
治療中、顔への水撥ねや思わぬ事故を防ぐため、
患者さんの目元にタオルをかけているという
医院は多いでしょう。
今回は、“ホスピタリティを意識した医院運営”
というテーマの元、この目隠し用タオルについて
考えます。
衛生面や匂いなど患者さんに気持ちよく
使ってもらうためのコツや、おすすめの扱い方や
代替え品についても解説します。
ホスピタリティとは
Hospitalityとは、もてなしや歓迎といった意味を
もつ英単語です。
接客や接遇の場面でも頻繁に用いられている
言葉であり、聞いたことがあるという人も
多いのではないでしょうか?
ビジネスシーンにおいては、
・お客様への心配りや配慮を示す行動
・顧客に心地よいと感じてもらえるような気配り
といった意味で、サービス業を中心に
マナー教育に取り入れられている考え方です。
近年では、医療現場でもこのホスピタリティを
重要視する傾向にあります。
・患者さんに対する寄り添いの姿勢
・気分が良い、大切にされていると感じて
もらえるような言葉使いや態度
ホスピタリティに配慮した接し方をすることは
患者さんの満足度につながり、信頼関係の構築・
リピート率アップ・口コミ等の影響による
集患効果へとつながると考えられています。
目隠しタオルに求められるホスピタリティと対策
ホスピタリティの精神に基づいて、
目隠しタオルについて考えてみましょう。
ホスピタリティが高い
・洗いたてでまだ誰も使っていない
・水撥ねに応じて交換してくれる
・清潔感のある見た目
・強すぎない心地よい香り
ホスピタリティが低い
・使いまわしている
・汚れても最後まで同じものを使う
・毛羽立ちや色褪せがあり清潔感がない
・不快になる臭い、強すぎる洗剤臭
使い捨てにする必要こそありませんが、
1人が使うごとに交換して洗濯するのが
最低限のマナーです。
毎日洗濯すると想定すれば、1日の最大集患数
+10枚程度のタオルを用意しておけばOK。
頻度としては高くないと思いますが、水撥ねの
度合いや印象材の付着などがあった場合には、
必要に応じてタオル交換するのも良い気遣いです。
タオルの選び方もホスピタリティに
大きな影響を与えます。
粗品のような薄いタオルは、毛羽立ちやすく
顔にのせた時の肌触りもあまりよくありません。
ベージュや薄いグレーといった落ち着いた色で、
適度な厚みのある商品がおすすめです。
洗濯の仕方は、個人によって好みが分かれる
部分です。
海外製の香りの強い柔軟剤や、香り付けのための
ビーズなど、万人受けしない製品は使用を
避けるのがベター。
仕上がりがふんわりとするタイプで、
落ち着いた上品な香りの柔軟剤を選びましょう。
加えて、月に1度程度ハイターでしっかりと
除菌をして、不快感のある臭いを発生させないよう
気を配るのも大切です。
目隠しタオルの代替品とは
感染症対策の観点から、目隠しタオルを
使用しないという医院もあります。
また、患者さんの中にはたとえ洗ってあった
としても「誰が使ったか分からないタオルを顔に
のせたくない」という人もいるでしょう。
そのような時におすすめの方法を3つ紹介します。
・使い捨てのタオル
・使い捨てのペーパータオル
・タオルの持参をOKとする
安価な白い薄手のタオルを患者さん毎に使い捨て
とする方法や、使い捨てのペーパータオルを
用いるなど、目隠しタオルもディスポーザブル
として対応する方法があります。
また、普段は洗って使いまわすタオルを使用し、
患者さんからの希望に応じてディスポーザブル対応
ができるよう備品として用意しているという
医院もあります。
ユニット近くに
・当院のタオルは患者さん毎に交換しています
・使い捨てタオルもあるので気になる方は
スタッフに声をかけてください
・タオルの持参もOKです
といった内容を伝えるポップを
掲示しておくとよいでしょう。