゃいますが、
患者さんの基礎疾患によってはインプラント治療が
できないケースもあります。

そのため、デメリットも含めてしっかりと
説明して、患者さんの状態や自費治療への
価値観などトータルで判断できるための
情報提供をしましょう。

患者さんの希望を把握し、歯科医師に伝える

歯科助手がカウンセリングを行っても最終的な
治療の同意は歯科医師が行います。

その際、患者さんはすべての治療の選択肢の説明を
事前に聞いているので、治療を選択する時間は
短時間ですみます。

もちろん、あらためて歯科医師の考えを聞いてから
自費治療にするか決断したい患者さんもいるので、
カウンセリングシートにどんなことに悩んでいる
のか記載して、歯科医師に報告しましょう。

歯科医師と患者さんが治療方針を決めやすい
ように、選択肢を絞り込んで報告しましょう。

1歯欠損であれば、インプラントとセラミックの
ブリッジで悩んでいたり、保険か自費のブリッジで
悩んでいるといったことが多く、カウンセリングで
2択まで患者さんが絞り込めるようになることで
スムーズに治療選択が行えるようになります。

歯科助手が行うカウンセリングの注意事項

歯科助手がカウンセリングをすることで、
・自費率の向上
・治療満足度の向上
・歯科医師のカウンセリングに関わる時間短縮
といったメリットがあります。

一方で、注意事項があります。

それは、治療方針は患者さんと歯科医師とで
決定するということです。

歯科助手のカウンセリングでほぼ治療が決まった
という段階まではいいですが、最終決定は
患者さんと歯科医師がしなくてはいけません。

歯科助手のカウンセリングで
「インプラントの方向で治療方針が決まりました」
というような流れになってしまった場合、どれだけ
デメリット、リスクを説明していたとしても、治療
後のトラブルの種になる可能性があるからです。

特に自費治療は保険治療よりも高額なため、
保険治療よりもトラブルが起きやすくなります。

しかし、きちんと歯科医師から患者さんの同意を
得ることで治療後のトラブルは避けられます。

歯科助手のカウンセリングは歯科医院にとっての
メリットだけでなく、最終的に患者さんが
満足のいく治療を受けられるメリットがあります。

ぜひ歯科助手のカウンセリングのポイントを
おさえて、患者さんにとって満足のいく治療を
提供していきましょう。