「失敗は成功の元」
という言葉がありますが、
歯科医院に限らず、
「スタッフが成長していくためには
失敗は切っても切り離せないものである」
と、思いませんか?
患者さんに迷惑をかけてしまうのは
良いことではないですが、
失敗をマイナスと捉えるのは
もう一昔前の話しです。
なぜなら
失敗は歯科医院を
成長させる可能性があるからです。
とはいえ、
失敗の対応の仕方によっては
スタッフが離職を考えるきっかけに
なることもあります。
そこで今回は、
スタッフの失敗を医院の成長に変える方法
について解説していきます。
「失敗した時の対応がわからない…」
「スタッフの離職率を減らしたい…。
けど、どうしたらいいのか…。」
とお悩みの方は是非、
この記事を参考にして下さいね。
失敗を報告しないスタッフの本音は?
スタッフが失敗をしたのに
院長に報告しないで
黙ったままにしておくケースも少なくありません。
スタッフが失敗を隠してしまうのは、
次のような理由があると推測されます。
- 怒られる、責められる
- 言っても改善しない
それぞれを詳しく解説していきます。
怒られる、責められる
誰でも怒られたり、
責められたりするのは嫌ですよね。
特に、人はどちらかというと
嫌なことの方が印象に残りやすいので、
あなたのイメージが
「失敗したら怒る人」
になる可能性があります。
さらに、一度失敗をして怒られたら、
次の失敗が怖くて、
仕事が楽しいと感じることが
できなくなります。
そんな状況で働き続ける人はほとんどいません。
怒りの言葉や責めの言葉からは、
悪循環しか生まれないのです。
言っても改善しない
失敗に限らず、
「相談したことや意見を言っても何も変わらない」
「状況を改善する余地がない」
こういった雰囲気の職場で働くスタッフは
諦めモードに入ってしまい
心を閉ざしていきます。
そんな環境では、
いざ話し合おうという場合になっても
本音で話し合うことが難しくなります。
失敗の対策は「4つ」
スタッフが失敗をした時には、
次の4つのことを
意識するようにしましょう。
- 「なぜ」の徹底分析
- 「誰」を追求しない
- 報告しやすい環境作り
- 失敗を評価する
それぞれを簡単に紹介していきます。
「なぜ」の徹底分析
例えば、患者さんから
「歯石を取るのが痛かった。」
という
クレームがきたとします。
これを聞いた時に、
「○○さんが痛かったと言っていたから
今度からは優しくしてね。」
といった
アドバイスでは
何の解決にもなっていません。
スタッフが患者さんに対して
良くなると思ってやったことに
クレームがきてしまったのは
なぜなのかについて、
話し合って分析することが重要です。
失敗をしたスタッフの考察として
「歯石が多く付いていたから、
機械で強めにとってしまった。」
「歯石を取るときに痛みが生じること、
歯茎が炎症を起こしているから
痛みに敏感になっていることを
詳しく伝えていなかった。」
といったミスが挙げられました。
「なぜ」の部分をスタッフみんなで話し合い
分析することで、
初めて失敗を明確化することができるのです。
「誰」を追求しない
誰が失敗をしたのかは
重要なことではありません。
失敗した人自身に落ち度があったのではなく、
たまたまその人がそれをやっていただけの
可能性もあるからです。
例えば、
材料が無くなり、
在庫も無い状態で治療が出来ないケースでは、
いつも材料の注文や確認をする人ではなく、
材料に詳しくないスタッフが
材料の確認や注文を
している場合もあるからです。
確かに、
個人の不注意が原因で失敗する場合も
無いとは言えませんが、
重要な問題点は個人ではないはずです。
「どうすれば再発を防げるのか」
こういったことを話し合い、
問題点を洗い出して
解決策を探ることの方が重要です。
また失敗を明確化するためにも
「誰が失敗したんだ?」を聞かないのが
報告を受ける側の心構えでもあります。
報告しやすい環境作り
報告すると怒られるのが嫌で
スタッフは報告しなくなります。
失敗を隠すと問題の原因が放置されるので、
同じような失敗が続く悪循環な環境になります。
問題を表に出すためにも
スタッフの口を閉じないような組織作りが
必要です。
環境作りの一歩としては、
- 責めない
- 怒らない
- 話しを聞く姿勢を見せる
こういったことを心掛けると効果的です。
失敗を評価する
失敗を繰り返さないためにも評価をしましょう。
「じゃあ、どうすればよかった?」
「こういうやり方はどう?」
という風に
失敗の評価と改善点を
スタッフみんなで話し合いましょう。
失敗をした例を出しながら
ディスカッションをすることは、
医院の質の向上にも繋がります。
まとめ
「失敗は、恥ずかしいことではない。」
患者さんのためや医院の成長に必要な要素だ
ということをスタッフに伝えましょう。
患者さんのためにと思えば、
スタッフは失敗を隠すことはありません。
むしろ、
失敗の問題点が共有されて、
精査されるのは医院の成長になります。
また、
スタッフと考えや意見を交換することで、
信頼関係も深まるので
離職率の低下にも繋がります。