安定した経営をするためにも、
自由診療は積極的に取り入れていきたいものです。
今回は、
自費治療にあまり前向きでない患者さんにも
「自然に受け入れてもらう」2つのコツ
を紹介します。

「自費治療をオススメしたいけれど、
押し付けだと思われないか・・・」

「自費治療率の伸びに悩んでいる」
という経営者の方は、是非参考にしてください。

歯科診療所における自費治療とは

厚生労働省が毎年発表している
「医療経済実態調査(医療機関等調査)」
によると、
個人経営の歯科診療所では
収益全体の81%、
医療法人では74%が
保険適用治療であるとの調査結果が出ています。

これほどまでに自費治療が浸透していない理由は
“治療内容の違いが十分に認知されていない”
ことが原因だと推察されます。

「保険治療で十分」と、
違いを理解しないまま保険治療を選んでいる
患者さんが大半を占めるのでしょう。

自費治療の魅力を理解してもらおう

自費治療に対して前向きでない人に対しては、
「勧める」のではなく
「選択肢に入れてもらう」ことから
スタートさせるのが1つ目のコツです。

そのためには、
患者さんが治療を検討する上で
知りたいことを分かりやすく
端的にまとめた表や資料を作成しましょう。

患者さんが治療を受ける上で知りたいことは
以下のような事を意識しましょう。

  • トータルで支払う費用
  • 機能面
  • 審美性
  • 維持力
  • 治療期間と受診回数の目安
  • 周りの歯への影響

保健治療・自費治療それぞれの特徴を含めた
これらの情報を視覚的にわかりやすくまとめ、
“どの治療を受けたいか”を
患者さん自身に選んでもらいましょう。

「分からない点があれば
なんでも聞いてください。」
と声をかけ、
自然に自費治療を選択肢として
提示してあげることがポイントです。

自費治療の良さを積極的にアピールし
誘導するのではなく、
少しでも「興味をもってもらう」
「違いがあることを理解してもらう」
ことからはじめましょう。

PMTCや口臭チェックから始めるのがおすすめ

「自費治療には、
保険適用治療にはないメリットがある」
ということをより理解してもらうためには、
実際に自費治療を受けて
その効果を体感してもらうのが一番です。

そのために、
自費治療の中でも比較的安価かつ効果を
実感しやすいものから取り入れていくのが
2つ目のコツです。

自費素材でのコアやクラウンは、
治療としてのメリットは大きいものの
治療後年数が経過した後にこそ
本当の良さが分かるため、
実感に即効性はありません。

反対にすぐに違いの良さを体感できる
インプラントや自費素材での義歯は
費用が高額になるため、
初めての自費治療には
ハードルが高すぎてしまいます。

初めての自費治療としておすすめなのは
「PMTC」や「口臭改善治療」です。

PMTCのアピールポイントは以下のような事
が挙げられます。

  • 歯石取りだけでなく歯面清掃をするため、
    歯本来の白さがよみがえる
  • 歯石になっていない菌や
    バイオフィルムまで除去
  • 虫歯予防や歯周病対策としての効果が高く、
    海外ではPMTCが主流

口臭改善治療のアピールポイントは
以下のような事が挙げられます。

  • 自身の口腔環境を把握でき、
    虫歯や歯周病のリスクも知ることができる
  • 口腔外疾患(糖尿病、副鼻腔炎、胃がん)が
    発見できることもある
  • 自分に自信がもてるようになる

それぞれ、
技工を挟まないため費用が比較的安価に
抑えられることに加え、
効果をすぐに実感しやすいという
メリットがあります。

まとめ

収益を伸ばすためには、
自費治療の割合は高めておくに
越したことはありません。

しかし、
医院経営において最も重要なのは
「患者さんとの信頼関係」です。

自費治療の良さを前面に押し出した説明では
「押し付け」と捉えられてしまい、
別の医院に流れてしまう可能性も
ゼロではありません。

かといって、何も説明しないままでは
自費治療率は伸び悩み続けます。

そこで以下を意識するよう心がけましょう。

  • 患者さんが自分の意思で治療内容を選べるような
    カウンセリング体勢を整えること
  • 自費治療のハードルを下げつつ、
    自費治療にしかできない効果を実感してもらうこと

この2つのコツを押さえ
「より自然に自費治療を受け入れる
流れを作ること」を心がけてみましょう。