患者さんからクレームが入る時は、

「医院の診療が混み合っていて、忙しい」

といった場面で多くあると感じませんか?

とはいえ、
忙しい時には丁寧な対応をしている
余裕がないですよね。

そこで、
少し意識して対応することで
患者さんに不快な思いをさせない方法を
ご紹介します。

患者さんがクレームを言う理由

患者さんがクレームを言う理由は
2つあります。

それは、

①不安が強くなる
②対応がいつもより雑

以上2点です。

それぞれについて
詳しく説明していきます。

①不安が強くなる

患者さんは、察知する能力に長けています。

それは、
常連の患者さんだけではなく
初めて歯科医院に訪れた患者さんも同じです。

特に、初診の患者さんは
緊張や不安な状態で歯科医院を訪れます。

そんな中で、
院長やスタッフがイライラしていたり、
忙しくて焦っていたりする雰囲気を感じ取ると、
さらに不安が増します。

忙しくて焦ったりしている雰囲気を
感じ取ることで、

「いつも雰囲気が悪い歯科医院なのかな」
「しっかりと診てもらえるのかな」

歯科医院に対して不信感を抱く
きっかけにもなるのです。

人は漠然とした不安を打ち消そうと
感情のままに相手に伝えてしまう傾向があり、
それがクレームに繋がる、と言われています。

②対応がいつもより雑

医療従事者も人間です。

忙しいとイライラしたり、
いつもしないようなミスを
起こしたりすることはあります。

忙しさから、
いつもと雰囲気や
話し方が変わることもあるでしょう。

患者さんは、
その対応の変化を不快に感じることも
あります。

いつもと違うことが1つでもあると、
他の些細なことにも敏感になり
不快感が増していきます。

例えば、
いつもよりエプロンの付け方が雑だったり、
話しを途中で遮られたりすると、
その後の対応も普段より悪く感じて、
クレームになるきっかけとなってしまうのです。

忙しい時、混み合っている時の「3つの対策」

忙しい時や混み合っている時には、
次の3つの対策が有効です。

①事前準備をしておく
②視覚を気にする
③チーム医療を活用する

詳しい対策について解説していきます。

①事前準備をしておく

診療で忙しくなる前に、
できる準備はしておきましょう。

治療で必要な道具や
説明する内容の確認など、
患者さんが来院してから準備を始めるのでは無く、
事前に確認や準備をしておくことで、
忙しくなっても焦らないで
治療に取り組むことができます。

また、
気持ちが切り替えられる時間を
作ることも効果的です。

忙しい時には、
次の患者さんを診るまでに
切り替える時間がないので、
焦ったままの状態が続きます。

例えば、
次の患者さんを診療室に通す前に、
深呼吸をすることをルーチン化してみては
いかがでしょうか。

そうすることで、
次の患者さんへと気持ちが切り替わり、
どんな状況であっても冷静に対応できる
自分を保つことが可能です。

深呼吸には、
イライラや焦りの感情を抑えて
落ち着かせる効果があるので、
焦らずに行動できます。

②視覚を気にする

視覚とは、

  • 見た目
  • 表情
  • 態度

といったような、目で確認できることです。

人は、
視覚で判断することがほとんどです。

忙しくても視覚を意識するだけで
患者さんの反応は変わってきます。

焦った余裕の無い表情ではなく、

  • 笑顔を作る
  • 挨拶や声かけをいつも以上に行う

など、
自分なりに精一杯表現していれば、
患者さんは忙しい中でも

「しっかりやってくれているな」

と、好感を持ってくれます。

また、
自分なりに精一杯表現していると、
患者さんが理不尽な言葉や態度を取っても
冷静に

「様々な患者さんがいるな」

といったように、
心にゆとりをもって対応が可能で、
割り切って接することができます。

人からの見え方を意識して、
相手に伝わる思いやりの気持ちを
身につけることが
自分を守ることにも繋がるのです。

③チーム医療を活用する

予約の時間を過ぎても、
診療してもらえないのは
患者さんにとってストレスです。

「いつまで待てばいいのか?」

といったことがわからないことが、
患者さんの気持ちをイライラさせます。

ほとんどの患者さんは
予約をした時間に行けば、
すぐに診てもらえると思っているからです。

患者さんの理解を促す
「機転の利いた一言」と
状況を把握した上で、
「何分待たせてしまうのか」を
伝えることが重要です。

例えば、
院長は今の治療がどれくらいで終わるかを
助手に伝え、さらに受付に伝えます。
また、衛生士も自分が行っている処置が
何分で終わるかを受付に伝えます。

伝えてもらった情報を元に受付は、
お待ちしている患者さんに
「何分後に診ることができる」ことを
待っている患者さんに
なるべく早く伝えましょう。

「分からない」という状況が、
一番怒りを伴います。

そのため、
曖昧にせずにハッキリと状況を
伝えることが大事です。

また、
緊急で来院された方がいて
時間が押してしまった場合には

「緊急の方の対応にご協力頂き
ありがとうございます。」

といったように、
お待ちの方に伝えることで、

「緊急の方がいるならしょうがない」

と、気持ちが治まりやすいです。

その後、
患者さんが診療室に入る時には、

「大変お待たせいたしました。」

と、再度重ねて伝えることで、
さらに気持ちを落ち着かせます。

まとめ

忙しい時には焦って、
周りが見えなくなることが多いです。

患者さんの不安な気持ちに気づかず
対処してしまうと、
来院が途絶える可能性があります。

事前の準備や忙しくなった時の対応の仕方を
スタッフで話し合って決めておくと、
焦らずに冷静に対応することができ、
患者さんの負担も減らせることにも繋がります。