「褒めることは良いことが多い。」
と言われています。
かといって、
・スタッフを褒めることで
過信されてしまうことが心配
・そもそも褒め方がわからない
と思う方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、
“スタッフが成長する褒め方について”
解説していきます。
「褒める=フィードバック」
褒めることは相手へのフィードバックです。
例えば、
スタッフが問題を起こした場合、
その「問題」が
良かったのか、それとも悪かったのかは、
結果が出ていないと
本人には判断ができません。
そこで、
院長がスタッフの行動に対して
「正しければ褒める」
「間違っていれば注意する」
こういったことを行うことで、
スタッフは、自分の行為が
「適切」か「不適切」なのかを
学ぶのです。
適切な行動は、繰り返し行うことで
精度が高くなっていくので、
結果として医院にとっても利益になります。
褒める方法を間違えると相手が勘違いをする
褒めどころを間違えると、
相手が勘違いする可能性があるので
注意が必要です。
・何のために褒めるのか
・どんなスタッフになってほしいのか
この2つを考えながら
適切に褒めることが重要です。
自己成長を引き起こす【4つの褒め方】
「褒める」は
相手へのフィードバックになるので、
フィードバックをもらった側は
「気づく」ことが可能です。
その気づきによってスタッフは、
どんどん成長していきます。
褒め方のポイントは、
次の4つになります。
①「強化したい行動を褒める」
②具体的に褒める
③承認欲求を満たす
④文章で褒める
それぞれ詳しく説明していきます。
①「強化したい行動を褒める」
人は褒められた行動に対して、
もう一度、褒められた部分を繰り返そう
という気持ちになります。
そのため、
結果を褒めても
行動には繋がりにくいので、
スタッフの強化したい行動を
褒めることが大切です。
②具体的に褒める
例えば、
キャンセルも頻繁にある患者さんに対して、
衛生士の○○さんが担当するようになってから
定期検診にまじめに通うようになったとします。
その時に、
「患者さんが通うようになってすごいな」
だと、結果を褒めているだけです。
「患者さんがまじめに通うようになったのは、
○○さんが患者さんに
歯の大事さを伝えていたからだよ。」
「患者さんが理解しやすいように説明したり、
図を使ったりと
工夫してやっているのが伝わったね。」
といったように、
強化したい具体的な行動を、
できるだけ細かく褒めると本人は
「これからも褒められた部分を頑張ろう!」
と思うようになります。
結果だけを褒めると、
何が良かったのか分かりにくいので
「気づき」に繋がらないのです。
さらに、具体的に褒めることで、
スタッフは
「自分はすごい!」
「仕事ができる!」
と、自分への自信にもなります。
③承認欲求を満たす
心理学で有名なマズローの
欲求5段階仮説があります。
この仮説では、
人から承認される、
認められる承認欲求は
高次に位置すると定めています。
そのため、
本人を満たす承認欲求は、
モチベーションを
大きくアップすることになるのです。
例えば、
「患者さんが定期検診に通ってくれるのは、
医院にとっても重要なこと」
「私(院長)もとても嬉しいぞ!」
と組織や他の人への貢献を強調すると、
承認欲求は強くなります。
お金の欲求や物質の欲求には、
慣れの効果があります。
今までより多くのお金を手に入れても
すぐに慣れてしまい、
次はもっと大金を手に入れないと
満足出来なくなるのです。
一方で、
承認欲求には慣れの効果がありません。
承認欲求を満たす効果があれば、
10回でも100回でも褒めて、
何度でもその効果が得られるのです。
④文章で褒める
褒める手段は口頭だけではありません。
手紙やメールなどの文章で褒めると、
より効果的です。
文章は形で残る物なので、
後から何度でも
読み返すことができます。
本人が読み返すたびに
「褒め効果」を
得ることができるのです。
例えば、
「衛生士記録が細かく書いてあるおかげで、
患者さんの性格や生活習慣が
良くわかったよ。
○○さんは患者さんのことを
良く見ているし、
話しを丁寧に聞いているんだね。」
など、たまに口頭ではなく
メールで褒めることも、
スタッフのモチベーションアップになります。
まとめ
褒める、褒められる行為は、
1つのコミュニケーションで、
人間関係がより深くなっていく方法
でもあります。
褒められて不快に思う人はいないので、
スタッフをどんどん褒めていきましょう。
また、
人は誰でも承認欲求を持っていて、
自分を認めてくれる人に好意を持つのです。
上手に褒めて働きやすい、
モチベーションの高い職場を
作っていきましょう。